■“リークにつられて高まる”期待と、“本来なかったはずの落差”による失望

リークによる正確な情報は純粋な驚きや興奮を奪いますが、リーク情報は間違っていた場合も悪影響を及ぼします。仮に、「スイッチ2は2画面構成になり、ニンテンドーDSや3DSのゲームも遊べる」というリーク情報があったとしましょう。
DSや3DSのゲームは2画面が前提なので、現行のゲーム機への移植やリメイクが困難です。『世界樹の迷宮I・II・III HD REMASTER』のように、大きく手を入れて現行機向けにリリースされたケースもありますが、全体を見ればこうした展開はごくごく一部に過ぎません。
こうした状況の中、「DSや3DSのゲームが、スイッチ2で遊べる」というリーク情報に触れれば、思わず期待が高まってしまいます。この情報で購買意欲がかき立てられる人もいることでしょう。しかし、ご存じの通りスイッチ2は単一画面なので、「2画面構成」というリーク情報は全くのデタラメだと分かります。

この時、デタラメに腹を立てるのとは別に、高まった期待が叶わなかったと知り、落胆や失望といった状態に陥ります。また、購買意欲も減退しますし、反動でスイッチ2への興味を失うかもしれません。
感情の変化は理屈ではなく、高まった期待からの失望は落差があるほど重くのしかかります。しかし、リークがなければ不確定な情報で期待値が上がることはなく、落差自体も存在しません。今回の仮定に当てはまれば、「2画面構成」というリークが本来なかったはずの落差を作り出し、購買意欲の減退や興味の喪失を招いたと言えます。
期待を高める情報を出すのは公式側の権利であり、目指すところです。その情報を受け取って、期待するかどうかは受け手の自由。この関係に割り込む「リーク」は、悪影響しかありません。