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なぜ、ゲーム5周年の『ウマ娘』は愛され続ける?キモは可愛さとシリアスの緩急ー今後の未来像を追いかける

なぜ『ウマ娘』は愛され続けるのか?その理由と今後の展望に迫ります。

ゲーム コラム
なぜ、ゲーム5周年の『ウマ娘』は愛され続ける?キモは可愛さとシリアスの緩急ー今後の未来像を追いかける
  • なぜ、ゲーム5周年の『ウマ娘』は愛され続ける?キモは可愛さとシリアスの緩急ー今後の未来像を追いかける
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ゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』(以下、ウマ娘)が、2026年2月24日にゲームローンチ5周年を迎えました。

5周年を祝うように記念ガチャや新ウマ娘が登場、新育成シナリオ「Beyond Dreams 共に前へ、共に光を」(以下、Dreams編)も公開され、お祝いムードで活気に満ちています。

TVアニメ第1期『ウマ娘 プリティーダービー』が2018年1月に放映、2020年に『ウマ娘 シンデレラグレイ』がマンガ連載をスタートさせ、TVアニメ第2期が同年9月に放映、その直後にゲーム作品がローンチされました。

インパクトある主題歌やキャラクターソング、アニメ作品やゲーム内で描かれるストーリーやシナリオの良さ、もしくはテレビやネットなどの広告で流れるCMも含め、公開される新情報は度々大きな話題を集めており、アニメ・ゲーム分野を中心にネットカルチャーのなかで強い存在感を発し続けてきました。

本記事ではそんな『ウマ娘』作品群を取り上げながら、本作品の魅力を改めて提示し、今後の展望や予想まで記してみました。

◆カワイイキャラクタービジュアル・3Dグラフィックとアニメーションのすごさ

『ウマ娘』作品の魅力を改めて振り返るとき最初に思い浮かべるのは、キャラクタービジュアルの可愛らしさ、3Dグラフィックやアニメーションの良さでしょう。ローンチから5年経過したいまも通底した魅力となっています。

実在した競走馬の勝負服、毛色、額から鼻筋に伸びる"流星"模様、実際のエピソードなども参考にして描かれたそのビジュアルはとても多彩です。

今回発表されたローズキングダムやルーラーシップといったウマ娘も含めて141人、トレセン学園関係者も28名います。

ショートヘアーorロングヘアー、キレ目orタレ目、体格が大きいか小さいか、帽子を被っているか被っていないか、メガネを付けているかつけていないか、リボン・ハチマキ・カチューシャといった小物をつけているか、瞳の形はどのようなものか、髪の毛に差し色のようなところはあるか、髪型はどのようなカットとなっているか、ウマ娘本人の全身・スタイルはどのようなものかも、多種多彩で千差万別。

00年代後半から2010年代に大きなヒットとなった「アイドルマスター」シリーズや「BanG Dream!」とも同じような、愛らしさや凛々しさを湛えたキャラクタービジュアルで多くのファンを獲得しました。

特に"メガネ"や"帽子"に関しては強くフックアップされており、帽子好きなウマ娘たちによるユニットBoC'z(ボウシーズ)が結成、オリジナル楽曲のみならずファッションブランド・NEW ERAとのコラボアイテムも発表されていたり、トランセンド、ドリームジャーニー、ビワハヤヒデ、ゼンノロブロイなど眼鏡をかけたウマ娘をモチーフにしたコラボ眼鏡が発売されています。

単にグッズ化するのではなく、メガネや帽子といった小物・アイテム(または属性)がいかにフックとなってファンを集めているかが分かるかと思います。フェチズム(偏愛性)をもたせたキャラクタービジュアルは、日本のアニメやゲーム作品には最低基準として備わっているものですが、『ウマ娘』ももちろん備えているのです。

