人生にゲームをプラスするメディア

なぜ「バンドリ」は10年続いたのか?原動力となった3つの要因―“キラキラドキドキ”から“ドロドロギスギス”までの変化【特集】

「バンドリ」のきっかけから、話題のアニメ「Ave Mujica」など、さまざまなメディアミックスを展開した“10周年の軌跡”を振り返りながら長年愛される理由を考えます。

ゲーム コラム
なぜ「バンドリ」は10年続いたのか?原動力となった3つの要因―“キラキラドキドキ”から“ドロドロギスギス”までの変化【特集】
  • なぜ「バンドリ」は10年続いたのか?原動力となった3つの要因―“キラキラドキドキ”から“ドロドロギスギス”までの変化【特集】
  • なぜ「バンドリ」は10年続いたのか?原動力となった3つの要因―“キラキラドキドキ”から“ドロドロギスギス”までの変化【特集】
  • なぜ「バンドリ」は10年続いたのか?原動力となった3つの要因―“キラキラドキドキ”から“ドロドロギスギス”までの変化【特集】
  • なぜ「バンドリ」は10年続いたのか?原動力となった3つの要因―“キラキラドキドキ”から“ドロドロギスギス”までの変化【特集】
  • なぜ「バンドリ」は10年続いたのか?原動力となった3つの要因―“キラキラドキドキ”から“ドロドロギスギス”までの変化【特集】
  • なぜ「バンドリ」は10年続いたのか?原動力となった3つの要因―“キラキラドキドキ”から“ドロドロギスギス”までの変化【特集】
  • なぜ「バンドリ」は10年続いたのか?原動力となった3つの要因―“キラキラドキドキ”から“ドロドロギスギス”までの変化【特集】
  • なぜ「バンドリ」は10年続いたのか?原動力となった3つの要因―“キラキラドキドキ”から“ドロドロギスギス”までの変化【特集】

2015年にブシロードによる「BanG Dream!(バンドリ)」プロジェクトがスタートして2025年2月28日で10周年。バンドリはリアルライブをはじめとして、漫画やアニメ、ゲームなどさまざまなメディアミックスを展開してきました。本記事では、なぜ「バンドリ」が10年に渡って愛されてきたのか、その軌跡を振り返りながら理由を考えていきます。

◆理由その1:ブシロード社長である木谷氏の奮闘

「バンドリ」プロジェクト始動の経緯は、「Real Sound」によるブシロード代表取締役社長・木谷高明氏のインタビュー記事(2018年)にて語られています。

それによると、2014年2月に開催された「アイドルマスター」シリーズの合同ライブ「THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD!!2014」にて、声優の愛美さんが、ギター演奏を披露したことがきっかけになったとのこと。

その演奏はファンに大きな衝撃を与えており、その理由を木谷氏は演者が「ここまでキャラに合わせてくれたんだ!」とファンが感謝したこと、そして声優なのにギターが弾けることの2つにあると分析。

そこからガールズバンドでキャラクターコンテンツを作ることとなり、木谷氏は楽器を弾ける声優さんを探すところから始めます。その後、決まった声優さんからキャラクターデザインを行い、「Poppin'Party」が誕生。「月刊ブシロード」での漫画連載、ライブといったメディアミックスが始まりました。

スマホゲーム『ガルパ』内「Poppin'Party」バンド紹介
プロジェクト初期の頃について木谷氏は、自身のX(旧Twitter)にて「イラスト一枚で各所説明に廻ったのが懐かしいです。」と語ったことも。プロジェクトの総指揮として、奮闘していたことが伺えます。

その後、2017年にはTVアニメ「BanG Dream!(バンドリ!)」、スマートフォン向けリズムゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!(ガルパ)』がサービス開始します。

なお、筆者が「バンドリ」に触れたのはゲームからです。プレイするようになった要因の一つはカバー曲も豊富という売り文句からでした。それからオリジナル楽曲を聴き、キャストが楽器を弾くライブに興味を持ちました。

