オンラインゲーム『メイプルストーリー』では、ゲーム内で離婚されたことを切っ掛けに、相手のキャラクターを消去するという事件が起こりました。泊真由美容疑者(43)は会社員の男性(33)からゲーム内で離婚されたことに腹を立て、以前聞いていた男性のパスワードでゲームに接続。男性のキャラクターを消去し、不正アクセス禁止法違反などの疑いで逮捕されました。
MMORPG『Runespace』では13歳の少年からゲーム内アイテムを脅し取った14歳と15歳の少年に有罪判決が下り、14歳の少年には160時間、15歳の少年には200時間の地域奉仕活動が命じられました。
オンラインゲームの醍醐味は人との関わり。ゲームを通じて友人ができるなど喜ばしい側面が存在する一方で、今回のような事件も起こります。
不正アクセスしてキャラクターを消す、アイテムを脅し取る……とまでやってしまうのは極端な例ですが、オンラインゲームにおいて人間関係がこじれるというのは誰にでも起こりうる問題です。
どちらのケースも不幸な事件ですが、では再発を防ぐため、結婚システムを無くしたり、アイテムをやり取りできなくすればよいのでしょうか。これは「安全」ですが極論です。極端な事例のために、これらのシステムが持つ正しい可能性が閉ざされることになります。息も絶え絶えのところに、通りすがりの人からアイテムを貰って助かった。今度は自分がアイテムをあげる側に回ろう。こうした心温まる経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
まずは現実的なところとして、プレイヤー及び周囲の人の心構えが必要でしょう。『メイプルストーリー』のケースでは、被害者が相手にパスワードやIDを教えています。これさえなければ、キャラクターの消去はなかったはずです。
『Runespace』のケースでは、周囲の大人に早い内から相談すれば、そして大人が対応すれば刑事事件にまではならなかったのではないでしょうか。
『Runespace』自体を止めて、さらに加害者の少年たちとの関わりを絶つ……というのが、今回の件で最も穏便と思われる選択肢ですが、これには大人の協力が不可欠です。
ゲームの中での体験は現実に影響する力を持っています。
新たな友人関係や深まる友情と言った喜びがある一方で、ゲーム仲間に裏切られたり、暴言を浴びせられることで、プレイヤーは傷つくのです。
運営側からのアプローチがあるならそれに越したことはありません。
少し夢のような話をすると、感情のもつれに関して相談できる窓口があり、ゲームならではの対処ができれば理想的でしょう。例えば、お互い(もしくは片方)が名前を変えて別々のワールドへ移住し、人生をやり直す。感情が落ち着くまで、お互いに近づけないようにする。
ただ、これは本当に難しいところです。運営側は本当に公平な判断を下せるのか。弁舌巧みな方が有利な裁定を勝ち取ってしまわないか。制度を悪用された場合どうなってしまうのか。そもそも、人件費を誰が出すのか。
MMORPGの細分化により、オンラインゲーム内の社会というテーマは一度棚上げされた感がありますが、こうした問題がレアケースである内に、何らかの対策が必要なのではないでしょうか。
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