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伝説の“バントホームラン”よ、永遠に!ゲームの歴史に多大な影響を与えた元メジャーリーガーのボブ・ホーナー氏の功績

5月26日、メジャーリーガーで元プロ野球選手のボブ・ホーナー氏が亡くなりました。享年68歳。

ゲーム コラム
伝説の“バントホームラン”よ、永遠に!ゲームの歴史に多大な影響を与えた元メジャーリーガーのボブ・ホーナー氏の功績
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5月26日、メジャーリーガーで元プロ野球選手のボブ・ホーナー氏が亡くなりました。享年68歳。

ホーナー氏は1987年に来日し、ヤクルトスワローズに入団しました。そこでのプレーは僅か1シーズンのみでしたが、当時の日本のプロ野球では後述するようにMLBで大きな実績を挙げた選手が来日することはあまりありませんでした。そのため、当時は「ホーナーブーム」が巻き起こりました。

そんなホーナー氏は、ゲーム業界にも多大な影響を与えています。『桃太郎伝説』の敵キャラのモデルになった他、『燃えろ!! プロ野球』の有名なバグ「バントホームラン」を生み出すきっかけにもなりました。

◆脂の乗ったメジャーリーガーがやって来た!

2026年の現代、太平洋の向こうのアメリカでは多くの日本人プロ野球選手が活躍しています。

大谷翔平選手や山本由伸選手の活躍は毎日テレビを賑わせ、またWBCでは日本代表チームは毎回のように優勝候補として大きな注目を集めています。日本が世界有数の「野球強国」というのは、もはや説明不要なほど。

しかし、1980年代までの日本のプロ野球は常にMLBの後塵を拝していました。これは、日本に来る外国人選手は殆どがマイナーリーグレベルか、全盛期を過ぎた引退寸前の選手ばかりだったという意味です。

1962年にラリー・ドビーとドン・ニューカムという2人のMLB経験選手が中日ドラゴンズに入団して話題になりました。この2人は、既に現役を引退していたメジャーリーガーです。それでも当時の日本では「メジャーリーガーが来日した!」ということでセンセーショナルを巻き起こしました。

MLBで本塁打王を獲得したベン・オグリビーは、1987年に近鉄バファローズに入団。謙虚な性格で知られた人物ですが、オグリビーの来日は38歳の時。つまり、全盛期を過ぎた後に日本にやって来た選手です。このように、脂の乗ったメジャーリーガーが日本でプレイするということは昔は殆どありませんでした。

オグリビーと全く同じ年にヤクルトに入団したボブ・ホーナー氏は、当時29歳でまさに脂の乗った現役メジャーリーガー。それまでに200本以上の本塁打を記録していました。

その上、来日からたった2試合で6打数5安打、4本の本塁打という怪物じみた活躍を披露しました。

◆全力プレーでファンを感動させる

1987年5月12日の朝日新聞のニュース深堀コーナー『時時刻刻』に、『小人の国ゆくガリバー?! 「ホーナー現象」を追う』という題の記事が掲載されています。

「まるで、小人の国をガリバーがのし歩いているみたい」。プロ野球ファンにとどまらず、日本中に旋風を巻き起こしている感じのヤクルト球団の新外人、ボブ・ホーナー内野手(ニ九)。これまで数多くの“助っ人”が来日しているが「これだけのトップ級が、しかも現役バリバリで来た例はない」という点で球界の評価は一致している。自ら「オレこそ本物の大リーガー」とうそぶくスーパースターの来日は、なぜ実現したのか。早くも6本塁打の打棒は今後も続くのか。

(小人の国ゆくガリバー?! 「ホーナー現象」を追う 1987年5月12日朝日新聞 時時刻刻)

結果を書いてしまうと、1987年のホーナー氏の本塁打数は31。93試合で355打席ですから、これは規定打席を満たしていませんでした。ですが、それ以上にホーナー氏は常に全力プレーを心掛けていたため、多くのファンを感動させました。内野ゴロを打った直後の一塁への走塁も、力を抜かずにいつも全力疾走。これらのプレーが選手生命を縮める要因になったとも言われていますが、日本のファンに絶大な興奮と好印象を与えていたことは事実です。

◆「バントホームラン」が登場したきっかけ

そんなホーナー氏は、冒頭にも書いたように日本のコンピューターゲーム史にその足跡を刻んでいます。

『桃太郎伝説』のあかおにホーマーは、手にバットとグローブを持ち「Y」のイニシャルの青い帽子を被っています。大きな眼鏡をかけている容姿も、まさにホーナー氏の分身でした。

無論、野球を題材にしたゲームにもホーナー氏の影響力が及んでいます。withnewsが2023年8月3日に配信した記事『バントホームランの真相は「燃えプロ」開発者、人生最後のゲーム作り』には、『燃えろ!! プロ野球』を開発した関雅行氏のコメントが掲載されています。

ファミコンの黎明期から様々なゲームを開発してきた関さん。代表作の一つ「燃えプロ」をめぐっては、当初、寝かせたバットにボールを当てただけでホームランになる「バントホームラン」のバグ技が話題になりました。

(中略)

「ヤクルトスワローズはサンケイアトムズ時代からのファンで、当時から神宮球場の外野席にはよく行っていました。ホーナーが出場した試合も何度か観戦したのを覚えています。来日直後から本塁打を連発したのを見て、(ホーナーをモチーフにした選手の)ミート指数とパワー指数を上げる指示をしたのがバグにつながりました」と当時を振り返り、「ヤクルトファンですからね」と笑顔を見せました。

(バントホームランの真相は「燃えプロ」開発者、人生最後のゲーム作り withnews)

もちろん、実際の野球で「バントホームラン」などというのは、野手がことごとくミスをした上でのランニングホームラン以外あり得ません。しかし、『燃えろ!! プロ野球』のバントホームランが「修正すべきバグ」ではなく「そのゲーム特有の愛嬌」とユーザーに解釈されたことは、「ホーナーならバントでもホームランにするんじゃないか!?」という密かな空想を抱いていた人が多かったことの裏返しではないでしょうか。

日本中を震撼させたメジャーリーガーは、今もゲームの中で躍動し続けています。

【参考】

・小人の国ゆくガリバー?! 「ホーナー現象」を追う 1987年5月12日朝日新聞 時時刻刻

バントホームランの真相は「燃えプロ」開発者、人生最後のゲーム作り withnews



《澤田 真一》

ゲーム×社会情勢研究家です。 澤田 真一

「ゲームから見る現代」をテーマに記事を執筆します。

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