◆その軌跡に幕張メッセが涙した「stage3」
全4公演のラストを飾るのは「hololive SUPER EXPO 2024」が閉幕した後にスタートしたstage3。まさに今年の祭典を締めくくる最後の打ち上げ花火です。
1発目はSTAGE3の出演者全員が登場する「キラメキライダー☆」。2020年1月に実施されたホロライブ初の全体ライブで披露された楽曲で、公式曲としては第3弾です。
思えば当時は何もかもが手探りで、おそらくタレントたちはもちろんのことスタッフ側も不慣れだったはず。
しかも2度目となる全体ライブ「hololive 2nd fes. Beyond the Stage」は流行り病の影響で無観客・有料配信限定の形式に。これからライブを育てていこうとする中、客席の反応が見られないという出鼻をくじかれる形となりました。
それでも新たなチャレンジやライブを重ねた結果、全編AR演出や生演奏、日ごろのダンスレッスンやボイトレが活きたパフォーマンスなど、すべての面において急速に成長していきました。あれほど体力がなく、1曲だけで息切れしていた姫森ルーナさんも体力がつきましたし、2024年3月5日に実施した「さくらみこ」さんのバースデーライブにゲスト出演した「しぐれうい」さんも、「あんなの人が踊るダンスじゃないよ(笑)」と語ったほどダンスのレベルも上がりました。
もちろん「うい」さんはダンスが本職ではありませんが、それでもホロライブメンバーの成長が感じられるひと言でした。

ソロの振り付けで精いっぱいだったホロライブメンバーがフォーメーションダンスをした時は本当に驚いたものですし、今はその見せ方にもこだわるほど経験も積んでいます。
また歌やダンスに対してまだまだ力量不足を感じているだろうホロライブメンバーも、それを補って余りあるほどの楽しさが感じられて毎回のパフォーマンスが楽しみです。スキルに差があってもそれは個性の範囲内であり、それぞれが違った魅力を持っているからこそ感情移入ができるというもの。1曲目の「キラメキライダー☆」は、まさにそれらの積み重ねの原点であり、これまでの歩みを思い出させてくれるものでした。
続いて披露されたのは雪花ラミィさんの「Lamy*Love(ハートマーク)Fest☆」。
トップバッターを任されたことについてラミィさんは「マジ汗がとまんなかった」「前日は寝れなかった」と告白。
冒頭数分は無料お試しパートであることにも触れ、引き続き有料本編を見たいと思わせるパフォーマンスをしなければならない、全体曲からの盛り上がりをさらに盛り上げるくらいじゃないとだめ等、責任をまっとうするプレッシャーについても語りました。そしてソロパートのお気に入りスクリーンショットをファンにも見せながら、「この景色はみんながいたからこその景色」とライブの余韻をかみしめていました。

3曲目はAZKiさんによる「ω猫」。「にゃんにゃん」の歌詞と振り付けが愛らしく、一瞬たりとも目を離したくない一曲です。続くクレイジー・オリーさんの「ソングオブザデッド」は、オリーさんらしい、ゾンビアニメ「ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~」のオープニングテーマ。
さくらみこさんと白上フブキさんは「むげんだいすき」を熱唱し、ワトソン・アメリアさんは笑顔が素敵な「シュガーソングとビターステップ」を。七詩ムメイさんもオリジナルソングの「mumei」を客席に語りかけるように歌い上げ、ラプラス・ダークネスさんが小さな身体で激しいダンスを披露した「合縁事変」へと続きます。
今回は全体ライブということでホロライブIDとホロライブENの海外タレントも幕張メッセに集合したのですが、その楽屋裏やホテルでの宿泊はまるで修学旅行のような楽しさがあったようです。
例えばベスティア・ゼータさんは、JPのみならず様々な先輩たちと会えたことを配信内で報告。轟はじめさんや音乃瀬奏さんのモノマネを愛らしく披露したり、一条莉々華さんとメッセージ交換したことにも触れたりして、莉々華さんとオフコラボをしたいと楽しそうに語っていました。
また自身の宿泊ホテルと七詩ムメイさんのホテルが近いことを知ると、ムメイさんの部屋におじゃましたり、カエラ・コヴァルスキアさんも呼んだりしてお喋りを楽しんだそうです。
ワトソン・アメリアさんはゲームセンターへ遊びに行き、クレーンゲームで兎田ぺこらさんのパペットを見事ゲットしたとか。多くの人に会えたこと、フェスのパフォーマンスも満足いくものが見せられたと語っていました。

