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【キャリアクエスト】『スト6』の“自動実況”機能を生み出した!カプコンで働くプランナー・薮下剛史さんにインタビュー

Game*Spark × 4Gamer共同の就活生向けイベント「キャリアクエスト ~冒険者から専門職へ~」が6月30日開催!

ゲーム 特集
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【キャリアクエスト】『スト6』の“自動実況”機能を生み出した!カプコンで働くプランナー・薮下剛史さんにインタビュー
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Game*Sparkと4Gamerは、「とにかくゲーム業界で働きたい!」と志す学生の皆さまに向けた就活イベント「キャリアクエスト ~冒険者から専門職へ~」を6月30日(日)に開催します。

「キャリアクエスト ~冒険者から専門職へ~」公式HP

本記事ではこちらのイベントにあわせて、実際に現場で働いている方に質問を投げかけた“ゲーム業界を目指す学生のためのインタビュー”をお届けします。

今回のインタビューのお相手は、「株式会社カプコン」で働くプランナー・薮下剛史さん。カプコンは『ストリートファイター』『モンスターハンター』『デビルメイクライ』『ロックマン』などの人気シリーズをいくつも抱えています。

なお、本記事はGame*Sparkと4Gamerによって共同制作された連載記事となります。


――よろしくお願いします。自己紹介として、入社年数や所属部署、入社までの経歴などをお聞かせください。

薮下剛史さん(以下、薮下)企画職の部署でゲームプランナーとして働いている薮下剛史です。2018年に新卒入社して、現在は入社7年目です。

入社前は理系の大学に通い、そのまま大学院まで進みました。主にプログラミングや機械学習といった情報系や音響・信号処理といった分野で学びました。

――現在はどのような業務を担当されていますか。

薮下今は『ストリートファイター6』のチームで継続アップデートの業務を担当しています。直近では「SPY×FAMILY」コラボといった、他社様とのコラボ案件全般の企画や、お客様からいただいたご意見・ご要望にもとづく改善などを行っています。

――カプコンへの入社を志したきっかけを教えてください。

薮下もともとゲーム業界で就活を行っていたのですが、僕は格闘ゲームが好きだったので、特に今も作っている会社に行きたいと思っていました。

カプコンで働いている社員さんとお話する機会があったのですが、すごく気さくに接してくれて、ゲームの話でも盛り上がりました。「この人たちが上司の会社だったら楽しいだろうな」と思い、そこですごく良い印象を得られたのが大きな決め手でした。

――入社前と入社後の印象の違いやギャップがあれば教えてください。

薮下僕は入社してすぐ『スト6』チームに所属したのですが、チームとしてまだ走り始めの段階でした。大まかな方針は決まっていたのですが、企画においてなにをするかがまだネタ出しの段階だったので、新入社員としての仕事という仕事がない状態だったんです。

入社前のイメージでは、上司の方に指示されて新卒でもできる業務を着実にやっていく、という流れを想像していたのですが、その状態では新卒向けの業務などもなかったので、ベテラン・若手関係なくネタ出しを行いました。

企画書の書き方・考え方の研修などはありましたし、もちろん比較的軽い部分を担当させてもらっていたとは思うのですが、早い段階で実践的な業務に携われたのは良い意味でギャップがありました。

――1年目、2年目でも質問やアドバイスを求めやすい雰囲気はありましたか。

薮下チーム内は話しやすい人が多いので、入社したてでもちゃんと相談すればしっかり助けてくれる人に話ができる環境はありましたね。

――入社1年目ではどのような技術や知識を身につけましたか。

薮下とにかく企画書を書いてブラッシュアップという業務をしていたため、企画を考える力や企画の目的と手段を切り分けて考えるなど、根本的な力を身につけました。

また、流行っているゲームやワクワクする企画、面白いとはなにかといったところの分析は入社1年目から続けてやっているので、プランナーとして大事な力は身につけたと思います。

――入社から現在に至るまで、最も印象に残ったゲーム業界のお仕事エピソードがあれば教えてください。

薮下先ほどともつながるのですが、チームが走り出し状態だったため、新卒でもひとつの機能やコンテンツを丸ごと任せてもらえました。僕は『スト6』の「自動実況」機能に携わったのですが、企画提案から台本、収録現場でのボイスディレクションまですべての業務に関わりました。おそらく2年目くらいだったと思うのですが、よく若手にここまで任せてもらえたな……という点で印象に残っています。

