Googleが画像・動画・音声の生成AI使用を検証するオンラインツール「SynthID Detector」を一般ユーザーに開放しました。
GeminiなどのGoogle製AIに加え、OpenAI、NVIDIA、Kakaoのツールで作られたコンテンツも判定でき、近日中にAppleにも対応します。
■ 検証するのはSynthID方式の「透かし」有無のみ

SynthID Detectorは、Google DeepMindの電子透かし技術「SynthID」の有無を検出するオンラインツール。画像・動画・音声に対応します。
SynthIDはAIで生成・編集したコンテンツに、人の目や耳では分からない透かしを埋め込む技術。Google系のAIツールに加えて、OpenAI や NVIDIAなども採用します。
一般的な「生成AI使用チェックツール」が、AI生成物の特徴を学習して「AIっぽい」かどうかを確率的に判定する仕組みであるのに対して、SynthID Detector はあくまで「SynthID」方式の透かし有無を調べるツール。最初から電子透かしを埋め込んでいない生成AIで作った画像や映像、音楽については検出できません。
▲できること
・Google、OpenAI、NVIDIA、KakaoのAIツールで生成または編集された画像・動画・音声かを確かめる。動画と音声では、透かしが見つかった区間も示される
・フィルター、色調の変更、不可逆圧縮といった日常的な加工を経たファイルでも検出可能
▲できないこと・分からないこと
・SynthID方式の透かし以外は判定不能。SynthIDに参加していない企業のサービスや、透かしが最初からないローカルモデル等の生成物も検出しません。
・人間が作ったか、AIが作ったかの判定も不能。 SynthID透かしが検出されなかったとしても、他のAIが生成した可能性、またはSynthID対応のGoogle製AIで生成したのちに他社AI等で強く加工して透かしを弱めて検出を阻害した可能性も。
・逆に検出された場合も、どの程度AIツールが関与したのかは判別不能。 全体をAIモデルが生成したのか、人間が手作業で作ったのちにAIツールを通したのか等は分かりません。
・内容が本当か嘘かも判定不能。あくまで透かしの有無を調べるだけなので、実際に撮影された本物の写真をAIツールに通しても「SynthIDあり」になります。
・テキストは現時点で非対応。現状では画像・動画・音声のみ。SynthID Text方式の透かしは単語の選択確率を変化させる仕組みのため、短い文や選択の幅が少ない性質の文(数学など)では判定が難しく、大量の書き換えや翻訳で失われる性質があります。
誤判定や意図的な除去も完全には防げません。GoogleはSynthID技術についての論文で、完全な安全性は実現できないものの、痕跡を消すことを高コストにする設計だと説明しています。今回公開された SynthID Detector のサイト上でも、多くの加工を加えれば検出されなくなる可能性について注意しています。
■ OpenAIなど他社の透かしも1か所で検証可能
OpenAIは2026年5月、ChatGPT、API、Codexで生成する画像にSynthIDの透かしを入れると発表しました。NVIDIAは動画生成などに使う基盤モデル「Cosmos」の出力に透かしを入れています。
SynthID は暗号鍵を使い、電子透かしがあるかどうかは、その透かしを付与したシステムの運用者しか判定できない仕組みです。
従来からGeminiアプリにファイルをアップロードすることでも検証はできましたが、検出できるのはGoogleのAIが透かしを付与したものに限られていました。今回のサイトは、各社の透かしをまとめて調べられる点が異なります。一方、5月に採用を表明していた音声生成のElevenLabsは、今回の対応企業には挙がっていません。
■ SynthID Detector の使い方
SynthID Detectorは「synthid.com」で全世界からアクセスできます。いまのところユーザーインターフェースは英語のみ。利用にはGoogleアカウントやApple IDなどでサインインが必要です。
対応形式
・画像:JPG, JPEG, PNG, BMP, WEBP, AVIF, HEIC, HEIF, TIFF, TIF, GIF
・動画:MP4、MOV、WEBM
・音声:WAV, MP3, OGG, FLAC, AAC, M4A
SynthIDは画像や動画の形式を変換しても基本的には残りますが、Googleはできるだけサイズが大きく高品質なファイルを使うことを推奨しています。