ライブは木谷氏が「バンドリ」プロジェクトを始めたコンセプトの原点であり、それがメディアミックスとして、各コンテンツとリンクし展開するという発想が功を奏し、やがて「バンドリ」はブシロードの看板コンテンツとして成長していきます。

しかし、プロジェクトの製作総指揮をとっていた木谷氏は、2023年の「ガルパ6周年記念ファンフェスタ in 秋葉原」にて、退任を発表。自身のXにて「構想から9年間プロジェクトを率いて来ましたが実は2年前から現場は若い人達に全て任せて来ました。バンドリの未来は彼らと応援して頂いている皆様に託します。沢山の夢を観させて頂き本当にありがとうございました。」と投稿しています。

【DAY1】ガルパ6周年記念ファンフェスタ in 秋葉原

それから木谷氏は、アニメやゲームについての感想を投稿したり、さまざまなライブ会場でプロテインバーの売り子をしたりプロジェクトに関わっています。主張の激しい方ではあるものの、エンタメ、コンテンツに対する情熱がある木谷氏だからこそ、「バンドリ」はここまで愛されるプロジェクトになったのだと思います。

◆理由その2:コロナという逆境でも、絶えずコンテンツを提供

着実に成長を重ねる「バンドリ」でしたが、世界的な脅威となったコロナ禍の影響は避けられず、2020年頃からライブの延期を余儀なくされます。プロジェクトにとって、その根幹であるライブができないという状況は、非常に苦しいものであったことでしょう。

しかし、そんな逆境の中でもアニメ放送や複数の劇場版作品が公開されるなど、「バンドリ」は絶えずコンテンツを提供し続けました。

そして2022年11月には、延期されていたライブを2年越しに開催。もともと登場する予定だった5バンドに加えて、延期後に追加された2バンドも出演し、さらにオープニングアクトに「MyGO!!!!!」が登場するなど、より大きなものとなりました。

コロナ禍ではコンテンツの大きな柱であるライブができないことはもちろん、既存・新規のリアルバンド展開など、メディアミックスとして大幅な計画変更があったことは容易に想像できます。

その中でもアニメなどの別コンテンツで楽しませることはもちろん、延期となったライブにおける出演者の追加・演出の変更、声出しの解禁など、臨機応変に対応することで、ユーザーが楽しめる方法を常に考えていることが伺えます。

こうしたユーザーを楽しませたいという姿勢やキャストへの配慮なども、「バンドリ」が10年続く要因の1つだったことは間違いないでしょう。


◆理由その3:マンネリを打破する新展開の追加

「バンドリ」は7年目となる2022年頃から大きな変化が訪れます。まず、それまでキャスト未公表のまま活動してきた5番目のリアルバンド「MyGO!!!!!」が本格的に稼働。あわせてテレビアニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」が発表されました。

この内容がこれまでの“キラキラドキドキ”とは一線を画す、“ギスギスドロドロ”なストーリーという驚きの展開を迎えます。「迷子でもいい、迷子でも進め。」というキャッチフレーズに相応しく、重く苦しい展開はファンに大きな衝撃を与えました。

さらに2025年1月からはアニメ「Ave Mujica」が放送開始。前述の「MyGo!!!!!」に続くストーリーで、さらに“ギスギスドロドロ”な展開に。放送される日にはXでほぼ毎話「#アニメムジカ」がトレンド上位になるほど盛り上がりました。

それまでの「バンドリ」は“キラキラドキドキ”をコンセプトにした「Poppin'Party」を中心に、明るい雰囲気でコンテンツを展開してきました。筆者はそんな安心して楽しめる世界観が好きでしたが、どこかマンネリ化した気持ちも隠せませんでした。

そんな中、大きな変化球となってプロジェクトに新たな風を吹かせたアニメ「MyGo!!!!!」と「Ave Mujica」。これまでと雰囲気が大きく異なる“ギスギスドロドロ”な展開に不安になりながらも、キャラクターの葛藤や成長から前向きさを感じ、新鮮な気持ちで楽しむことができました。プロジェクトが10年続くためには、こんな変化も必要だったのではと思います。

