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【GDC2010】巨大なオープンワールドゲームを少数精鋭チームで作る方法・・・『inFAMOUS』開発元

『inFAMOUS』の開発を手がけた Sucker Punch Productions のメインプランナー、Nate Fox 氏による講演「Building an open-world game without hiring an army(オープンワールドのマップを、軍隊(=大量の人員)を使わずに作る方法)」が行われました。

ゲームビジネス 開発
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木曜日の午前9時より、『怪盗スライ・クーパー』シリーズや『inFAMOUS』の開発を手がけた Sucker Punch Productions のメインプランナー、Nate Fox氏による講演「Building an open-world game without hiring an army(オープンワールドのマップを、軍隊(=大量の人員)を使わずに作る方法)」が行われました。

Nate Fox氏


PS2用タイトル「怪盗スライ・クーパー」の時は建物の中が舞台の中心だったため、限られたデザイナーでも何とかマップを作れていましたが、「インファマス」ではプラットホームがPS3になり、舞台は開けた都市空間、さらにプレイヤーの自由度が格段に高まったため、通常の手法では莫大なコストが発生してしまいます。かと言って、舞台を小さくしてしまうと見た目やゲーム性にネガティブな影響を与えてしまいます。

GTA3をプレイした時に感じた、制限を感じさせない空間と体験、マップのどこに行っても見た目のクオリティを一定以上に保ち、さらに置かれたオブジェクトとのインタラクティブ性も持たせ、プレイヤーの行動に制限を設けず、さらにマップのあちこちに「発見」を隠しておき、ディズニーランドのように場所によって見た目や雰囲気を変化させる、PS3でこれを実現するのに彼らが採ったアプローチ、それは「ヘックス型のタイルを何種類も作って組み合わせる」方法です。



かつてボードゲームのマップを作る時に使われた方法を参考にしたそうです。



タイルの縁に一定の規則性を持たせ、道路、建物、線路、川、海、坂(高さ)などといった属性を揃えて組み合わせることで、現実感のある広大な都市空間をローコストで作ることができました。また、タイルを回転させることで、同じものを使いまわしていると気づかないほど複雑な地形を作ることも可能です。



そして、そこで削減されたコストをボスのいるエリアなど再利用の利かない特徴的なランドマーク(目印となる建物、巨大電光掲示板、)に投入することで、全体としてメリハリのあるマップになる、というわけです。また、デザイナーも規格品ばかりでなく凝ったオブジェクトが作りたいため、この手法で彼らのモチベーションを高く維持できるとの事。



街中の建物の基本構造もスタンプの様に使いまわします。そもそも都市というものは繰り返しの地形が多いため、そのようにしてもあまり違和感が無いそうです。



建物も、「外枠」をコンテナを並べるように共通の企画にし、看板や店先のテクスチャのみ変化させることでローコストでも十分なバリエーションを持たせられます。



実はゲーム中に登場する車も基本は2種類、タクシーにするならテクスチャと屋根のサインを加える、などの簡単な方法でたくさんの種類に見せています。



格子状の交差点は見た目が似てしまうため迷子になりやすく、また遠くまで描画する必要がありますが、ヘックスタイルの場合交差点がY字型になるため風景のバリエーションを増やしやすく、またカメラが引っかかりづらくなる、などのメリットもあります。



しかし、それでも都市部ばかりが続いてしまうとマップが単調になってしまうので、公園、破壊されたエリア、海岸や埠頭などといった「有機的な」地形を作ったり、またプレイヤーの興味を維持するために最初からアクセスできないエリアを作っておく、などの工夫も必要になります。公園はモデリング的にはそれほど大変なものではなく、ベンチや木は使いまわしが可能です。壊された建物も、窓のテクスチャを割れたものにし、コンテナのような基本構造の上に瓦礫を乗せればそれらしく見せることができます。



プレイヤーは本当に広いマップが欲しいのではなく、広く「感じられる」マップが欲しいのだ、ということを理解する必要があります。道路の先に海岸線が見えてしまうと島のサイズが感じられてしまうのであれば、道路の先に埠頭と倉庫を配置して視線をブロックします。



しかし、Fox 氏は一方でこの手法の問題点についても説明しています。

・基本的に都市の交差点は十字型が基本であるため、Y字型の交差点ばかりでは現実味に欠けてしまう
・Y字型の交差点ばかりでもやはりプレイヤーが迷ってしまう
・ヘックスの縁を企画化したために、道路の幅やテクスチャ、建物同士の隙間などがどうしても同じになってしまう
・変わった形の建物が増えてしまう
・この手法が使えるのは都市など人工的な構造であり、自然の風景にはあまり応用が利かない

しかし、それでも今回のこの手法にはメリットの方が遥かに多く、一切作業をアウトソースすることなく、12人の社内デザイナーのみでこのサイズの空間を作り上げることが出来たのは良かった、と結論付けました。
《今鳩越前》
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