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洗練されたスワイプ・アクションRPGがここに『Blade & Magic』開発者インタビュー

240万人以上の会員数を誇る『喧嘩番長 全国制覇』や、『乱世あやかし絵巻』でタッグを組んできた本橋大佐氏と高橋三千夫氏。この度、スマートフォン向けアプリというフィールドに投入する『Blade & Magic』のこだわりを聞いてきました。

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240万人以上の会員数を誇る『喧嘩番長 全国制覇』や、『乱世あやかし絵巻』でタッグを組んできた本橋大佐氏と高橋三千夫氏。この度、スマートフォン向けアプリというフィールドに投入する『Blade & Magic』のこだわりを聞いてきました。

―――2012年夏の発表から時間がたちましたね。
本橋氏:ユーザーの皆様をお待たせしてしまったことに、本当にお詫びを申し上げます。
自身も含めた関係者でレビューした結果、リリースする前にもっとできることがあると判断し、システムやデータ、ユーザーさんの入り口など、かなり見直しました。事前登録してくださっているユーザーの皆様が本当に多いのですが、情報としてお披露目したところから、ゲームとしてのエッセンスは変わっておりません。やっと皆様へお披露目できる状態になりましたので、楽しみに待っていてくださったユーザーの皆様と共に、とことん『Blade & Magic』を楽しんでいきたいと考えております。

―――自信作ということでよろしいですね?
本橋氏:お楽しみいただけるのではないかなと。決めるのは、ユーザーの皆さんですから。オンラインタイトルとして、一方通行な状態は全く考えておりません。

―――それでは本日のお話、楽しみにしております。

■聞こえてきたその音に、まず驚く

―――2012年夏の発表当時、移動中や隙間時間といったサイレントモードでアプリを触るユーザーが多いなか、音楽を伊藤賢治さんにお願いしたというのがとても驚いたのですが
本橋氏:イトケンさんとは古くからの友人でもありまして、彼が作るファンタジー作品の音楽は私自身、大好きでした。『Blade & Magic』はピュアなファンタジーですから相性もよくて、あの“イトケン節”と呼ばれるアッパーテンポでストリングが強めに入ったバトル曲や、箱庭パートでは癒しながら、心の琴線をなぞっていただきたいことなどを強く相談しました。

(実際にバトルシーンを見せていただくと、イトケンさんらしいメロディックなサウンドに加えRPGといえばコレでしょと思うぐらいのSE音がクリアに鳴り響いていた!)

―――SEなど、バトル以外も担当されているんでしょうか?
本橋氏:イトケンさんには箱庭パートを含んだBGMすべてを担当していただきました。配信開始のタイミングでは8曲です。SEは、元カプコンで『鬼武者』や『ブレス オブ ファイア』シリーズなどを手がけた松本さんという本格派の方が担当しています。

高橋氏:松本さんは硬派なカンジの人ですよね。

本橋氏:ハリウッドでも活動していた方ですが、……実は、ちょっと変わってます(笑)。常にサウンド機材を背負って、マイク片手に渋谷のスクランブル交差点で突然音を拾ったりする。

高橋氏:「いま、いい音がしました!」と言って?(笑)。

本橋氏:おいおい信号が赤になりそうなのに真ん中で、危ないぞみたいな(笑)。いまはフリーで活躍されていて、イトケンさんと同じく古くからの付き合いになります。『Blade & Magic』は、SEも大変こだわったので、クオリティの高いものが相当数入ってます。本作のポイントでもありますが、ビジュアルやゲームシステムなどでカバーしきれないことを、BGMやSEで補完して、ユーザーさんに良い状態で遊んでいただく。もしくは、BGMやSEで心踊った状態で、盛り上がっていただきたいなと考えました。

■オンライン事業のスペシャリストだからこそ見えてくるもの

―――お話の中で本橋さんの広い繋がりが伺えましたが、改めてこれまでの経歴を教えてもらえますでしょうか
本橋氏:元々はゲーム業界ではなくNTTの関連会社におりました。縁あって、スクウェア・エニックスに入りまして、『FF11』『エバークエスト2』『フロントミッションオンライン』など、ちょこちょこと様々な運営関わらせてもらいました。その時に、オンラインに力を入れようと考えておられた稲船さんと出会いまして、カプコンのオンライン事業の立ち上げを開発室長として、がんばっておりました。その後、弊社の役員である鮫島との縁で、今日に至ります。

