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『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII』文明は滅亡する!国破れて遺産在り、悠久に生きる指導者は乱世に機を見出せるか【先行レビュー】

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理を顕す。―作者不詳

ゲーム プレイレポート
『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII』文明は滅亡する!国破れて遺産在り、悠久に生きる指導者は乱世に機を見出せるか【先行レビュー】
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ローマ帝国、モンゴル帝国、大英帝国…如何に強大な国を打ち立てたとしても、やがては争乱や天災で分裂し、滅びていく。しかし、その輝かしき残滓は滅んでもなお「遺産」として次の世代へと引き継がれる。

「興亡」を通して先人達のレガシーをどうやって活かしていくか。2025年2月11日の発売を予定している『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII』では文明の有り様を根本から転換し、時代ごとに使用する文明を選び直す3時代制を新たに設けました。

これまでは古代文明も近代国家も同列の「文明」に扱われ、特定の研究レベルで発揮される特性やユニークユニットで差別化を図り、どの時代レベルに勢いが出るかをずらしていました。

しかし、『VII』においてはそれらを捨てて、時代に合った文明に切り替えることで、有利な時代の到来を待つこと無く、各文明、指導者の特性が常時発揮されるようになりました。

個人的には、ローマ帝国が滅びずに未来まで到達し、近代欧州国家が歯噛みしている状況にはやっぱり違和感があったので(もちろんゲーム的には割り切ってますが)、古代文明の遺産から時代ごとの文明が再び興る今回のデザインは、歴史の流れの表現として良い改革だと思います。

3時代制の導入に伴い、ツリーシステムは「時代別」「文明別の社会制度」と、これまでとは違う大幅な改修が行われました。一つの時代が終わると研究の優劣は仕切り直しとなり、前時代の進行状況に関わらず、新しい時代のスタート地点から始まります。

各研究には産出ポイントや建造物のボーナスが得られる「II」があり、一部の世界遺産はこちらも研究しなければ作れなくなりました。一時代の研究をコンプリートするのは難しく、研究をとにかく先んじる戦法でも世界遺産を独占はできません。全てが手に入らない中で先の研究に進むか、「II」の効力で地盤強化をするか、選択の余地が生まれています。文明別のツリーも充実しており、政策スロットを全部文明専用で埋められるくらい、文明選択による戦略の変化が大幅に拡張されました。

上記も含めて今作は判断の発生に注力したデザインになっており、改善作業が決まっていている労働者は完全に廃止。農場や漁場などの資源改善施設は居住地に取り込んだ時点で自動的に建設されます。ゲーム的な判断選択を伴わない作業は簡略化し、重要な拠点都市の建設に専念させてくれます。

これと同様に、開拓者が建てるのは生産能力を全てゴールドに換算する「町」になり、従来通りの生産がある「都市」と併せて「居住地」という呼称になりました。「町」の状態では建設やユニット生産は全てゴールドの支払いによって行われ、成長や特定の機能に特化させることが出来ます。市民数が増えれば「都市」に転換もできますが、できたての居住地の発展はゴールドに集約されます。

「時代」の進行は『シドマイヤーズ シヴィライゼーションVI 文明の興亡』の時代システムを全文明で共有化し、時代ポイントが蓄積すると敵対勢力の大規模襲撃などが起こる「危機」のフェーズへ強制的に突入します。「危機」からさらに進むと1時代が終了し、全ての文明は滅亡します。展開している軍事ユニットは最低限の防備だけを残し、ほとんどが抹消。新しい時代に再編する必要があり、軍事力の格差は大幅に縮小されると考えた方が良いでしょう。

時代の変わり目にはかなり多くの要素で縮小転換が行われるので、詳細は発売後に確認してもらうとして、チャレンジが指定された「レガシーパス」の内容を達成すると、時代を超えて永続する「指導者属性」、新時代スタート時のボーナスを得られる「レガシーポイント」を取得。

「レガシーパス」の一分野を完遂できれば強力な「黄金時代のレガシー」を使えますし、一つも獲得していない場合は大きなデメリットがある「暗黒時代のレガシー」を強制的に与えられます。

滅亡が決まっている古代、探検の時代では、一時代でイニシアチブを求めるよりも、地盤固めをしっかり行って次世代に持ち越す方が大局的には有効になるでしょう。

そして最も重要なのが、勝敗についてです。勝敗の判定は「制覇」とともに「最終時代におけるレガシーパスの完遂」によって行われ、従来のロケット発射などの勝利条件と同様のものが、レガシーパスとして各時代に設定されています。

それだけでなく、どの文明もレガシーパスを完遂しなくても時代の終了が起こるので、「最後の時代の終了時に取得していたレガシーポイント」による判定に持ち込まれます。よって、相手に追いつかれそうになったときは、レガシー達成よりも時代の終了を早めてしまった方が良い場合もあります。レガシーを進めるか、レガシーを諦めて時代を進めるか、勝ちの戦略にこれまでとは全く異なる選択が加わりました。

『Civ』シリーズの更改の指針として33:33:33のルールがありますが、「既存の優れた箇所」にあったはずの、ゲームの最も中核にあるツリーと勝利条件の改革は、長年のプレイヤーにとっては大きな驚きになるでしょう。感覚の違いに戸惑うのは避けられないと思います。この改革が吉と出るか凶と出るかは発売後の評価次第ですが、本シリーズの新しい時代が次に進もうとしていることは確かです。

