■エリア間のロード時間
なくなってしまったのはアイテムだけではなく、ゲームシステム関連でも様々な要素が廃止されました。その中でも、ゲームプレイに大きく影響するもののひとつが、「エリア間のロード」です。
シリーズ作のほとんどで、フィールドはエリアごとに区切られていました。各エリアは特定のポイント同士で繋がっており、ラインを超えるとロードを挟んだ後に、隣接するエリアへ辿り着くことができます。
この構成は長年引き継がれてきましたが、『モンハンワールド』でフィールドがひとつに繋がり、エリア間の境目がなくなりました。もちろんロード時間もなくなり、没入感が途切れないプレイ体験に多くのハンターたちが喜びました。
以前の仕様だと、尻尾などの部位がエリア間の境目に飛んで行ってしまった際、エリア移動のラインに引っかかってしまって、実質的に剥ぎ取れなくなる事故もありました。しかし、そうした境目がなくなったことで、その悲劇も過去のものに。ハンターにとって、この点も大きな改善点のひとつでしょう。
■水中戦
「水中戦」は作品全体ではなく、一部の作品に存在した要素です。読んで字のごとく、水中でモンスターと戦うことを指し、一種独特な立ち回りで挑みます。前後左右だけでなく、上下の移動も加わるのも、「水中戦」ならではの楽しさです。
地上での立ち回りとはかなり異なるため、水中戦が苦手なハンターも少なからずいますが、“水中で戦う”という普段とは違うシチュエーションに血が沸く人がいるのも事実。復活を望む声もあり、このまま消えてしまうのは惜しい要素のひとつです。
『モンハンワールド』では水中で戦うことはありませんが、移動の際に水中を経由する場合がありました。また、最新作の『モンハンワイルズ』だと、水中を泳ぎながらフックスリンガーによる採取が可能に。水中での活動は増えてきましたが、「水中戦」自体の復活は残念ながらまだ見通しが立っていません。
■スキルポイント
『モンハン』シリーズにおける防具の役目は、ダメージを抑える防御力に加え、様々なスキルの発動も担っています。与ダメージの増加から仲間のサポート、フィジカルの強化など、その方向性は多岐にわたります。
防具にはスキルポイントが設定されており、それが一定値を超えると効果が発動し、恩恵を受けることができました。しかし『モンハンワールド』でその仕様が大きく変わり、各防具には「スキルポイント」の代わりに「スキルレベル」が設定されます。
レベル1でも効果が発動し、レベルが上がるほど効果が増す。直感的に分かりやすくなったため、この変更も多くのハンターに受け入れられました。また、「スキルレベル」導入の影響で、過去作に存在した「マイナススキル」がなくなったのも、大きく変わった点のひとつです。
■アイテム使用後のガッツポーズ
回復薬などを飲んだ際、最後に「ガッツポーズを取る」というアクションが、多くのシリーズ作に備わっています。このガッツポーズ中は無防備で硬直時間もあるため、その隙をモンスターに突かれることもありました。
体力が減っているから回復したのに、最後のガッツポーズのせいでダメージを食らう……そんな無常な展開を経験していないハンターは、ごくわずかでしょう。回復によるゴリ押しを防ぐための調整、というゲーム的な意味合いは理解できますが、「ガッツポーズがなければ……」と思った人も少なくないはず。
しかし『モンハンワールド』ではガッツポーズが廃止され、回復薬などを飲みながら移動する、というアクションも可能になりました。移動といってもそれほど大きな動きではありませんが、軸がズレるだけでモンスターの攻撃を避けられる場合もあり、ガッツポーズ硬直から比べると大きな進化です。

今回紹介した要素の多くは、『モンハンワールド』や『モンハンライズ』で変更や廃止されたものです。こうした近年の作品に触れていない往年のハンターにとって、ハンティング生活の激変を感じずにはいられないでしょう。
ただし、要素の全てが完全に消え去ったわけではありません。例えば「ぺイントボール」はなくなりましたが、最新作の『モンハンワイルズ』では、スリンガーを用いて使う「スリンガーペイント弾」が存在します。

このほかにも『モンハンワイルズ』で間接的に、または直接復活するアイテムや要素があるかもしれません。その全容はまだ見えていませんが、『モンハンワイルズ』の一部が楽しめるオープンベータテストが、11月1日~11日4日にかけてPS5/Xbox Series X|S/Steam向けに実施されます(PS Plus会員は10月29日開始)。
最新作で『モンハン』の世界がさらに変化するのか。オープンベータテストを通して、垣間見てみるのも一興でしょう。
※記事内の画像は全て『モンスターハンターワイルズ』のものです。また、映像は『モンスターハンターライズ』『モンスターハンター:ワールド』のものとなります。
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