そんなカワイイウマ娘たちを描画した3Dグラフィックやアニメーションの良さは、ゲーム作品・アニメ作品問わずにハイクオリティです。2021年2月に初めてゲームが公開された際、それまでのゲームとは明らかに別次元の綺麗さを保ちつつ、ヌルヌルとうごく動作の兼ねた3Dビジュアルにはとても衝撃を受けました。

ゲームスタート時のロビー画面、育成内でレース場で疾駆をしていくシーン、もしくはゲーム『ウマ娘』のオリジナルストーリー内で描かれるアニメーションの一幕など、モーションキャプチャーなどを軸にしたアニメーションは破綻や違和感無く統一感を持って描かれています。ゲーム発売時にはとても心動かされましたし、いまもまだその記憶が強く残っています。

昨年夏に開催されたゲームエンジニアに向けた国内最大級のカンファレンス『CEDEC 2025』へ取材した際にも、より高品質な映像制作を目指し、素材出力や制作フローの改善を図っていることを講演のなかで明かしていました。


Unityを主にして3Dモデルのコンポジット素材や光源のあてかたなどにこだわった制作で、ゲーム公開から現在に至るまで日々アップデートしていると語っています。

ローンチした当初の映像クオリティで満足すること無く、日々クオリティのアップデートやクオリティにこだわる。だからこそ多くのファンを惹きつけ、新しいファンを生み出し続けているのでしょう。

◆現実の競走馬をベースにしたオリジナルのifストーリー

『ウマ娘』でプレイアブル化しているウマ娘は、JRAや地方競馬などで活躍した競走馬をモチーフにしています。競走馬一頭一頭にはそれぞれ歩んできた来歴や細やかなエピソードがありますが、ウマ娘たちがストーリー内で出走するレースや引き起こされるアクシデントやイベントは、モチーフ元となる競走馬に即しており、どのレースで走ったか、どのタイミングでケガしたのか、そしてなにが転機となったのかといったところまでおさえた内容になっています。

ですが、当然ゲーム内では育成レースで1位を獲得することが前提となっており、実際に走るレースもプレイヤーが選ぶことができますので、現実の話とはまったく異なる内容になります。

たとえばゲーム最初期から実装されているハルウララは最たる例。普段から明るさを絶やすことなく笑顔いっぱいの彼女は、他のウマ娘たちと同じようにライバルに負けないように日々練習や努力を欠かさないウマ娘。レースに負けた直後にほとんどのウマ娘たちがガッカリな表情を見せる一方で、ハルウララは1位でも最下位でも関係なく満面の笑みで観客たちへ手を振り、その声援に応えようとしています。

モチーフとなった競走馬・ハルウララ号は、高知競馬場で長年走り続けて、生涯成績は113戦0勝。1勝も挙げられなかったハルウララ号ですが、その姿と戦績が逆に人を呼び、キャリア晩年には多くのメディアで報道され、観客が大いに詰めかけたことが有名です。

ウマ娘・ハルウララとして育てる以上、レースで負けていては仕方がありません。ゲーム内ではいくつかのレースで勝利していくことが目的になり、実際現環境であれば容易に勝利できてしまいます。ウマ娘のストーリーは、現実の競走馬や競馬シーンをベースにはしていますが、現実の話とはまったく異なる独自のifストーリーが描かれます。

直近導入された、育成できるプレイアブルのウマ娘のシナリオからみてみましょう。

例えば2025年8月に実装されたスティルインラヴ。彼女本人の中にある本能(別人格)と理性(普段の人格)に苛まれるなかで育成を進めていき、いくつかコミュニケーションに支障を負いながらすべて受け入れ、2人は栄光を目指していくという内容となっています。

その描かれ方は、まるでホラー/サスペンス系のシナリオゲームそのもの。他のウマ娘にはない「特殊演出の表示」という項目が確認され、ストーリーを進行していくとどんどんと画面が赤く滲んでいきます。その様子をみて、ほかのウマ娘の育成シナリオと比べてあきらかに「様子がおかしい」とSNSやゲームメディアで取り上げられました。

