国内リリースが正式決定した『The Last of Us』ですが、先日ご紹介した『Beyond: Two Souls』と併せてソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン主催のプレミアムセッションが行われ、会場では開発を担当するNaughty DogのCommunity Strategist、Arne Meyer氏が来日。本作のコンセプトやテーマに焦点を当てたプレゼンが行われました。
■愛・忠誠・犠牲をテーマに奇妙な2人の旅路を描く物語
『The Last of Us』は、謎の寄生菌により崩壊した世界が舞台のサバイバル・アクション。人の脳に寄生する菌が蔓延し、感染者は思考を乗っ取られ人々を襲い始めたパンデミックから20年後。廃墟には緑が広がり、生き残った数少ない人々は限られた物資を奪い合い、独自のコミュニティや軍の検疫区画で生活しています。
本作を制作するにあたってのインスピレーションは多岐に渡り、映画「ノーカントリー」「トゥモローワールド」「28日後…」、コミックシリーズ「The Walking Dead」、小説「City of Thieves」など。これらの共通点はしっかりとしたストーリーテリングと強いキャラクター性に重きを置いている点で、他にもノンフィクション『人類が消えた世界』や1940~50年代にアメリカで流行したポリオのドキュメントなどからも影響を受けたとのこと。その結果、単に破壊されただけではない、美しく馴染みのある滅亡後の世界観が生み出されました。人々の姿が消えた廃墟に広がる美しい自然という構図は、ダークで緊迫し残酷なこのゲームのテーマとの対比を象徴しています。特にゲームプレイが持つ緊張感とリアリズムは『ノーカントリー』からの影響が大きいとのこと。
その後紹介されたのはPAX Prime 2012でも公開されていた、15分以上に渡るゲームプレイ映像。実際のゲームプレイのほんの一部分とはいえ、瓶を投げつけて敵の注意を逸らすアクションや、敵AI、エリーAIの優れた挙動、映画のようなモーションやグラフィックのリアリティなど、本作の魅力の断片をしっかりと確認することができます。