◆まとめ

木谷氏のコンテンツに対する情熱と愛から生まれ、キャストの変更やコロナ禍など舵取りの難しい状況のなかでも、常にユーザーを考えてコンテンツを提供してきた「バンドリ」。そうした想いを新体制が引き継ぎながら、10周年という記念すべき節目を迎えたことを、一人のユーザーとして嬉しく思っています。

2025年4月26・27日にはMyGO!!!!!×Ave Mujica 合同ライブ「わかれ道の、その先へ」が開催予定。さらに本プロジェクトは、夢(バーチャル)と現実(リアル)を飛び越える運命共同体(バンド)「夢限大みゅーたいぷ(ゆめみた)」や、音声創作ソフト「夢ノ結唱」などライブやアニメにとらわれない広がりを見せてきました。

「バンドリ」を知らない方はもちろん、近年の動きはあんまり……という方も、アニメや音楽、ゲームなどご自身の興味のあるコンテンツから「バンドリ」に触れてみてはいかがでしょうか。

また、コンテンツ10年を振り返ることができる展示会「BanG Dream! 10周年の軌跡展」が3月17日まで東京にて開催されていました。展示ではゲームやアニメの設定資料などが登場。個人的な注目ポイントは衣装の展示で、同スペースにライブ映像が流れており、実際に使用されたものを間近で鑑賞することができます。

三角初華役・佐々木李子さんによる衣装展示の様子

本企画展は4月18日から大阪、6月13日からは京都にて開催されるので公式サイトをチェックしてみてください。


BanG Dream! Ave Mujica

(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《T.Yuta》

スマホゲーに追われるPSトロフィー厨 T.Yuta

物心ついた頃にはゲームをやっていた雑食ゲーマー。RPGを中心にさまざまなジャンルを遊び、PSのトロコンをゆる~くやる。近年は遊ぶスマホゲーが増えたため、なかなかトロフィー集めできてないことが悩み。

+ 続きを読む
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

特集

ゲーム アクセスランキング

  1. 正統派セーラー服のティファ、スケバン姿のエアリスが可愛い!『FF7』で「エバクラ学園」なる学パロが開校【エイプリルフール】

    正統派セーラー服のティファ、スケバン姿のエアリスが可愛い!『FF7』で「エバクラ学園」なる学パロが開校【エイプリルフール】

  2. 「スイッチ2」に立ちはだかる“転売対策”の困難さと、任天堂の“リスクをとって進める”対応

    「スイッチ2」に立ちはだかる“転売対策”の困難さと、任天堂の“リスクをとって進める”対応

  3. 『RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚』“もはやリマスターではない”問題─「バトルは『アバドン王』」「変更・追加が多すぎ」で嬉しい悲鳴

    『RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚』“もはやリマスターではない”問題─「バトルは『アバドン王』」「変更・追加が多すぎ」で嬉しい悲鳴

  4. エイプリルフールだからこそ!『ドラクエ』公式Xが「ラーのかがみ」を投稿し話題―「たしかに必需品だ」「野良犬に翳したら女の子になりました」

  5. バイオ公式が「どこでもバイオハザードになるフレーム」を配布中―ファンはさっそく『Bloodborne』や『サイレントヒル』などと悪魔合体

  6. 『原神』新キャラクター「エスコフィエ」初公開!フォンテーヌの天才料理人―ナヴィアいわく「料理が好きな、ちょっと厳しいだけの女の子」

  7. 話題となった『ペルソナ4』リメイク、実際どうなる? 待望されていた『ペルソナ3』とは異なる事情と状況

  8. 「ニンダイ」で名作が続々と復活!『ドラクエI&II』に新キャラ、『サガフロ2 リマスター』発表即配信、『超力兵団』のバトルは『アバドン王』ベース

  9. 『勝利の女神:NIKKE』で“ニケ2のプロトタイプ(嘘)”解禁? お馴染み“セクシーショット”はシフティーの……!? 驚きのイベミも必見【エイプリルフール】

  10. 眼鏡に隠れた瞳、白衣で隠れぬお尻……!『勝利の女神:NIKKE』の新ニケ「マナ」、研究員キャラとして満点すぎる

アクセスランキングをもっと見る