2025年11月に実装されたブエナビスタは、トレーナー(プレイヤー)と幼少の頃から仲が良いという幼馴染キャラとして登場。「トレーナーを以前から知っている」という所から関係が育まれていくのは彼女が初めてではないのですが、トレーナーとブエナビスタとの関係は両者のご両親と顔なじみでとても会話が弾んでいるというレベルで仲が良いというもの。

ストーリーを進めて一つ一つ栄冠を手に入れるたび、2人の関係性も深まっていきます。まさに純愛ストーリーの王道ともいえる内容で、2人の言葉選びや画面演出もあいまってかなり高い没入感があり、「ブエナビスタは幼馴染だったのかもしれない」という錯覚を覚えてしまったトレーナーの声が溢れていました。

2025年5月に実装されたラヴズオンリーユーの育成シナリオでは、配信者として幼い頃から活動していたラヴズオンリーユーを応援していた視聴者がトレーナーとなり、以前までの視聴者からの激励をもらいながら育成を進めていく内容になっています。

ネット上のイチユーザーだった人物がうら若き女性と知り合い、以前までのユーザー達からアドバイスを受けながら彼女とのコミュニケーションを深めていくという内容、しかも応援の声の中には「世界はそれを"ラヴ"と呼ぶんだぜ」といった声があるなど、00年代に一斉を風靡したインターネット掲示板での大恋愛物語をオマージュしたものとなっています。

この他にも、ステイゴールドの育成シナリオでは、ゴールドシップは飄々とした佇まいに霊的な感性を持ち合わせた女性として描かれつつ、並行世界にいる自分自身……実際に存在していたステイゴールド号をおぼろげに理解し、いまここにいる自分自身に重きをおいて生きていこうとしています。

ゲーム『ウマ娘』内にあるメインストーリー「チーム<シリウス>」「チーム<アスケラ>」編は実際の競馬史に即した内容になっているなど、メタ的な視点・視座で描かれる育成ストーリーは、競馬ファンからみても楽しめるものとなっています。

こうしてキャラクタービジュアルやストーリーを見てみると、いわゆる恋愛シミュレーションゲーム/シナリオゲームを下敷きにし、ゲーム/アニメ/ライトノベルといったカルチャーのなかで熟成・認知されてきたキャラクターや物語類型で表現されており、、そこに競馬ファンとして実際の日本競馬を知っている人も巻き込んで楽しめるようなトピックやトリックが仕組まれている。そういった設計に仕上がっていることがわかります。

◆ゲーム・アニメ・マンガ・音楽からみるシリアスとコミカルの振れ幅と緩急


競走馬の一生をモチーフかつベースにしている以上、その内容は言わずもがなシリアスかつ情熱に満ちています。

登場するウマ娘の多くは、負けず嫌いかつ上昇志向のある子ばかり。孤独、葛藤、痛みに耐え、トレーナーと二人三脚で練習をつづけていきます。従順であれ、反抗的であれ、「栄光を手にする」という1点においてはどのウマ娘もトレーナーと一致した願いなのです。

これはゲーム『ウマ娘』だけでなく、アニメ『ウマ娘』のほうがより切迫かつインパクトを持って伝わるでしょう。

TVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 2』で、度重なるケガに塞ぎ込むトウカイテイオーを勇気づけるために激走するツインターボが描かれます、そのなかで自身の行く末を悟って号泣するメジロマックシーンの姿もあり、劇的な展開を見せる最終話のラストシーンは涙を誘います。

負けるというのは、単なるレースの勝敗だけではありません。ライバル相手に、世間からの声に、メタ的な運命にも負けない。いちど燻ってしまったとしても"負けない"と再び火がつくストーリー。そのテーマ性はウマ娘の楽曲でも節々に現れており、「ソシテミンナノ」「GIRLS'LEGEND U」ではその熱意・執着が色濃くでています。

