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大人たちが熱狂した!名作として名高いファミコンソフト『ゴルフ』と1980年代を振り返る

Nintendo Switch Onlineに追加された、ファミコンの名作として名高い『ゴルフ』を振り返ります。

ゲーム Nintendo Switch
大人たちが熱狂した!名作として名高いファミコンソフト『ゴルフ』と1980年代を振り返る
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2024年7月、Nintendo Switch Onlineにファミコンの名作として名高い『ゴルフ』が追加されました。

これはBGMのない、現代の感覚で見たら非常に地味な内容。しかし、ゴルフを題材にしたゲームの操作方法を確立させると同時に、限られたハードのスペックでゴルフというスポーツを極力再現した渾身の出来になっています。

今回はそんな『ゴルフ』をプレイしつつ、このソフトが発売された1984年当時の「ゴルフブーム」について解説したいと思います。

◆ゴルフゲームの操作方法を確立

ゴルフとは、極力少ない打数でボールをカップに入れるスポーツです。カップはティーショットの位置から何百ヤードも離れているため、奇跡でも起こらない限りはたった1打でカップインすることはありません。

また、ボールは風の影響を受けやすい小さな物体です。その時の風向きに左右されやすく、従ってプレイヤーは「風を読む」という技術も求められます。それを間違えると、最悪OB。いつまで経ってもグリーンにすら近づけず、どんどん打数を重ねていく……という状態に陥ってしまいます。

そうしたことを、ゲームの『ゴルフ』は実に深く再現しています。

このゲームのショットは、横に伸びたグラフで表されます。ボタンを計3回押すことでショットの強さとインパクトを決定する仕組みで、これはゴルフゲームの基本操作を形作るものでもありました。そして、この加減次第でボールは様々な軌道を描いて飛んでいきます。

フィジカルに加えて、様々な場面での「読み」が物を言うスポーツ。それがゴルフです。

◆ゴルフクラブが、一式勢揃い!

1984年、つまり40年前に発売された『ゴルフ』は、しかし当時としては並外れた情報量を有していました。

何と、このゲームにはゴルフクラブが一式揃っています。ドライバー、フェアウェイウッド、アイアン、ウェッジ、パター。それぞれの役割も正確に反映されています。ただし、当時はまだユーティリティがあまり普及していなかったため、その分だけアイアンが豊富に揃っています。

また、このゲームにはラフがなく、OB判定される森林とバンカー、池や海以外はフェアウェイしかありません。しかし、その点を差し引いても『ゴルフ』は非常に緻密にゴルフを再現したと言えるでしょう。

そして、このソフトは「ファミコンは子供の玩具」という固定観念を打破するものでもありました。

◆80年代の“ゴルフブーム”

80年代半ばからは、大人の間でゴルフブームが発生します。平日のサラリーマンは猛烈に働き、休日は上司や得意先との接待ゴルフ……ということもよくありました。筆者の父親は接待ゴルフなどする必要がないはずの刑務官でしたが、それでも立派なゴルフクラブを一式揃えていたことを覚えています。あの時代のゴルフは「大人が必ずやっておくべき嗜み」だったのかもしれません。

そういえば、当時はゴルフ場会員権が投資商品になっていました。

今の若者に言っても信じてもらえないかもしれませんが、当時ゴルフ場会員権といえば貴金属や暗号通貨などと同じく「価格が上下する資産」でした。有名なゴルフ場は会員志望者が多く、会員権が高値で取引されるからです。その様子は、まさに現代の暗号通貨に似ています。「このゴルフ場では国際的大会も催される。だから数年後には価値が倍になっているだろう」という算段で会員権を買う人もいました。

◆ゲームの中は「しがらみのない世界」

そんな時代に開発された『ゴルフ』は、もしかしたら「純粋にゴルフを楽しみたい人」にとっての一時の慰めという役割を担っていたのかもしれません。

80年代のゴルフブームは、「ゴルフが好き」以外の外的要因があまりに活発だった側面もあります。本当はゴルフが好きというわけではないけれど、得意先との接待のためにゴルフへ行かざるを得ない。あるいは、ゴルフ自体には興味がないけれど将来のためにゴルフ場会員権を買う……という人もいました。となると、本当にゴルフが好きなアマチュアプレイヤーほど評判のいいゴルフ場をなかなか利用できない状況に追いやられてしまいます。

ポリティクスな事情など一切考えず、スポーツとしてのゴルフに没頭したい。しかし、この時代のゴルフ場は「ポリティクスな事情の塊」です。そうしたしがらみから逃れたい、という人がファミコンの『ゴルフ』に熱中していたと考察するのは筆者だけでしょうか。

実際、ゴルフ場会員権などにまったく縁のない安月給公務員の父は、『スーパーマリオブラザーズ』や『ドンキーコング』よりも『ゴルフ』に熱中していました。


そんな『ゴルフ』は、現代の視点で見ても非常に完成度が高く、大人から子供まで楽しめる内容と言えます。

《澤田 真一》

ゲーム×社会情勢研究家です。 澤田 真一

「ゲームから見る現代」をテーマに記事を執筆します。

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