
こ、ここは……?
死後の世界……? 地獄……?

えっ!? いきなり悪魔3人に襲われた!?
そ、そんな……こちらは女の子ひとりだというのに……どうすれば……
と思ったら!

そぉい!!
キラキラの金貨をぶん投げて、

それに気を取られている間に背後からぶん殴りますわよ!!

地獄の沙汰もワタクシ次第!
現世で冤罪により処刑された王女エトランジュが、行きすぎたノブレスオブリージュ精神と高すぎる実力をフルに発揮して地獄で大暴れ! 「ワタクシが地獄を支配しないのは地獄にとっての損失ですわ」と言わんばかり!
精神的にも実力的にも強すぎる! 死してなお生命力が強い! 生きざまが太い!
主人公エトランジュが魅力的すぎて、地獄が舞台なのに話がやたらと明るいし、ストーリーも戦闘もハイテンポでどんどん進む。
これは……『エトランジュ オーヴァーロード』、めちゃくちゃおもしろいぞ!
『エトランジュ オーヴァーロード』とはなんなのか?

『エトランジュ オーヴァーロード』は、本日3月26日発売のニンテンドースイッチ/PS4/PS5/PC(Steam)向けタイトル。
プロデューサーは『魔界戦記ディスガイア』シリーズなどで知られる新川宗平氏が務めている。
ジャンル名は、「SUSHIレーンミュージカルアクションアドベンチャー」。
……なんだそれ? ぜんぜんわからないが……?

おっ、なるほど!
戦闘中に、回転寿司のレーンのようなものに乗って強化アイテムや爆弾が流れてくる!
これが「SUSHIレーン」!

ストーリーの要所要所では、登場人物たちによる歌と踊りで物語が進行! もちろんフルボイス!
これは確かに「ミュージカル」! 主人公エトランジュのCVである水橋かおりさんをはじめ、豪華声優陣による歌唱も聴きごたえ抜群!

そして、攻撃・ダッシュ・アイテム投げ・必殺技・ギミック・仲間への指示などを活用しながらステージを攻略し、どんどん冒険を進めていくさまは、まさに「アクションアドベンチャー」!
なるほど、「SUSHIレーンミュージカルアクションアドベンチャー」とは、そういうことか! 納得!
……と、言いたいところなのだが。
実際にしっかりプレイしてみた所感から言うと、本作はそれだけではない。魅力を正しく語るには、もうちょっとだけ付け足したほうがいい。
本作は、「ノブレスオブリージュ最強令嬢ハイテンポ地獄征服痛快コメディSUSHIレーンミュージカルアクションアドベンチャー」だ。ちょっとだけと言いつつけっこう付け足してしまった。でもそれくらい魅力があふれているのでしょうがない。
ノブレスオブリージュ最強令嬢、エトランジュ・フォン・ローゼンブルク

『エトランジュ オーヴァーロード』は、主人公であるお嬢様、「エトランジュ・フォン・ローゼンブルク公爵令嬢」が処刑されるところから始まる。
婚約者である第一王子から一方的に婚約破棄されたうえで、「稀代の悪女」としてギロチンにかけられてしまう。

そして彼女は、気がつくと見知らぬ荒野のような土地にいた。
現世で死を迎えたエトランジュは、死後の世界のひとつである地獄に堕ちたのだ。
この「婚約破棄されて処刑されて異世界に転生して……」というプロローグ自体は、いわゆる「悪役令嬢もの」のテンプレートのひとつである。
……が、エトランジュはここからがすごい。具体的には、順応の速さ、実力の高さ、そして貴族としての気高さがズバ抜けている。
まず、「順応の速さ」。

記事冒頭でも少し触れたが、エトランジュは地獄に堕ちてすぐに悪魔3人に絡まれる。出会って2秒で悪魔である。
しかし、エトランジュは周囲の様子や3人の態度・言動から瞬時に状況を判断し、

金貨を放り投げて後ろを向かせ、背後からぶっ叩くことにより、ものの数十秒で殲滅する。
出会って1分で殲滅である。どっちが悪魔だよ?

