突然ですが、みなさん『ファイアーエムブレム』シリーズはお好きでしょうか? 昨年は、『ファイアーエムブレム 万紫千紅』が2026年に発売されると発表され、大きな話題を集めました。
そんな新作発売前のタイミングで、『ファイアーエムブレム』シリーズ初のフル3Dグラフィック作品『ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡』が、Nintendo Switch Online + 追加パック加入者向けスイッチ2アプリ「ニンテンドー ゲームキューブ Nintendo Classics」に追加。長らくバーチャルコンソールなどで配信されず、入手困難といわれていた本作が手軽に遊べるようになったのは、まさにプレイする絶好の機会と言えるでしょう。
本稿では、『ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡』をプレイするかどうか悩んでいるゲーマーに向けて、主人公「アイク」の生い立ちや人物像、ゲームシステム、本作のオススメポイントなどをまとめて紹介します。なお、本記事には多少のネタバレが含まれているため、完全初見で楽しみたい生粋のコアゲーマーの方は、ここで読むのを止めることをオススメします。
◆『蒼炎の軌跡』は、青年「アイク」の成長譚

まずは、本作をプレイしたことがないにも関わらず“名前だけは知っている”という人も多いであろう主人公「アイク」の人物像とストーリーのあらすじを紹介します。「アイク」といえば、多くの人が大剣を振り回すゴリr……筋骨隆々なイメージを持っているのではないでしょうか? 『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズでは大剣を振るう姿が印象的ですし、最新作『ファイアーエムブレム エンゲージ』では、1ターン耐久してから範囲反撃へと繋ぐ力強いエンゲージ技を持っています。
しかし本作で描かれるのは、まだ青臭さも残る幼い時代の「アイク」。『蒼炎の軌跡』では彼が様々な苦難を乗り越え強大な敵へ立ち向かっていく、ひとりの青年の成長譚が描かれます。なお、ビジュアルが“ゴリゴリのマッチョ”になるのは続編『ファイアーエムブレム 暁の女神』からです。青年時代のアイクのほうが高いステータス面から、ゴリr…といえなくもないですが…
余談ですが、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』では奇数カラーが『蒼炎の軌跡』、偶数カラーが『暁の女神』のデザインとなっており、どちらの作品のファンも嬉しい仕様になっています。


◆「ベオク」と「ラグズ」が織りなす世界観と支援会話の魅力
続いて、本作の世界観について紹介します。舞台となるのはテリウス大陸。ここには、武器と英知をもって戦う「ベオク」(人間みたいなもの)と、肉体を動物の姿に化身させて戦う「ラグズ」という二つの種族が存在します。「ラグズ」のなかには獅子や猫などの獣牙族に加え、タカやカラスの鳥翼属に変身する種族などが存在し、それぞれの種族が国を成して生活を営んでいます。
「アイク」は、父・グレイルが創設した「グレイル傭兵団」に所属する剣士(ベオク)として、村人などから依頼される様々な仕事をこなしていきます。剣士としても男としても半人前の段階から始まりますが、ある重大な事件をきっかけに物語は大きく動き出します。この事件によって「グレイル傭兵団」は散り散りに。忘れ難いBGMとともに立ちはだかる宿敵「漆黒の騎士」との因縁を晴らすため、幼い「アイク」は動き出します。この事件の全容は、ぜひプレイして確かめてください。


勘の良いゲーマーであれば察しているかもしれませんが、「ベオク」と「ラグズ」は長い歴史の中で抗争や和解を繰り返す関係にあります。種族が違うことで差別や暴動が起きる……現実でもよくある話ですね。怖い。
しかし、幼さが残りながらも落ち着いた雰囲気を持つ「アイク」は、種族を問わず分け隔てなく接する優しい性格の持ち主。ストーリーを進めるうちに彼の好青年ぶりに惹かれるファンも多いです。他にも本作には、一癖も二癖もあるキャラクターが多数登場し、遊んでいると自然にお気に入りが増えいくことでしょう。

そんな魅力的なキャラクターの人物像を知れるのが、支援会話システムです。説明しておくと、支援会話とは、戦闘などでキャラクター同士の友好度を上げることで発生する会話イベントのこと。支援レベルが高いキャラクター同士が近くにいれば、戦闘でバフ効果も得られます。この支援レベルが上がるとより踏み込んだ会話が展開されるようになります。
筆者は『蒼炎の軌跡』の支援会話はシリーズでもトップレベルに面白いと思っています。理由は、本作の舞台となる世界が「ベオク」と「ラグズ」の対立など様々な理由からなる戦争を抱える大陸であるため、キャラクター同士のやり取りがシリアスな展開になり、感情移入しやすいためです。
中でもオススメしたいのが、アイクの妹「ミスト」と、軍人として育てられた竜騎士の少女「ジル」との支援会話。この支援会話では全く境遇の異なる年齢の近い少女2人が過酷な世界で友情を深めていくエピソードが描かれます。筆者はこの会話で幼いながら感動した記憶を今でも覚えています。