そういったシリアスな側面を打ち出しつつ、『ウマ娘』はコミカル要素を提供するのも忘れません。
それも、超強大な熱量のシリアスさの反動のように、大げさな形で。

たとえば2026年1月の正月頃に公開されたテレビCM「風来坊ウマ娘』。荒れ地をドドドッと重い足音とともに走っていくセイウンスカイ、ナリタブライアン、ステイゴールド、ミスターシービーの4人。

「風来坊ウマ娘ッ!」と千葉繁さんによるナレーションとBGMは、テレビ朝日の番組『暴れん坊将軍』をメタファーにしているのが伝わります。こちらの映像はテレビ番組の合間にもよく流れていた映像で、知っている人も多くいそうです。動画時間が短いことも影響してか、ウマ娘の公式YouTubeチャンネル「ぱかチューブっ!」ではトップとなる1000万回再生を超える動画となっています。

ですが、なんと内容はこれのみ。

2026年末現在、このCMに起因した何かしらの企画やコンテンツが出てきておらず、内容もどこかシュールな笑いを狙ったもの。このCMで初めて『ウマ娘』を知った人からすると、何がなんだかわからない内容とも言えます。とりあえずわかるのは、『暴れん坊将軍』を真似たCMを作って放送した"だけ"ということ。

何がなんだかパッと見ただけではわからないからこそ、調べてみたり知ってそうな人に聞いてみたくなる。そんな遊び心あるコメディ性の高いCMとなっているのです。

また、公式YouTubeチャンネル「ぱかチューブっ!」は、2018年に初動画を投稿して21年にゲーム作品が公開されるまでの数年の間、ゴールドシップが宣伝隊長"ゴルシちゃん"として3Dキャラクターとなり、様々な動画を投稿。いまでいうVTuber然とした活動を続け、作品の注目を絶やさぬように尽力していました。

ゲーム作品が公開された後は出演頻度はグッと下がりましたが、破天荒キャラとして表現されるウマ娘・ゴールドシップのキャラクターを活かし、"ゴルシちゃん"としてさまざまな企画動画を投稿していたのは忘れてはいけません。これもまた、『ウマ娘』のコメディ要素としてファンに愛されています。

彼女の活動が影響し、他のウマ娘たちもゲーム内では描かれないような一面を見せる動画が投稿されており、ウマ娘たちによるゲーム実況動画(!?)が投稿されています。ウマ娘としてのキャラクターをみせながら、時折中の人(声優さん)の表情が見えることがしばしばあり、そのズレやアクシデント性が一つのコメディとなってファンに好かれています。(もちろんこういったものが苦手な方もいます)

こういったコミカル性は、毎年開催されている音楽ライブや『ウマ娘』関連のキャラクターソングにも繋がっています。

そもそもこういったアニメソングやキャラクターソング自体が、一般的なポップミュージックとは違って高いコミカル性を有しているもので、キャラクターや作品にあるコミカルさを訴えるものとして多くのファンを引き付けるものです。

その随一とも言えるのが、何と言っても「うまぴょい伝説」でしょう。バンドサウンドとブラス隊のサウンドがかけ合わさったアップテンポなサウンド、さまざまな音の抜き差しとウマ娘たちの重なったボーカル、なによりいったいどういう意味?と問いたくなるような歌詞の数々

……聴いた人の多くが「この曲はいったいなんだ?」と衝撃を受けたはずです。

作曲した本田晃弘さんは、Cygamesから「電波系」という注文を受けたものの、「電波系」の意味が分からず電波系ソングと言われる曲を100曲以上も聞いて制作。それでも「電波具合が足りない」とリテイクを言い渡され、結果ワインを2本飲んで、パンツ一丁で振り付けを踊りながら作曲したとインタビューで語っています。

この時点で分かるのは、運営スタッフ側が初期の段階で"電波ソング"という飛び切りにコミカルでブッ飛んだサウンドを求めていたこと。「うまぴょい伝説」の魅力はやはり"コミカルさ"にほかなりません。『ウマ娘』運営側がキャラクターソングというものに何を求めていたのかが、なんとなく透けてみえてきます。