ほらもう、言われてるじゃん!
地獄の悪魔サイドからバケモノ呼ばわりされてるじゃん!
さらに……

襲ってきた悪魔たちが銃火器を持っているのを見るやいなや、動揺も何もなく、瞬時に飛びかかって倒し、一式を強奪するエトランジュ。

ほらもう、言われてるじゃん!
ついに専属メイドからも盗賊呼ばわりされてるじゃん!
次に、「実力の高さ」。

エトランジュは「闇魔法」の使い手で、魔力もケタ外れに高い。
もちろん限界はあり、使いすぎるとMPが枯渇するのだが、大好物のスイーツを食べればすぐに回復する。
物量で襲いかかってくる敵には、闇魔法でそれ以上の物量を召喚して真正面から蹴散らし……

「安心なさい。峰打ちですわ。」
峰打ちにしてはだいぶボコボコだが……? 少なくとも悪魔たちの心は再起不能になるほどへし折れたようだが……?

この圧倒的な実力のせいで、エトランジュは地獄において行く先々でさまざまな異名で呼ばれるようになる。
「闇の聖女」に始まり、次は「魔神」、その次は「最強最恐最凶の究極の人間兵器」などなど。なんかどんどんエスカレートしてない?
そして、「貴族としての気高さ」。
これがエトランジュの魅力の中で、ある意味もっとも個性的であり、個人的にももっとも好きなところ。
より正確に言うと「貴族として気高すぎて、ハタから見ると暴走にしか見えない気高さ」という感じ。

まず、相手が悪魔だろうと誰だろうと、来る者を拒まない。仲間になりたがる者や助けを求める者のことは必ず受け入れる。
たとえ、さきほどまで自分の命を狙っていた敵であっても、このあと裏切りそうな相手であっても、気に留めない。高貴な存在はそのようなささいなことなど気にしないのだ。

そして、仲間になった者は漏れなく家来扱いしてこき使うとともに、その生活や安全は絶対に保障する。
なぜなら、エトランジュは「上に立つ者は下の者を守る責務がある」と考えており、同時に「自分は世界でもっとも優れた存在である」と考えているため、自動的に仲間は全員家来となるし、自分に従う者すべてが守ってあげるべき対象になるし、なんなら「地獄はワタクシが当然に支配してさしあげるべき」くらいの思想になるのである。
ノ、ノブレスオブリージュ……! 絶大な自信と図太さから来る傲慢すぎるノブレスオブリージュ……!

しかし、そのわかりやすすぎる一貫性により、エトランジュは次々に仲間を得て、厚い信頼を集めていくこととなる。
そう。彼女の最大の武器は、闇魔法や魔力ではない。その気高さと、それによる人望なのだ。やり方は少々強引かもしれないが、仲間を家族のように守り、仁義を重んじ、この荒みきった社会に名を轟かせていくのだ。
……えっ、極道物語? 舞台が地獄で主人公がお嬢様なだけで、やってることがほぼ極道なのだが?

最強令嬢による、ノブレスオブリージュ極道物語!
それが『エトランジュ オーヴァーロード』!
毎回何かが進化する気持ちいいステージ進行。自軍をどんどん強化してハイテンポ地獄征服だ!

本作は、ワールドマップを歩いて「1-1」「1-2」などと名前がついたタワーに入り、バトルを突破していくという、ステージクリア方式のアクションゲーム。
戦闘は、3Dのフィールドをスティックで自由に走り回り、Aで攻撃、Bでダッシュ、というのが基本。ダッシュでうまく回避しながら攻撃を当てていくのが重要となる。
エトランジュは闇魔法で遠距離攻撃ができるので、敵に接近を許さずダッシュで距離を取って戦い続けると強い。
なるほど。まあ、だいたいわかったぞ。こうやって戦いを繰り返していくゲームかな。
と、思いきや……

次のステージでは、さっそく仲間が増える!
「ネコタロー」という、エトランジュのペット。スピードのある接近戦タイプで、エトランジュとは操作感がかなり異なって楽しい。

かと思えば、次のステージではまたすぐに仲間が増えて4人で戦えるようになり、

それに伴って仲間への指示も出せるようになり、

「防衛ルール」という新しい形式のバトルも登場!
て、展開が速い! ステージを進めるたびに何かしらが追加され、戦闘が進化し続けていく! テンポがよすぎる!
普通だったらこのペースでいろいろ出てくると混乱しそうだが、本作は基本アクションが先述の通りスティックとAボタン・Bボタンだけでほぼ完結していてシンプルなので、やってみるとぜんぜん大丈夫。
そして、このどんどん仲間や機能が増えていくさまは、ストーリーの「エトランジュが圧倒的な順応の速さと高い実力と気高さで加速度的にのし上がっていく」さまとリンクしているため、その気持ちよさもある。
本作に限らないが、ストーリーとバトルシステムがちゃんとつながっているゲームは、進めるのがとても楽しい。早く先を見たくなる。

