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「NEEDY GIRL OVERDOSE -OVERTURE-」試写会感想。物語ではなく“断片”を浴びる鮮烈な映像体験

映像は断片をつなぎ、多面的な超てんちゃん像を表現しています。

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「NEEDY GIRL OVERDOSE -OVERTURE-」試写会感想。物語ではなく“断片”を浴びる鮮烈な映像体験
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2022年にリリースされて以来、多くの反響を集めた人気作『NEEDY GIRL OVERDOSE』のアニメ化が始動しました。その先駆けとなる劇場先行公開版「NEEDY GIRL OVERDOSE OVERTURE」は、TV版を再構成して製作された導入作です。

なお、本記事は配給会社より招待頂いた試写会の内容をもとに執筆しています。

映像化は“正解ルート”を示すのか

原作となった『NEEDY GIRL OVERDOSE』は、ストーリーがあるとはいえ、プレイヤー自身の行動によってその結末は大きく変化します。また、主人公である“ピ”と超てんちゃんの関係も作中で明確に言語化されることはありませんでした。

そういった、プレイヤーの捉え方によって変わる曖昧さを持った作品が、映像といった1本のストーリーの存在する作品に落とし込まれるとき、どのように統合され、再構築されるのか。原案を担当するにゃるら氏の中に存在するかもしれない“正史”が描かれるのではないかと考えていました。

実際に本作を見て感じたのは、すべてを1本の物語として整理するものではない、ということです。超てんちゃんという存在を多面的に解釈し、それぞれの側面をモンタージュ的につなぎ合わせることによって、原作の持つ曖昧さを別の形で表現しているように感じました。

この姿勢は、以前にゃるら氏がインタビューで語っていた方向性とも重なるような気がします。氏はインタビューでアニメ版について、「ゲームの再演には興味がない。同じ話を2度してもつまらない」と語っており、これが如実に現れた作品だと思います。

本編は全5編で構成されています。超てんちゃんを中心に、新規キャラクターである配信者グループ「カラマーゾフ」の3人や、リスナーとして描かれる「かちぇ」など、複数の人物の視点や立場を通して物語が展開していきます。

一本の“正史”を示すのではなく、あくまで超てんちゃんという存在をさまざまな角度から提示する。それが本作の映像化における回答なのかもしれません。

作中で特に印象的だったのは、画面いっぱいにさまざまな色の塊が蠢く演出です。形を定めない色彩が視界を覆い、画面そのものが落ち着きを失うような表現が何度も挿入されます。

単なる演出ではなく、思考が止まらなくなったときや、感情が鬱屈しているときに視界を覆う“もやもや”としたノイズを映像化したもののように感じられました。演出によって自分の内側にある記憶を刺激され、強い感情を再起させられるような瞬間もあります。超てんちゃんや他キャラクターの持つ不安定さを映像として表現し、視聴者自身の経験を想起させることで作品の感情に深みを持たせていました。

本作には、サブカルチャー的な引用やオマージュと思われる要素も散りばめられています。直接的に元ネタが示されるのではなく、雰囲気や構図をなぞるような取り入れ方が多く、知っていればふわりと感じ取れる程度に留められています。

冒頭の十字架に磔にされた超てんちゃんのカットを見て「どこか既視感がある」と思った方もいるかもしれません。全体的に強いパロディはなく、サブカルチャーの空気そのものが引用される形に近いです。すべてを拾い切れなくてももちろん楽しめると思います。しかし、サブカル知識があるほど解像度が上がるだろう作品です。

ちなみに、ストーリーとは直接関係ないのですが、カラマーゾフのリーダーである「猛毒電波少女☆パープル・ロリポップ」が本当にかわいいです。自分自身を大きく見せるため、憧れの人と同じ舞台に立つ自分を鼓舞するために虚勢を張る姿が本当に愛くるしいです。あとキャラデザもいい。元々あこがれていた超てんちゃんの命名センスに倣ってつけたであろうハンドルネームも、実際に並び立つことができるほどに努力したであろう背景もすべてが最高。
早くTV版で動き回る姿が見たいと切に願います。

かわいい

「NEEDY GIRL OVERDOSE OVERTURE」は、物語を綺麗に並べ、整理する作品ではないように感じます。超てんちゃんという存在をネット文化やアニメの文脈と共に掲示していくような、OVERTURE(序曲)という名前に相応しい導入作でした。

原作ファンにとっても、新たな角度から超てんちゃんを見つめ直す機会になるはずです。劇場の大画面で暴れまわる超てんちゃんの姿を、ぜひその目で確かめてみてはいかがでしょうか。

《さかな_》

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