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知ってる友達が1人もいなかった!『ファミコン世界大会』で設定できる“マイナー”なファミコンソフトたち、あなたは知ってる?

『ファミコン世界大会』のプロフィールには、好きなファミコンソフトを設定できます。その中には、誰もが知っているものからマイナーな作品まで様々あります。そのリストの中から、個人的に思い出深い3本のアクションRPGを紹介します。

ゲーム 特集
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ファミコンソフトの1場面を取り出し、お題に沿ったクリアタイムに挑む『ファミコン世界大会』は、誰でもチャレンジしやすい明確なルールと奥深い競技性が相まって、往年のゲーマーから完全新規の若年層まで、幅広いユーザーを魅了しました。

本作では、様々なキャッチフレーズや当時好きだったファミコンソフトを、プロフィールに設定することができます。この設定を行った人は、膨大なファミコンソフトのリストに驚いたことでしょう。

現役のユーザーでも知らないソフトが山のようにあったファミコンソフト。しかし、誰かにとって知らないゲームは、別の誰かの大事な思い出でもありました。

筆者も、みんなが知っているメジャー級のタイトルを楽しんだ一方で、周囲の友達に聞いても誰ひとり知らなかったゲームを何本も遊んだ経験を持っています。そんなマイナー過ぎたゲームの記憶が、『ファミコン世界大会』を通じて不意に蘇りました。

インターネットがなく、友達との会話だけがゲームコミュニケーションの大半を占めていた頃は、マイナーすぎるタイトルを語り合える機会に恵まれませんでした。その無念を思い出しながら、当時誰とも語れなかった“マイナー過ぎるファミコンゲーム”を振り返りたいと思います。

■多彩な武器を使いこなせ!『グランド マスター』

ファミコン時代はSTGやADVなども人気でしたが、『ドラクエ』をはじめとするRPGも大きな盛り上がりを見せました。また、RPG要素とアクションを組み合わせた作品も数多く登場し、ファミコン人気を押し上げます。

そんなアクションRPGのひとつとして1991年に発売されたのが、今回最初に取り上げる『グランド マスター』です。ファミコンのアクションRPGは、サイドビューか見下ろし型の画面構成がほとんどで、本作も後者のタイプとなります。

ゲームの目的は、魔王「ダンテ」にさらわれた姫「セレーヌ」を救うべく、主人公の「ロディ」が立ち上がるというもの。しかもこの展開は、一枚絵と演出の組み合わせでビジュアライズして描かれました。今風に例えるならムービーシーンと言えますが、当時のファミコンで実現したのは評価すべき点のひとつでしょう。

また、ゲーム性の核となるアクション性にも光るものがありました。初期状態のロディは剣を持っていますが、各ステージにある武器を見つけることで、斧や杖、モーニングスターなどで戦えるようになります。武器はそれぞれ特徴が異なり、好みや戦況に合わせて武器を使い分けて戦うのが醍醐味のひとつです。

しかも各武器の切り替えは、メニュー画面で装備するのではなく、戦闘中にボタンを押すだけで行えます。近年のアクションRPGならボタンのみでの切り替える機能は至極当たり前ですが、ファミコンのコントローラーは「十字ボタン」「スタートボタン」「セレクトボタン」「Aボタン」「Bボタン」(Iコンの場合)しかなく、機能を割り振れるボタンの数は限られていました。

その貴重なボタン配置に「武器の切り替え」を設定した判断は的を射ており、テンポを損なうことなく武器を切り替えられる手軽さは、『グランド マスター』のアクション性をより優れた体験へと引き上げました。

もちろん“ボタンで武器を切り返す操作”そのものは、『グランド マスター』以前の作品にもありますが、先人の優れた作品を研究してどん欲に取り入れる姿勢も評価すべき点でしょう。

■時代の波にのまれた、1991年のファミコンソフト

優れたビジュアルと、複数の武器を使いこなすアクション性を持つ『グランド マスター』は、当時の筆者を強く魅了しました。しかし、その魅力を誰かと共有したくとも、その名を知っている友人はひとりもおらず、その思いは秘めたまま閉じる形になりました。

しかし、それも無理のない話です。というのも、『グランド マスター』が発売された1991年は、ファミコンの末期に当たります。周囲を見渡せば、PCエンジンどころか周辺機器のCD-ROM2も出ており、メガドライブもメガCDの登場が同年末に控えていた頃です。

スーパーファミコンの販売も始まっていますし、性能面で抜きん出ていた(その分、ソフトの価格も高かった)NEOGEOも発売済み。家庭用ゲーム業界の市場と性能が大きく進んでいる中、ファミコンの新作に目を向ける人が少ないのは至極当然と言えます。

『グランド マスター』に限った話ではありませんが、ゲーム機の円熟期に出たゲームは、その性能を使いこなした作品も多く、その反面知名度が伸びないケースが珍しくありません。



《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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