その後の『ウマ娘』関連のキャラクターソングをみてみると、王道アニソンらしいスマートな楽曲のみならず、大仰しいストリングスアレンジや戦隊モノをイメージした楽曲、アッパーなギャルソングまでリリースされています。その幅広さのなかに「いったいなんだ?」と思わせたり、クスッと笑えてくるようなコミカルな要素がいくつもあります。

シリアスさとコミカルさという両極端な武器をつかい、緩急をつけて心揺さぶる。それが『ウマ娘』という作品コンテンツのキモなのではないかと思われますが、その振れ幅や緩急がより端的に出ているのが、『ウマ娘』のマンガ展開になります。

ウマ娘のマンガといえば、『ウマ娘 シンデレラグレイ』を思い出す方も多いでしょう。先日原作連載も終了し、アニメ作品も2025年中に大きく展開、話題を集めました。サクラローレルを主人公にした『ウマ娘 プリティーダービー スターブロッサム』も人気を集めており、この2作品はオグリキャップ・サクラローレルという2人のヒロインを置き、ウマ娘として競争しながら仲間たちと切磋琢磨し、栄光を掴もうとしていく物語として描かれています。汗臭くてスポ根、シリアスな一面を担っています。

一方、「週刊コロコロコミック」連載中の『ウマ娘 ピスピス☆スピスピ ゴルシちゃん」はまったく毛色が異なります。ゴルシちゃんを主人公にしたギャグマンガで、柔らかい画のタッチとお笑い要素満点な子供向けのマンガとなっています。

『ウマ娘 プリティーダービー うまむすめし」は"食"をテーマにしたマンガで、レース外のウマ娘たちの触れ合いと日常の風景を描いたもの。食事を介して胸の内を明かしていくという展開となっており、いわゆる日常系マンガと類することができます。

こうした作品は、かつてCygamesとバンダイナムコエンターテインメントが手掛けていた『アイドルマスター シンデレラガールズ』からの影響が強くみえます。テイストや方向性のバラバラさをみれば、『ウマ娘』というコンテンツの振れ幅や緩急が分かるかと思います。

◆5年経過しても高い支持と注目を集める『ウマ娘』 今後はどうなりそう?

今回の5周年にあわせたさまざまな企画やアップデート情報は、2026年2月22日の「ぱかライブTV」を通じて発表されました。

YouTubeチャンネル・ぱかチューブでお送りされるこの配信は、かつてのアニラジや声優ラジオ、またはニコニコ動画などでゲーム関係作品が生配信を通じて情報を提供していたのと同じ系譜に当たるもので、多くのプレイヤーやファンがこういった生配信に集まります。

今回の配信、視聴者数は約15万人前後を計測。数千人集まるだけでもすごいといわれるライブ配信シーンにおいて、桁違いの視聴者数をみせつけました。

「5周年記念だから人が集まったんだろう」と思うなかれ。新シナリオや新ウマ娘が参加するというタイミングでは、10万人前後の視聴者が集まり新情報に一喜一憂し、今後の展開へ期待に胸をおどらせるのがいつもの光景です。

約5年で日本国内の支持と人気を高め、ゲーム/アニメ/マンガを中心にして高い支持を得ている『ウマ娘』。今後見据えているのは、おそらく世界展開ではないかと思います。

まず、ゲーム作品としての面白さを追求するうえで、さまざまなゲーム内の情報もプレイヤー側に公開したり、より利便性高くプレイできるような機能を追加するようになっています。

直近の新情報で明かされた部分で言えば、発動スキルの確認や各レース場のコース詳細がプレイヤーにしっかりと明示されるようになります。これまで発動スキルの確認はレースを見返して発動タイミングを見ることが必要で、レース場の詳細は攻略サイトなどを見ることがプレイヤー内での共通見解とさえなっていました。