そして、本作の戦闘でもっとも楽しいのが、やはり公式でもウリにされている「SUSHIレーン」を使った攻略。作中では「レーン」と呼ばれることが多い。
レーンには強化アイテムや回復アイテムをはじめ、爆弾、必殺技アイテム、敵味方双方が利用できる収集物、触れるとダメージを受ける障害物などが流れており、これらをうまく見極めて利用することが攻略のカギとなる。

しかも、このレーンに流れるアイテムの内容は、ゲームを進めるとある程度のカスタマイズが可能。
攻撃系のアイテムを強化して速攻クリアを狙うもよし、防御・回復系を重視して安定を図るもよし。
プレイヤーの好みやスタイルをふまえて作戦を組み立てる戦略的な楽しさがあり、戦闘中は瞬時の判断でうまく活用できると爽快というアドリブ的な楽しさもあるので、とてもよくできたシステムだ。

特に、必殺技アイテムを拾うと使用できる必殺技は、うまく使えば強力そのもの!
キャラごとに性能が違うので、誰に必殺技アイテムを取らせるかも重要になる。
たとえば、メイドのスイーティアは広範囲の味方を回復する必殺技。

そして、主人公のエトランジュは、もちろん闇魔法を駆使した攻撃系の必殺技!
その名も……

メテオ!

ドゴォォーーーーン!
広範囲に隕石を降らせて特大ダメージ! さすが最強令嬢! もうエトランジュだけでいいのでは!?

操作可能な味方キャラは軽く10人以上いて、それぞれ基本性能や必殺技がすべて異なるので、使い分けるのが楽しい。
……のだが、個人的にはやはりエトランジュがいちばん使いやすいと感じる。ストーリー上でも最強だが、戦闘でも最強だと思う。遠距離攻撃ができるので安全に戦えて、体力やスピードもないわけではなく、なにより必殺技が強力無比。
よし。エトランジュを育てまくるぞ!
性格も好きだし性能も好きだし、ここからクリアまでエトランジュだけをずっと……

!?
エ、エトランジュ!? エトランジュが倒れた!

エエーーーーーーーーッ!?
エトランジュ使用不可!? どうなってしまうんだ!?
いや、そのうち復帰はするだろうけど、プレイヤーがエトランジュの魅力と強さに惚れきったころに、図ったように使用不可!?
よくできている! よくできすぎていて怖い! 続きが気になりすぎる! 掌の上! エトランジュと同じくらい、このゲームの開発陣も人心掌握術に長けている!
図太く、気高く、美しく。生きざまが太い!さあ、いますぐ地獄でハッピーライフですわ!

本作は、処刑されて地獄に堕ちたエトランジュが生前以上に生き生きとして、生前以上に多くの仲間を従え、生前以上にのし上がっていく、ノブレスオブリージュ最強令嬢ハイテンポ地獄征服痛快コメディSUSHIレーンミュージカルアクションアドベンチャーである。

ここまでお読みいただければわかると思うが、エトランジュはとても魅力的な主人公だ。
メチャクチャな部分もある……というかメチャクチャな部分のほうが多いが、それゆえに彼女にしかない圧倒的な魅力がある。彼女の存在こそが、本作最大のウリと言ってもよい。
地獄の果てでも、図太く、気高く、美しく。いわば、生きざまが「太い」とでも言うべきか。

ちなみに、本作には「料理」のシステムもあり、エトランジュが大好きなスイーツや地獄のさまざまな料理を食べている姿も見られる。
かわいい。たくさん食べてほしい。個人的な話で恐縮だが、筆者はふくよかな人が好きなので、エトランジュには生きざまだけでなく肉体も太くなってほしい。

ともかく、こんなに魅力的なキャラに出会ったのはひさびさかもしれない。
ストーリーもバトルもおもしろい本作だが、それもこれも、生きざまが太いエトランジュの存在あってこそ。
少なくとも本作内においては、彼女より魅力的なキャラなんてどこにもいな……

!?

いるかも!

エトランジュより生きざまも肉体も太いキャラがいるかも! エトランジュより好きかも!!
主人公をはじめ、魅力的なキャラが続々登場! さあ、あなたもいますぐ地獄でハッピーライフですわ!
『エトランジュ オーヴァーロード』は、ニンテンドースイッチ/PS4/PS5/PC(Steam)で発売中!
