―――プレイオンラインの頃となると、ずいぶん長くオンライゲームに携わっているんですね
本橋氏:12、13年目ですかね。ゲーム専用機、PC、ガラケー、スマホ…そして、月額からフリーミアムまで様々な経験をさせていただいてきてます。

高橋氏:私はというと元々お笑い芸人をやりたくて、昼はお笑いの勉強をして夜はネクソンでゲームマスターの仕事をやっていました。そうしたらいつの間にか、ゲームの方が本業になりはじめまして。その後は、ゲームズアリーナ(スパイク・チュンソフトを含む株式会社ドワンゴ傘下のゲーム事業部門で、当時主にオンライン事業を担当していた企業)で『アミーゴ・アミーガ』『Lost Eden ~神々の消えた国~』『ブレイドクロニクル』などに携わっていたんですけど、いったん退職していまして。その半年後に就職活動をしていたら、鮫島から「オンライン事業が足りねぇから帰ってこい!」と(笑)。そこで本橋と出会いました。あとは本橋と『喧嘩番長 全国制覇』だったり、『Blade & Magic』の企画制作と運営を一緒に進めた感じですね。

―――『Blade & Magic』は開発期間に1年以上かけたということですが、スマホアプリのなかでも長いプロジェクトになりますよね
本橋氏:企画を考えて会社へ提案したのがちょうど1年半前ぐらいです。ずっと自分のなかでは企画とか、コンセプトは眠っていて、事業性を垣間見ていました。ゲーム専用機でもなく、フィーチャーフォンでもない、当時、挑戦に近いスマホのネイティブアプリ開発に想定外が重なって、半年近く時間をもらう結果になってしまったたことは、想定外でしたが(苦笑)。ただ、本気で向き合ってきた分、すごく経験値として蓄積させていただきました。プロダクトとサービスつまり運営上で活かして行きたいですね。

―――こういったコンシューマ用ゲームと遜色ないアプリは今後増えていくと思いますか?
本橋氏:日本ではしばらくWebベースが収益性を読みやすいので、これは変わらず続くと思います。欧米やアジアは、ネイティブアプリベースのほうがメジャーと感じています。世界各国のアプリランキングを見てみると、意外にもナイジェリアなんかもアプリであると。各国のアプリランキングを見る行為を私は“心の旅”と呼んでいるんですけど(笑)

高橋氏:お金のない学生じゃないんですから(笑)。

本橋氏:だって、本気で時間がないんだもん(苦笑)。世界の人気アプリを見ていると、ここは日本に近いな、ここは米に近いなと思うこともあります。必ずプレイしてみて、そこで得た共通点を抽出して『Blade & Magic』に反映することもありましたね。

■こだわり続けたのは、気持ちよさ

―――改めて『Blade & Magic』での、お二人の今回の役割を教えてください
本橋氏:私はプロデュースと企画制作の総指揮です。

高橋氏:私は、制作管理などプロジェクトマネジメントです。リスケ後の改修フェーズでは、箱庭シミュレーションパートのディレクションも兼ねました。

―――ゲームの流れはどのようになっていくのでしょうか
本橋氏:自分の拠点である箱庭シミュレーションパートでクエストを受けて、お題目をクリアしていきます。クエストが終わると、武器や防具などを生産・強化するための素材が手に入りますので、箱庭で手に入る素材とあわせて装備を整えていきます。武器は、配信開始時は「大剣」「杖」「片手剣&盾」というオーソドックスな3つ。箱庭シミュレーションでは、木材、貴石、金属、革といった武器、防具用のアイテムの生産施設と、クエストでのバトルステータスを補強できる能力施設を建設できます。発展すればするほど自分の領土が潤って、より強い武器や防具を生産でき、より強いモンスターに立ち向かうことができるようになります。

高橋氏:潤うというと「お金」なんですが、これは、一定時間経つと取得可能になり、タッチで実際に獲得出来るというシステムです。自分の領土で生産するアイテムも、タッチすることで収穫となります。お金もアイテムも出来上がりをタッチすると、ポコンポコンと採取できるようになっています。

