ホラーアドベンチャー『SIREN』シリーズの外山圭一郎氏がディレクションする『GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動』(仮題)。PS VITA向けのオリジナルタイトルです。SCEブースで体験プレイできたので、インプレッションをお届けします。
主人公は見知らぬ街で目覚めた記憶喪失の少女、グラビティ・キトン。彼女を操って、箱庭のような世界を飛び回りながら、ストーリーを進めていくアクションゲームです。
会場では2つのエピソードが体験できました。第1のエピソードでは、不思議な黒猫の力で重量を操る力がめざめたキトゥンが、マーカーに従って街中を移動していきます。第2のエピソードでは奇妙な生物が街中に出現。もちまえの「重力キック」(注:筆者命名)で撃破していきます。
キトゥンは重力を解放して無重力状態を作り出したり、壁やドーム型の天井など、あらゆるところに重力を設定して、そこに立って移動することができます。つまり垂直の壁など、絶対に歩けないようなところでも、すいすい歩けちゃうんですよ。
具体的にはR1ボタンを押すと重力が解放され、ふわりと体が浮き上がります。この状態で本体を動かすと、ジャイロセンサーによって画面が回転。壁などに向けて決定ボタンを押すと、そこに向かって落下していき、その場所を「床」と認識して移動できるようになります。
なお、L1ボタンを押すと重力の設定が元に戻ります。このとき、高い場所にいると、そのまま落下してしまうので気をつけて。途中でR1ボタンを押すと再び無重力に戻すこともできました。階段などのちょっとした段差も床面に設定して歩くこともできます。
続くエピソード2では、無重力設定と落下を利用して、敵生物にキックをお見舞いしていきます。いちど無重力にして上空に浮かび、適正物を画面中央に入れて攻撃ボタンを押すと、そこに向かってキトゥンが落下。「重力キック」で粉砕できます。この感覚、なんだか「ライダーキック」を彷彿とさせますよ。
遊んでみると、無重力状態でふわふわ飛び回るのが新鮮で、気分は宇宙飛行士といったところ。その一方で、うまく操作できず、もどかしさを感じたのも事実でした。「重力キック」をくりだしても、微妙に方向がずれて、そのまま飛び去ってしまうこともしばしば。もっとも製品版では、しっかり調整されるのではないでしょうか。
会話シーンなどは画面タップで進めていけます。幕間にフランスのバンド・デシネのようなコミックが挟まり、ストーリーを読み進めていけるのもおしゃれ。PS VITAのインターフェースをうまく活用した、新感覚のオリジナルアクションとして、注目を集めそうです。
《小野憲史》
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