とはいえ、真剣な会話ばかりではなく、軽快で面白いエピソードも多数あります。個人的にはイレースがツボ。ぜひプレイしながら気になったキャラクターの支援レベルを上げつつ、本作の重厚なストーリーを味わってみてください。

◆難易度は「ノーマル、ハード」がオススメ!地獄をみたいなら「マニアック」でも良いだろう
続いてゲームシステムについてです。本作は「戦闘で倒れたユニットは復活しない」いわゆるクラシックモードがデフォルトの作品です。
難易度は「ノーマル」「ハード」「マニアック」の3種類が用意されており、チュートリアルもあるため初心者にもオススメです。まずは物語をじっくり堪能できる「ノーマル」が良いですが、腕に自信がある方やスリルを求める方は「ハード」もアリでしょう。


「マニアック」はその名の通り、敵の数が増え能力も跳ね上がる激ムズモード。以前なら「ハード」を経て挑むのが定石でしたが、スイッチ2には“いつでも中断・再開できる”便利な「どこでもセーブ」があるため、初手から「マニアック」でも良いかもしれません。
とはいえ、何も考えずに挑むとすぐに詰む難易度でもあるので「高難度をクリアしてこそ真のゲーマー」「私は数々のルナティックをクリアしてきた猛者である。そこを退け。」といった気概をお持ちの方は挑戦してみてはいかがでしょうか。そんな方はぜひ24章までプレイしてください。ジョフ…レ…うっ、頭が……。

◆初心者に向けたテクニックやオススメユニットをサラッと紹介!
最後に初心者向けの役立つ基本知識や小ネタを紹介します。『ファイアーエムブレム』の基本は、特殊能力を持っていない限り「先に仕掛けた側が先制攻撃を行う」ことにあります。そのため自軍ターンで攻撃して倒せなかった場合、反撃をもらい、敵ターンに移り、相手の先攻攻撃を食らいながら倒すということになります。つまり、これでは2回攻撃を受けてしまいます。
そこで重要なのが「釣り出し」です。わざと敵ターンに攻撃させてから自軍ターンで先制し倒すことで受けるダメージを一回に抑えることができます。いわば体力節約のプレイングです。
この釣り出しを活用すれば被ダメージを抑えつつ安全に敵を処理できます。ただし受けるダメージ量や必殺の発生にも注意が必要なので、敵のステータスと自軍のステータスを確認しながら行いましょう。
次に本作のオススメ兵種ですが、やはり「騎馬」です。広い移動範囲に加え再移動が可能でクラスチェンジすれば剣・槍・斧・弓の中から追加で武器種を選べます。

中でも本作では槍を使う敵ユニットが非常に多いため、相対的に有利を取れる「斧」が刺さります。つまり“斧を扱える騎馬”が強いということです。本作の赤騎兵「ケビン」がまさにその役割に該当し、育てると頼りになる存在となるためオススメです。暑苦しい性格ですが戦闘では非常に優秀。仲間にするには多少条件があるため、心配な方は事前に調べておくと良いでしょう。
ただし、いくら評価が高いキャラクターだとしても能力値が伸びなければ話になりません。きちんと誰が強いのか弱いのかをレベルアップのときに把握しつつ自身が思う最適な布陣で各章に挑みましょう。また今作は「救出」「引き継ぎ」「下ろす」を用いることで1ターンに味方を3マス以上動かすことも可能です。覚えておくと立ち回りの幅が広がり、便利だと思います。



『ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡』は、シリーズの転換点とも言える3D作品としての挑戦やアイクを中心に描かれる重厚なストーリー、個性豊かなキャラクター同士の支援会話、歯ごたえのある戦略バトルなど多くの魅力が詰まった一作です。
長らくプレイすることが少々困難だった本作が、Nintendo Switch Online + 追加パック加入者なら気軽にプレイできる時代になりました。良い時代ですね。この絶好の機会に『蒼炎の軌跡』をプレイしてみてはいかがでしょうか。きっとプレイし終わった最後には「アイク」が好きになっている…かもしれません。
