こういった情報が、曖昧な情報ではなくゲーム内でハッキリと提示されることで、プレイヤーの理解を進めていくことに繋がります。ヘビーなプレイヤーに向けた施策としてはバッチリといえるでしょうし、これまで開催されている「リーグ・オブ・ヒーローズ」「チャンピオンズミーティング」などのプレイヤー間の対戦において、高順位を得る攻略の糸口となりえるでしょう。

すべてのエンタメ作品・分野において、ユーザーたちの自由な時間(可処分時間)をいかに自社のコンテンツに使ってもらえるかが、多くの企業にとって大きな焦点となっています。

アニメやマンガといったチャネルを多く展開しつつ、そもそも『ウマ娘』作品の顔役でもあるゲーム作品により多くの時間を割いてもらうことで、よりその魅力を味わうことにつながります。

また、2025年にゲーム『ウマ娘』は海外向けに英語版が公開されました。以前よりアニメ作品を知っている海外ファンだけでなく、ゲームファンなども含めて大きな支持をえて、2025年12月12日に開催された「The Game Awards 2025」で「Best Mobile Game」を受賞しました。

2025年には『ウマ娘 シンデレラグレイ』も公開、海外で視聴され、海外のアニメサイトでも高い評価を得ており、アニメ・ゲームの両面から支持を得てきました。

筆者は『ウマ娘』スタッフや声優陣へ何度かインタビューを行なってきましたが、「海外での熱量がすごい」と口を揃えて明かしてくれました。ここ10年のうちに海外で人気のある作品はいくつもでてきましたが、そういった作品と肩を並べるほどの勢いに近しいともいえます。

また、Cygamesはヨーロッパやアメリカの競馬レースである「American Oaks(アメリカンオークス)」「Grand Prix de Paris(パリ大賞典)」のメインスポンサーに就任し、あわせてフランス・アメリカなどの競馬機関であるフランスギャロとブリーダーズカップ協会、さらに南米競馬機構ともパートナーシップ(もしくはスポンサー)契約を締結しました。

こういったことも影響してか、今回の新育成シナリオ「Beyond Dreams 共に前へ、共に光を」ではブリーダーズカップを採用、デルマー競馬場とサンタアニタパークレース場が追加されました。この流れを見ていると、すこしずつ海外競馬のスポンサーを務め、ゲーム作品へ還元していくのではないかと考えてしまいます。

そんな『ウマ娘』の世界展開ですが、先日発表された『ウマ娘 プリティーダービー 7th EVENT WORLD TOUR 「THE STAGE」』も、その一つとして見ることができます。まだ詳細情報は明かされていませんが、アリーナ会場やドーム会場を高いエンターテイメント性で魅了してくれたことを思い出すと、どんな会場でどのような演出やパフォーマンスを見せてくれるのかには注目です。

今回のコラムではさまざまな視点から『ウマ娘』の魅力を改めて振り返り、今後の展開までを簡単に書いてみました。日本の中において大きな存在感と影響力を示してきたこの作品ですが、最初期からみても大きくブレることなく、むしろよりその表現を多彩に、たまに過激な一面を見せながら広めてきた事がわかります。

競馬を知らないもの、シナリオゲームや育成ゲームを知らないもの、多くの人たちを圧倒させながら、徐々に徐々にと理解されていったこのゲームの足跡は、決して消えることは無いでしょう。独特かつオリジナリティあるコンテンツの数々で、今後も長く愛されていきそうです。


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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《草野虹》

福島・いわき・ロック&インターネット育ち 草野虹

福島、いわき、ロックとインターネットの育ち。 RealSound、KAI-YOU.net、Rolling Stone Japan、TOKION、SPICE、indiegrabなどでライター/インタビュアーとして参加。 音楽・アニメ・VTuberやバーチャルタレントと様々なシーンを股に掛けて活動を続けている。 音楽プレイリストメディアPlutoではプレイリストセレクター(プレイリスト制作)・ポッドキャストの語り手として番組を担当している。

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