9曲目は百鬼あやめさん&雪花ラミィさん&アーニャ・メルフィッサさんによる「初恋サイダー」。10曲目はアーニャ・メルフィッサさんが「偽物人間40号」を歌ったほか、ムーナ・ホシノヴァさんが拳を突き上げた「Who’s Toxic? It’s You!」、常闇トワさんの歌声にペンライトが乱舞する「S.T.Y.」、紫咲シオンさん&ワトソン・アメリアさん&七詩ムメイさんの「空色デイズ」を経て、STAGE3の出演者全員が3つのステージに登場した「Shiny Smily Story」に続きます。
15曲目に登場したのは「シンデレラ・マジック」の紫咲シオンさん。シオンさんは現在配信を制限していることもあって少し心配する部分もありましたが、ユニット曲に引き続いて元気な姿を見せてくれて会場を沸かせていました。

続く楽曲は、猫又おかゆさんの振り付けも愛らしい「ネコカブリーナ」。さらに湊あくあさんがキュートな魅力を振りまく「君の最推しにしてよ!」、ロボ子さん&湊あくあさん&セレス・ファウナさんの「ぼなぺてぃーと(ハートマーク)S」、ロボ子さんが感情たっぷりに歌い上げる「僕が死のうと思ったのは」、セレス・ファウナさんがしっとりと大人の魅力を感じさせてくれた「ODDTAXI」へと続き客席を虜に。
21曲目は百鬼あやめさんの出番ですが、なんと会場で新曲「melting」を披露するというサプライズを!
この楽曲はすでに収録済みで、どのタイミングでお披露目しようか考えていたところ、ちょうど5thフェスがあるということで「まぁせっかくだし! もういっか!」と披露することになったそうです。

そしてライブはいよいよクライマックスへ。
22曲目に披露された「Gimme×Gimme」はムーナ・ホシノヴァさんと猫又おかゆさんによるユニット曲。そこから白上フブキさんの推し活愛がこもった「Letter☆彡」、さくらみこさんの軌跡と未来を歌った「アワーツリー」、星街すいせいさんのメドレー、常闇トワさん&ラプラス・ダークネスさん&クレイジー・オリーさんの「RAD DOGS」へと続き、いよいよラス前のユニット曲「The Last Frontier」へ。

「The Last Frontier」を歌うのはAZKiさんと星街すいせいさん。
もともとこの曲はAZKiさんが星街さんのために作詞作曲した楽曲で、その時の様々な心境を歌詞に込めたものです。
……というのも、AZKiさんは当時「ホロライブプロダクション」内の音楽レーベル「イノナカミュージック」に所属していたのですが、イノナカミュージックが翌年に活動終了をすることが決まっていたため、星街さんへの別れの言葉を歌詞に込めたそうです。
星街さんは当時ホロライブに所属していましたが、もともとはAZKiさんとともにイノナカミュージックに所属し共に切磋琢磨していた身。AZKiさんがイノナカミュージックの活動停止とともに引退することを知っていたこともあり、歌詞を見ただけで何となく別れを告げられていることを察したそうです。
なおAZKiさんはその後、ホロライブに移籍し現在も活動を継続中。今後も引退の予定はありません。引退話も内々の予定であり公表されたことはありませんでした。
今回の5thフェスでユニットを組むことが決定した際、AZKiさんも星街さんもお互い思い入れのある「The Last Frontier」を歌うことを決めたのですが、星街さんとしては当時と状況が違うことに違和感を抱き、ライブバージョンとして一部歌詞を変えたいと提案しました。あの頃の別れのメッセージではなく、AZKiさんがこれから歩むだろう明るい未来を歌った歌詞に。
そうして今回のスペシャルバージョンの「The Last Frontier」が完成しました。
もちろんAZKiさんも歌詞を見てその意味がわかり、めちゃめちゃ嬉しかったと声を弾ませていました。