特許の問題でNGだったり、物量の取捨選択をしなければならなかったりとすんなりいかないところもありましたが、ベテランのサウンド担当のスタッフさんたちと協力してポジティブに話し合いながら開発できました。

――自動実況機能は発売前のPRでも大きく扱われ、ユーザーからの反響も大きかったと思うのですが、自身が最初から最後まで手掛けた機能がそのように評価されることはどう感じましたか。

薮下やはりすごく嬉しかったです。逆に「そこまで取り上げてもらえるんや」と思ったくらいです(笑)。自分にとっての自信にも繋がりましたし、お客様にとっても興味深い内容だったということもわかったので、すごくやりがいを感じました。

――入社後に経験した困難についてのエピソードがあれば教えてください。

薮下他社様とコラボする企画で最初に合意した内容が、途中で大幅に変更してほしいということが2度あったときは困難を感じました。すでに制作は進めているし、リリース日も遅らせるわけにはいかないので、作業時間は減っているけど作り直しということになりました。

僕はプランナーなのでデザイナーさんやプログラマーさんに真摯にお話をして、作りなおしをお願いしました。お金や時間は無限ではないですが、先方側がなぜ変えたいのかという意図も理解できました。その中でどうやってベストを尽くすかという点で、他社様と開発メンバーをつなぐという部分ではすごく勉強になりました。

――ゲーム業界で働く中で、楽しいことがあれば教えてください。

薮下とにかく日々がエンタメに満ち溢れていることですね!会社に行けばもちろんゲームに接しますし、同僚たちとの雑談でも最近話題のゲームや映画、漫画などの共通言語を通じてベテランも若手も分け隔てなくコミュニケーションできるのは楽しいし、いつまでも少年の心を持っていられて自分に合った環境だと感じます。

――それはいいですね。現在の職場環境は働きやすいと感じますか。また、他業種と比べてユニークなところはどこだと思いますか。

薮下自分のチームではベテランだから無条件に偉い、というような上下関係は全然なく、風通しが良いです。チームのみんながゲーム好きなので、同じ方向を向いて仕事をしているのは嬉しいし安心して働けます。

僕は塾講師や家庭教師のアルバイト経験しかありませんが、やはりエンタメ業界は特殊だと思います。ゲームが好きなので、プロではありつつどこか良い意味で「部活感」があって、ひとつの物を作り上げるために一生懸命考えたり、ときには人とぶつかったりと、青春感のある体験に近いと感じました。

大変なこともいっぱいあるのですが、いくつになっても夢中になれるものを自分で作ることができるかもしれない……というエネルギーの集まった不思議な業界だと思います。

――会社が手掛けたゲームの中で特に思い入れがあるものを教えてください。ご自身が関わられていないものでも大丈夫です。

薮下『MARVEL VS. CAPCOM』という格闘ゲームの第1作目です。当時『ストII』も流行ってはいたのですが、買ってもらって自分でしっかりやりこんだ思い入れのある作品です。

当時周りでは友達もやっておらずゲーセンでも稼働しておらず対戦相手がいなかったのですが、リュウやヴェノムといったキャラで空中コンボをつなげてガンガンやり込めるという要素があったため、ひとりでも楽しめました。

また、映像表現が画面全体を使ったダイナミックなもので、キャラの個性を最大限活かす楽しさ・美しさが詰まっていて、そのアイデアが好きで、僕が格闘ゲームを好きになったきっかけのひとつになったゲームです。

――格闘ゲームがお好きなんですね。ゲーム業界への就職はどれくらいの時期に志していたのでしょうか。

薮下ゲーム自体はずっと好きなので、物心ついたときからなんとなく働けたらいいなとは思っていました。ただ、ゲーム制作の知識や技術を身につけるなどの具体的な行動はあまり取っておらず、「理系だからいろいろな職に就けそうだな」と考えなんとなく大学まで進みました。

そのまま就活も行なっていたのですが、途中で「面接で説得できるものがなにもない」ということに気づき、大学院へ進学することに決めました。大学院ではエンタメ系のAIやVRといった流行の兆しがあった知識やバックグラウンドを身に着けるという、「就活の一夜漬け」みたいなことをしました(笑)。