故兵無常勢、水無常形。能因敵變化而取勝者、謂之神。

「勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求め」と孫子にあるように、開始前により確証があるビジョンを描き、それを遂行しきるのが良い戦い方です。本シリーズにおける私のプレイスタイルは「世界遺産独占で文化・技術の勝利」なので、ひたすら戦争を回避して研究と建設に全てを費やします。前作では始皇帝のお世話になりました。スタートダッシュさえ決めてしまえば、圧倒的世界遺産ボーナスパワーを以て敵を圧倒できる、戦いの正道です。

しかし策を巡らせなくても押し潰すだけなら戦略家の出る幕はありません。「それでは面白くない」とどこかの陳宮さんが言ったとか言わなかったとか。だからといって勝算の見えないどん詰まりの負け戦じゃ投げ出したくなる。ギリギリ危ないところで勝ち筋を見いだすスリリングな勝負がしたい、ゲーマーとは結構わがままなのです。

つまり、プレイヤー=ストラテジストは難局を可能な限り減らすのが目的ですが、難局が無くなってしまえばあとは判断が必要ない作業になってしまい、ゲーム性は失われてしまう。戦略の最適解の追求と、ゲーム的スリルの発生は矛盾します。サッカーの試合でも一点取ったらパス回しで時間稼ぎなんて試合、あんまり見たくないですよね。

そのため、多くのスポーツではラウンド制などで仕切り直し、禁じ手やハイリスクな高得点を設けて、一方的な展開を防ぐ仕組みを取っています。優勢劣勢を覆す「大事な大事なアタックチャンス!」が必要なんですね。歴史上においても、強大な権力が弱体化して群雄割拠する乱世にこそ、英雄達の才が発揮されてきたのだと思います。

『シヴィライゼーション』シリーズの従来の形式だと、ゲームのセットアップの時に勝ち筋を決めてしまうと、計画が成功したのは楽しいけれど、そこから15時間ぐらい戦略を揺るがされない「先ず勝ち」が続き、消化試合的な展開になります。

それが本シリーズで長らく指摘されてきた弱点でした。最初にどの文明をどう使うか考えている時間が一番楽しい、そんな人もいるかと思います。前作の拡張で展開の波を作ることを試みていましたが、今作では時代システムを発展させて仕切り直しを設けました。

実質的に3ラウンド制になった今作では、逆転のチャンスを作り、戦略を組み直すタイミングが2回用意されています。もちろん予定通りの戦略を進めるのも良いですが、滅亡の状況によってはそれが最適でなく、手を付けたことがない文明にもメリットがあるかも知れない、「不測の事態」「再考」「気付き」―そこからひらめいた勝ち筋に光明が見える瞬間、戦略ゲームの一番美味しい部分はここにあり、戦略の立案と実行判断のサイクルが短いほどゲームとして面白くなるのです。

これまでの『シヴィライゼーション』シリーズのデザインは、技術と文化の先進化へ全員で向かっていくことが美徳であり、「人類の進歩と調和!」といった雰囲気で、黄金的な永遠の輝きを纏っていました。

しかし今作では「完全」を達成するのは実質的に不可能なうえ、抗えない滅亡が待ち構えており、それによって進歩すればするほど破滅が早まる、陰陽や盛者必衰の理を思わせるシステムになっています。時代が変わった途端にトップから最下位に転落、なんてことも起こるでしょう。

常に前に突き進むだけが最善とは限らず、研究の幅の広がりで独自性をより高めることも選択肢に加わった。3時代制で戦略の転換を図る機会も設けられた。文明の優劣を競うとはどういうことなのか?同じ方向に向かってレースすることなのだろうか?そして、現代という時代が終わったその先は…?そんな問いを投げかけているように思います。

ゲームとしてはいろいろな戦略を試して長く遊ぶのが良いのですが、いかんせん1試合を完走するのが大変なので、一回上手くいったらそれで満足して、あまりリプレイしない人も結構いるのではないでしょうか。

今作では指導者と文明の自由な組み合わせ、指導者特性の追加ができるのですが、それをアンロックするには、プレイ回数を重ねて所定のチャレンジを数多く達成しなければなりません。全時代完走の必要は無く、1時代クリア時に満たせばアンロックされるようです。そのため、プレイ速度最速、マップ極小でもとにかく多くの文明に触れば触るほど、使える特性もどんどん増えていく仕組みです。

記念品によってリプレイの動機を与え、戦略組みのスパンを短く、そして幅広くする。この大胆な刷新からはプレイ回数をとにかく重ねて欲しいという意気込みが感じられます。

プレイ速度と時代の長さを最小限にした場合、バランスが最適かは別として1時代は早い人では2時間もかからず終えられます。『シヴィライゼーション』シリーズと言えば眠れない「もう1ターン…」ですが、これからはちゃんと寝て頭を切り替え、「明日ももう1時代!」でいきましょう!

『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII』は、Steam(PC/Mac/Linux)、Epic Games Store(PC)/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/ニンテンドースイッチ向けに2025年2月11日に発売予定。クロスプレイにも対応しています。また、公式発売日から5日早くプレイできる早期アクセスなど、いくつかの特典が付属する豪華版も用意されています。


《Skollfang》

好奇心と探究心 Skollfang

ゲームの世界をもっと好きになる「おいしい一粒」をお届けします。

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