ステージにAZKiさんと星街さんの姿があらわれると、「元イノナカ組」であることを知っているファンは一気に大盛り上がり。「あの曲が来るか!?」と期待が膨らみます。そしてその予想通りの展開になると、ペンライトを狂喜乱舞させました。
ただ今回のステージはそれだけでは終わりません。
前日に思いついたというサプライズを、星街さんはライブスタッフにも内緒で準備。ステージ上で突然AZKiさんへの手紙を取り出し、「まってまって、良くない良くない!」とすでに涙ぐんでいるAZKiさんにメッセージを送ります。
そしてメッセージの読み上げが始まるとAZKiさんは大号泣。星街さんも客席に悟られないよう努めながら静かに涙を流します。
その状態で迎えたのが、STAGE3出演者全員が歌ったラストの1曲でした。
ホロライブメンバーの全員が自分の旅路と重ね合わせ、その歌詞に感動した楽曲「Capture the Moment」。すべての歩みがこのテーマに、そしてこのイベントに収束しており、歌いながらそれぞれが新たな目標を見出したことでしょう。
アキ・ローゼンタールさんも、大空スバルさんも、大神ミオさんも感想配信でソロライブへの夢を語り、いつかやりたいと言ってくれました。
今回は見学組だったホロライブENの新人「Advent」の皆さんも「このホロライブメンバーの一員になれたなんて信じられない!」「来年はAdventの晴れ舞台になるはず」と語っていたそうで、やがて来る夢のひと時に想いを馳せていました。
5thフェスが終わって控室に戻った後も、さくらみこさんはAZKiさんと星街さんに対し、「もう、みこ耐えらんねぇよ!」と涙腺を崩壊。実はAZKiさんは何度も夢を諦める瞬間があったそうで、それでも乗り越え、ここまで続けてきてくれたことに感謝しつつ涙を溢れさせていました。それは白上フブキさんも同じで、みこさんとともに号泣していたそうです。
また今回のフェスで本当にがんばれたのか、自信を失いかけていた風真いろはさんもまた、「The Last Frontier」に励まされたそうです。
教えられたのは「立ち止まらずに進むことの大切さ」。
それを知って、自分の至らない部分も、がんばった部分も、すべてを受け入れられたといいます。
感想配信でAZKiさんは語っていました。辞めずにいたから今がある。そこにはファンの支えもあった……と。そして会場からの帰り際、星街さん、みこさん、フブキさんにこう告げたそうです。
「辞めなくてよかった」と。
「Capture the Moment」。
それは5回目となる全体ライブのタイトルであり、本公演のために制作された全体曲の新曲タイトルでもあります。
意味は「瞬間を感じて記憶に残す(直訳:瞬間をとらえる)」。
そしてそのひとつひとつの積み重ねが未来への扉を開き、幸せをもたらす思い出となる。
みなさんにはいったい、どんな「瞬間」が胸に残りましたか?

【[ DAY2 ] hololive stage3セットリスト】
01.キラメキライダー☆……STAGE3全員
02.Lamy*Love(ハートマーク)Fest☆……雪花ラミィ
03.ω猫……AZKi
04.ソングオブザデッド……クレイジー・オリー
05.むげんだいすき……さくらみこ、白上フブキ
06.シュガーソングとビターステップ……ワトソン・アメリア
07.mumei……七詩ムメイ
08.合縁事変……ラプラス・ダークネス
09.初恋サイダー……百鬼あやめ、雪花ラミィ、アーニャ・メルフィッサ
10.偽物人間40号……アーニャ・メルフィッサ
11.Who’s Toxic? It’s You!……ムーナ・ホシノヴァ
12.S.T.Y.……常闇トワ
13.空色デイズ……紫咲シオン、ワトソン・アメリア、七詩ムメイ
14.Shiny Smily Story……STAGE3全員
15.シンデレラ・マジック……紫咲シオン
16.ネコカブリーナ……猫又おかゆ
17.君の最推しにしてよ!……湊あくあ
18.ぼなぺてぃーと(ハートマーク)S……ロボ子さん、湊あくあ、セレス・ファウナ
19.僕が死のうと思ったのは……ロボ子さん
20.ODDTAXI……セレス・ファウナ
21.melting……百鬼あやめ
22.Gimme×Gimme……ムーナ・ホシノヴァ、猫又おかゆ
23.Letter☆彡……白上フブキ
24.アワーツリー……さくらみこ
25.灼熱にて純情(wii-wii-woo)/Newton/ソワレ……星街すいせい
26.RAD DOGS……常闇トワ、ラプラス・ダークネス、クレイジー・オリー
27.The Last Frontier……AZKi、星街すいせい
28. Capture the Moment……STAGE3全員
hololive 5th fes. Capture the Moment Supported By Bushiroad配信チケット発売中
■配信場所:SPWN(https://spwn.jp/)
■価格 :各公演:6500円、5th fes.通し券:2万5000円(全4公演分)
■販売期間:2023年12月5日(火)21:00 から 2024年4月22日(月)23:59
※各配信チケットは2023年12月5日(火)21:00 ~ 2024年4月22日(月)23:59まで購入可能です。
※公演終了後からアーカイブ視聴可能となり、2024年4月23日(火)23:59まで何度でもご視聴いただけます。
※2024年4月23日(火)23:59を過ぎると、アーカイブ視聴中でも視聴できなくなります。
※お支払いの際、チケット代金の他に各種手数料がかかります。お申込み画面にてご確認ください。
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