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これをよくぞ翻訳した!あまりに挑戦的なRPG風アドベンチャー『文字遊戯』プレイレポ―勇者よ、文字だけで構成されたこの世界を救うのだ

常軌を逸した素晴らしいローカライズ!

ゲーム Nintendo Switch
これをよくぞ翻訳した!あまりに挑戦的なRPG風アドベンチャー『文字遊戯』プレイレポ―勇者よ、文字だけで構成されたこの世界を救うのだ
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文字――私たちは常日頃から文字に囲まれて暮らしています。動画メディアが全盛になった現代においても、テキストの意義が失われることはありません。むしろ、現代こそ読解力や文章作成能力が求められる時代なのかもしれません。

今回遊んだ『文字遊戯』は、テキストの力をひしと感じるゲームでした。

世界のすべてを文字で表現した本作は、アートもギミックも文字に関係しています。RPG風のアドベンチャーを遊びながら、文字の持つ力や可能性をひしと感じ取っていくことができます。

識字の勇者が世界を救う……RPGライクな“テキスト”アドベンチャー

ゲームの主人公は、我(ワタシ)。この文字しかない世界で、普通に暮らしています。知り合いの英数(エス)に時計の修理をお願いし、彼の仕事に茶々を入れていると、その様を通りすがりの老人に見られてしまいました。

なんとその老人は吟遊詩人であり、我のことを「識字の勇者」だと認め、魔龍(ダークバハムート)を討伐する責務があるとのたまってきます。

かくして我は、三つの魔道具を集め、魔龍を倒す任務に就くのでした。

先述した通り、本作はすべてが文字でできています。道も文字、草木も文字、人も文字、ナレーションも当然文字です。イラストやカットシーンも文字の集合体で表現され、光っているところには光、犬がいるところには犬と書かれています。犬って文字がウロウロしてるだけでも、可愛いんだこれが……。

そして主人公の我は、識字の勇者というだけあって、世界に散らばる文字を改変することができます。

たとえば「銅」という文字があり、この状態で「鉄槌」という文字を触ると「銅片」に変化します。

この力は三つの魔道具を手にするごとに強くなり、さまざまなインタラクションが用意されています。削れるようになったり、引っ張れるようになったり、くっつけたり分けたり……。

洞窟に閉じ込められても、妖蛇(メデューサ)に追いかけられても、文字を改変すれば突破することが可能です。RPGにありがちなパートの連続ですが、すべてが文字で表現されると、ここまでユニークに見えるのかとびっくりします。

このあたりのギミックは『Baba Is You』を彷彿とさせるかもしれませんが、プログラミングパズルの要素はなく、ずっと簡単なパズルが続いていくので、道中で詰まってクリアできなくなることはないでしょう。(スイッチコントローラー基準で)-ボタンを押して瞑想することで、ヒントも聴けます。

このアイデアをよくぞ翻訳した! 日本語でも問題なく遊べちゃう

本作は2022年に中国語で開発された台湾産ゲーム『文字遊戯』の日本語版です。現在、マイニンテンドーストアのみでの販売になっています。

どちらも漢字文化圏とはいえ「これよく日本語にしたな……」と感嘆が漏れるほど素晴らしいローカライズで、何不自由なく遊ぶことができます。

本作はパズルの難易度も低く、どちらかというと文字を用いた映像表現や、インタラクションの面白さを軸にしたゲームなので、違和感のある表現は気になるところ。しかし、あまりにローカライズに気合が入っているがゆえ、プレイ中に一度も無理な翻訳だと思う箇所はありませんでした。

文字のサイズが突然バカでかくなったりするタイポグラフィー的な表現はお手の物として、錠前を回転させるギミックでその都度「回」という文字がくるくる回ったり、酒を飲む際に「酒」という文字の六画目がどんどん下がっていって中身が減っていく様子を表現していたりと、面白いアイデアが盛りだくさんです。

掌の形をいじるパズルは、これ原語はどうなっているんだ……? と思わせるくらい、日本語のパズルとして充分に完成していました。

多少は漢字の知識が必要なのと、パズル自体の簡単さによって、遊ぶ人を選ぶところはありますが、アイデアとゲーム性とローカライズがここまで噛み合った作品は他に類を見ないでしょう。

ここまで読んでくれたんです。プレイしてみますか? いや、最後の一文字を削って……「プレイしてみます」 キュピーン

《各務都心》

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