
『黒神話:悟空』が発売され、世間では話題沸騰中です。bilibili、douyin(中国版TikTok)でも、同作の動画が大量に投稿されており、しばらくは話題が尽きることもなさそうです。
中国産AAAタイトルということで、筆者も非常に気になっているのですが、『原神』Ver.5.0や『スターウォーズ 無法者たち』『ガンダムブレイカー4』など、気になるタイトルが月末に集中しているため、ブームが落ち着いた頃合いを見てデビューを始めようと考えています。
※本稿では、システム上の関係で簡体字/繁体字で表記すべき部分も異体字に置換している場合があります。
◆『帰龍潮』

東洋サイバーパンクの世界で展開する横スクロールアクション『帰龍潮』のサービス開始日が、9月13日に決定しました。9月に登場する日本未上陸のアプリタイトルとしては、中国国内でもっとも注目される筆頭株でしょう。
そんな本作、開発元の龍潮閣工作室は「現代国風」をテーマにしてゲーム開発を進めており、中国の伝統文化と紐づけることでその魅力を広める目的があるようです。




記事執筆時点では事前登録者数が800万人を超え、無事に事前登録アイテムの配布条件を全て達成。ちなみにこの数字は全プラットフォームの合計登録者数となっています。
外務省のホームページ調べでは、人口約14億人という数字を誇る中国ですが、やはりその母数の多さゆえ、ゲームタイトル1つあたりのプレイヤー数も相当数が見込まれます。その代わりトレンドの移り変わりも激しく、コアファンを生み出せず埋もれてしまうケースも多々。過去、ベータテストを経て堅実に評価を高めてきた『帰龍潮』は、リリース後にどう爪痕を残せるでしょうか。
◆『龍族:卡塞爾之門』

『龍族:卡塞爾之門』は、中国で高い人気を誇るファンタジー小説「龍族」を題材としたRPGタイトルです。「龍族」と言えば、日本国内でも今年の4月にTVアニメ「龍族 -The Blazing Dawn-」が放映されていましたが、正直ほとんど話題になりませんでした。
ほかにも、同じく「龍族」を原作としたスマートフォン向けMMORPG『コード:ドラゴンブラッド』がサービス中です。こちらのゲームなら名前を聞いたり、Web広告を見たりしたことのあるユーザーが一定数いるかもしれません。




『龍族:卡塞爾之門』は、9月12日にリリースされることが決定していますが、運悪く前項で紹介した『帰龍潮』と1日違いの配信になるため、話題性の観点で苦境に立たされる未来が見えます。
日本での知名度はまだまだといった「龍族」ですが、中国国内でもとりわけ大人気、と豪語できるほどではありません。それでも多くのファンを抱えていることは確かなので、メディアミックス的にIPの認知度を広げつつ、ファンの母数を増やしていく地道な路線がこれからも続くものと見ています。
◆『逆戰:未來』

中国の人気FPS『逆戰』の続編タイトル、『逆戰:未來』のベータテストが9月6日から始まります。
本作はオープンワールドのFPSで、公開中の動画では2足歩行の大型メカに搭乗したり、巨大なクリーチャーと戦ったりと、プレイヤー同士の協力プレイが楽しめそうなハードコアSF系シューターとして、注目を集めているタイトルです。




最新のタイトルとあって、流石に推奨端末スペックは今時といったところ。それでも最低「Snapdragon 865」以上と、4年前のハイエンドスマートフォン端末でプレイできる範囲内であり、環境設定をさらに落とせばもう少し以前の端末でもプレイできそうです。

昨今の中国産大型スマートフォンタイトルは、PC版も並行してリリースすることが増えたため、スマートフォンの性能がギリギリなユーザーはPC版の選択肢を取ることができます。
こうしたプラットフォーム展開の動きは、日本でもSteamやDMMを経由して行われるケースが増えてきました。こういった動きが当たり前になると、ユーザー層の広がりやプレイスタイルの多様化に貢献しやすいので、長く愛されるタイトルになれるのではないかと感じています。
話はそれてしまいましたが、初回のベータテストとなる『逆戰:未来』は、中国ユーザーにどのようなファーストインプレッションを与えられるでしょうか。