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『エヴァンゲリオン』完全新作の脚本を書くのは誰? 実は1,000万本もの大ヒットゲームのディレクターを大抜擢

【注 ネタバレあり】「エヴァンゲリオン」完全新作シリーズのシリーズ構成・脚本に抜擢されたのは、ゲームクリエイターのヨコオタロウ氏でした。これまでどんな作品を手がけてきたのか、その特徴に絞って紹介します。

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『エヴァンゲリオン』完全新作の脚本を書くのは誰? 実は1,000万本もの大ヒットゲームのディレクターを大抜擢
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■『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』:救いとの天秤にかけられたセーブデータ

2010年4月22日、ヨコオ氏がディレクターとして次に世に送り出したのが、アクションRPG『ニーア ゲシュタルト/レプリカント』です。

本作は、プラットフォームによって主人公の設定が異なるという珍しい試みがなされました。PlayStation 3版の『ニーア レプリカント』では青年が主人公、Xbox 360版の『ニーア ゲシュタルト』では壮年の男性が主人公となり、妹あるいは娘である「ヨナ」を守るために戦う物語が展開されます。

物語の舞台は、文明が崩壊した後の遠い未来。「黒文病」という謎の不治の病に罹っているヨナを支えるため、主人公は日々奔走します。生活は決して楽ではありませんが、物語の中で出会う「白の書」や、孤独な戦士「カイネ」、呪われた少年「エミール」といった仲間たちとの出会いを通じて、ささやかな日常を紡いでいきます。

しかし、平穏な暮らしを脅かす「マモノ」の勢力は増大する一方であり、ついにはヨナが「魔王」に攫われてしまいました。その後、仲間たちの必死の協力や尊い犠牲のもと、主人公は魔王の打倒に成功します。しかし、この作品にもヨコオ氏らしい過酷なマルチエンディングが用意されていました。その中には「暴走したカイネを自らの手で殺める」という、『DOD』のCエンドを彷彿とさせる悲痛な結末もあります。

その中でも、プレイヤーの心に最も深く刻まれたのが「Dエンド」です。このルートでは、死にゆくカイネを蘇らせるための希望が提示されます。しかし、その引き換えとして「主人公の存在そのもの」を代償としなければなりませんでした。

「存在そのもの」とは、単に作中のキャラクターが命を落とすだけではすみません。主人公が生きてきた歩み、これまでの思い出、すべてが対象となります。つまり、主人公が命を落とすだけではなく、ヨナやカイネを含めた、出会ったすべての人々の記憶からも「最初からいなかったこと」として消し去られてしまうのです。

そしてヨコオ氏は、この喪失をプレイヤー自身の体験として突きつけました。カイネを救うためには、「プレイヤーのセーブデータ」を物理的に削除しなければならなかったのです。

苦労してレベルを上げ、武器を揃え、物語を歩んできた証であるセーブデータ。その削除を選んだ者だけがたどり着けるDエンドには、当然主人公の姿はありません。カイネやヨナも、なぜ自分たちが助かったのか、誰を失ったのかを思い出せません。唯一、その存在を覚えているのは、画面の前にいるプレイヤーだけなのです。

かつてないほど切なく、孤独なエンディングを迎える本作は、主人公が消えたことで、プレイヤーにとって「一生忘れられない作品」となりました。

余談になりますが、バージョンアップした『ニーア レプリカント ver.1.22474487139...』が2021年に発売され、こちらではDエンドのさらなる先の物語も描かれています。彼らがどのような救いを(あるいは新たな絶望を)見出すのかは、ぜひ実際にプレイして確かめてみてください。



《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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