本橋氏:そこは相当うるさく言ったところで、気持ち良さでは「なめこ」の影響が大きいです。採取という小さなアクションがどれだけ気持いいかで、面白さも変化しますので。

―――『おさわり探偵 なめこ栽培キット』の登場はアプリ業界にも影響があったと
本橋氏:ちょうど開発中に登場して、共通意識で“あの気持ちよさ”と例えに出すことが多くなりました。気持ちよさの部分で大きな影響を受けています。操作感はスマホのインターフェイスならではで、キューッと引っ張ってピョンピョンピョンという柔らかい表現が独特でしたね。あれをhtmlでやろうとすると死ぬほど大変なんですよ。

高橋:鼻の頭の毛穴パックに似ていますよね。ポコッと抜ける感じが。

本橋氏:そういう気持ちよさだよね。日常生活で触れているけれど、それを絵と音で擬似的に表現できるのがネイティブアプリケーションの良さだと思います。……まだまだ表現しきれてないと私は思っておりますが(苦笑)

―――クラシックな世界観はどのように設定していったのでしょうか
本橋氏:うーん、どうお話すればいいのか難しいのですが、最初は、科学が浸透していない、どこか迷信と夢が残る世界の情景をイメージしたところから入りました。そして、過去には伝説的な王権があったけど、現在は魔物達の存在により荒廃してて……と、妄想レベルで大きな骨組みを考え、具体化の段階で歴史・文化・政治・経済レベル・人間の立ち位置など様々な要因や背景を考えながら、順番に肉付けしていった感じです。えっと、もう恥ずかしいので、ここらでいいですか?(笑)

―――バトルシステムのほうはいかがでしょう
本橋:こちらは当時ハマっていた「インフィニティ ブレード」に超影響を受けています。ただ、すごく面白いのに、なぜコンテンツボリュームとバリエーションが少ないんだろう……?と思っていまして、その受けた所感を提供モデルから考えなおして、レベルデザインしたらおもしろいんじゃないか?から入りました。

―――これまでいろいろ触っているからこそのいいとこ取りですね
本橋氏:一言で言うとキメラ。みんなが大好きなのではないかを詰め込みましたというところでしょうか。けれどもこれはとても難しいんです。いくら良い食材を集めても、調理と味付けを間違ってしまったら料理としては出せない。「物事の良さの本質を捉えて、ゲームシステム単位でどうするか?を考えような!」と自身に戒めながら、プロジェクトメンバーにも当初から共有してきました。

―――本作ではどの部分に味付けの見所がありますか
本橋氏:まずは、バトル時の画面下にあるパーティレーダーですね。ガッツリした3D系アプリではまず見ない仕様ですが、パーティの戦況マップのように使ってもらえば、遊びの幅は広がるかなと。ただ、配信開始当初は、ゲーム内の重みづけは軽くしてあります。他の要素が盛りだくさんですので。

―――マルチプレイはどのようになっているんでしょうか
本橋氏:基本は非同期です。ですが、非同期って突き詰めていくと同期になっていくじゃないですか。「あ、1秒後にこの人更新したな」という具合です(笑)。ほかにもクエストで、誰かのゴーストデータを連れていってその人のレベルが上がると、戻った時に相手には反映される仕様になっていますが、その頻度が高くても十分に耐えられる設計になっています。今後展開予定の運営上のレイド戦関連やPvPイベントなどで活用していきたいですね。

―――開発期間延長中は、どういった箇所に注力されたのでしょうか
本橋氏:何よりもカードモデルつまり収集・育成のイメージが強いブラウザタイプのソーシャルゲームとの差別化です。私自身も相当ハマっているタイトルもあるので、それが悪いというわけではなく、「なんだまた同じかかよ」と思われることは避けたかった。

高橋氏:私は「分かりやすさ」ですね。ゲームサイクルからアイテム名称まで、シンプルで馴染みやすいものにすることを心掛けました。入り口が広ければ、出口も広いのがソーシャルゲームですから。

―――楽しみにしている読者に一言ずつお願いします
本橋:ファンタジー好きの方なら必ず楽しめるので、ぜひ触ってみてください。想像されているよりもゲームゲームしていると思います。

高橋:あなたの退屈な時間をハッピーな時間に変えてみせます、と申し上げておきます(笑)。

―――ありがとうございました!

『Blade & Magic』は、基本プレイ無料(アイテム課金)で好評配信中です。

(C)Spike Chunsoft Co.,Ltd.All Rights Reserved.
《きゃんこ》
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