――学生の頃に学んだことは具体的にどのように仕事に活きているのでしょうか。

薮下学んだ内容のすべてが直接活きているわけではありません。ただ、企画職は他の方に協力してもらって「面白いを形にする」という職業なので、ロジカルなアイデアの組み立て方や面白さの理由を筋道立てて考えるという力を学生時代に身につけられたのは良い経験でした。

――最近でも、プライベートの時間にゲームはプレイされますか。また、ゲーム業界に入ってから趣味として楽しむゲームの時間は変わりましたか。

薮下基本的に流行っているゲームはなんでも遊びます。遊びきれないものでも、ゲームメディアの記事を読んでどういうものかチェックする作業はしています。先ほど言った通り格闘ゲームや対戦ゲームも好きなので、自社他社問わずプレイします。

どちらかというと趣味を仕事にしたというところもあるので、趣味と仕事の隔てはあまりありません。同僚たちともよく情報交換するので、プロモーションがあまりされていないようなインディーゲームなどもプレイしますよ。

――では、『スト6』もプライベートでよく遊ばれるのでしょうか。

薮下そうですね。仕事が終わった定時後も会社で同僚と遊ぶこともありますし、家に帰って一人でランクマッチもします。ただ、会社ではまだ世に出ていない調整内容のものをよく触っているので、家で遊ぶときは混乱します(笑)。

――他に好きな格闘ゲームはありますか。

薮下技が立体的で派手な『鉄拳』は全部遊んでますし、コミカルな『ストリートファイター』と対照的に、リアリティを追求し緊張感のある尖った肉弾戦が楽しめる『バーチャファイター』も好きです。

尖っているという点では、『Mortal Kombat』は「いかにグロくするか」という本作にしかない魅力が突き抜けていて、それをエンタメに昇華していることに衝撃を受けました。あとは最初に言った『MARVEL vs. CAPCOM』も好きですし、手前味噌ですが『ストリートファイター』の中では『6』が一番おもしろいと思ってます。

――「趣味を仕事にする」ということは良し悪しあるといいますが、ゲーム業界から見てどう感じますか。

薮下好きなものを仕事にすると嫌になるかもとよく言われますが、自分の場合はそんなことはありませんでした。むしろ、好きなことじゃないと本腰になれないですし、仕事は人生の大半を占めるものなので、それだったら好きなことを仕事にすれば一石二鳥じゃないか……ぐらいに感じています(笑)。

ただやはり、仕事にしたことで純粋でいられなくなるという面はあると思います。流行りはチェックしなければならない気持ちもありますし、遊んでいるときにどういう仕様になっているか考えてしまうこともあります。ただ、そこは好き以前に、プロとして乗り越えなければいけないところだとは思います。

また、ゲーム産業はまだまだ伸びしろがあると思います。そういう意味では、これまでゲーム業界を盛り上げてくれた先人の方々に敬意を払いつつ、人生をかけてチャレンジしても良い業界だと思っていますね。

――今後、社内の業務を通じてチャレンジしていきたいことはありますか。

薮下やはり「本当に面白いゲームを作りたい」というのが自分の命題です。現代はゲームに限らずコンテンツにあふれている中、手に取ってもらうのはすごく難しいのですが、今後も取り組んでいきたいです。

――ゲーム業界への就職を志す学生に向けて、なにかアドバイスがあれば教えてください。

薮下絶対に好きなことを仕事にしたほうがいい、と思います。熱中できるものを仕事にできている人は世の中にそれほど多くないと思いますし、お金のために好きではない仕事をしている人もいると思います。そんな中、好きなことを仕事にしてお金ももらえるというのはすごく恵まれた環境だと思いますね。

僕も、先ほど言ったように何もやってこなかった状態から挽回して業界に入りました。もしも興味があるなら、ぜひ情熱を持って本気でチャレンジしてみてほしいです。

――ありがとうございました!


現在進行系で人気が加速している『ストリートファイター6』のプランナーとして活躍する薮下さんは、ゲームが好きであることを活かし、情熱を持ってお仕事をされていることがわかりました。趣味を仕事にすることについても、情熱を持って挑めば良い体験になるという見方が印象的でした。

「キャリアクエスト ~冒険者から専門職へ~」公式HP
《みお》
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