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海外進出を支えるAWSとは?エバンジェリスト堀内氏が徹底紹介

2月5日、アマゾン データ サービス ジャパンの開催するゲーム開発者向けイベント「GO GAME GLOBAL! 海外市場へ出るための運営とインフラ」が同社オフィスの目黒で行われました。同社のテクニカルエバンジェリストの堀内康弘氏は「海外進出を支えるAWSのご紹介」と題したプレゼンテーションを行いました。

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2月5日、アマゾン データ サービス ジャパンの開催するゲーム開発者向けイベント「GO GAME GLOBAL! 海外市場へ出るための運営とインフラ」が同社オフィスの目黒で行われました。同社のテクニカルエバンジェリストの堀内康弘氏は「海外進出を支えるAWSのご紹介」と題したプレゼンテーションを行いました。

堀内康弘氏はB2Bのウェブサービスのエンジニア出身。動画投稿サービスのFlipClipやソーシャルゲームのgumiでCTOを務め、現在はAmazon Web Services, Inc.が提供するアマゾン ウェブ サービス(以下AWS)のエバンジェリストです。これまで100回以上の講演を行い、120本以上のブログ記事を執筆してきました。実際にサービスを体験してみるハンズオンやワークショップなども行い、AWSの普及のために力を注いでいます。

今回のプレゼンテーションでは、AWSの概要の説明と共に、ゲーム開発者が海外進出をはかるときにAWSを利用するメリットを、グローバルインフラ、スケーラビリティ、ビルディングブロック、セキュリティという観点から説明しました。

AWSはクラウドサービスを始めて既に6年以上経過しており、データセンターの規模はAmazon.comより大きいそうです。日本にもデータセンターがあり、日本語による24時間サポートがあるため、国内の事業者にとっては非常に使いやすいといいます。特にオンラインゲームの運営において、24時間の日本語サポートは非常にメリットがあると言えます。

Amazonのビジネス全体から見ると、「ITインフラビジネス」であるAWSは、小売を行なう「コンシューマービジネス」と「セラー(売り手)向けビジネス」と並ぶ3つの基幹事業の1つです。これらの事業の共通点は、規模の経済を働かせ、ハイボリューム・ローマージンのビジネスを行なっていることが挙げられます。小売においてもクラウドにおいても、規模を拡大させることでコストダウンをはかり、オペレーションの自動化によってより使い勝手の良いサービスを目指しています。

一般のユーザーにはあまり馴染みのないAWSですが、すでに多くの企業が採用しており、Zyngaやgumiなどの大手SAPがゲームのためのインフラとして利用しています。またNASAの火星探査機やオバマ大統領の大統領選などにも利用され、信頼度も非常に高いといいます。

多くのスタートアップ企業やサービスがクラウドを利用しており、現在はウェブサービスで起業するには「クラウドファースト」が常識になっているといいます。コストの安さや導入の手軽さは、大企業だけではなく、スタートアップ企業にとっても非常に魅力的なものです。

このように爆発的に普及しているAWSは、2003年当時、約4,500億円(90円換算)規模のAmazon.comに必要だったITリソースと同じ容量のリソースを毎日追加しているほどの成長を見せています。規模の拡大や新たなサービスの導入とともに現サービスの値下げなどコストダウンを継続中です。

さてここから話は海外進出を支えるAWSのメリットに移りました。まずグローバルインフラという点では、AWSは日本を含めて9箇所のリージョンがあり、これらからクリック1つで複数のデータセンターを選択することが可能です。これにより、障害を回避するために、複数のデータセンターで冗長性を確保することが非常に容易だといいます。またすべてのリージョンのAPIが共通であるため、同じ操作でグローバルに素早く展開できるのも大きなメリットです。

次にスケーラビリティに関して、実際にAWSのEC2を利用するデモ動画とともに説明しました。仮想サーバーの画面にアクセスして、リージョンを選択、グラフィカルなウィザード形式で分かりやすく、わずか数分でサーバーが立ち上げることが可能です。結果として、デプロイのスピードが格段に上がり、迅速なウェブサービスの運営が可能です。

事例としてソーシャルゲームを運営するgumiがゲームのライフサイクルに合わせて、サーバー台数とスペックを調整するモデルが説明されました。ソーシャルゲームでは時間によってユーザーアクセスが変化するため、最初は最小でサーバー構成を行い、ユーザーの増加とともに拡大していきます。またピーク時のアクセスに対応するために、アプリケーションの最適化を行なうのではなく、ハードウェアのスケールアップで対応できるといいます。

またSNSのピンタレストの事例では、サービス開始から9ヶ月で1800万人のユーザーを獲得した基盤をAWSが支えていたといいます。またAWSのクラウドサーバーには、時間あたりの利用の「オンデマンドインスタンス」、年間利用の「リザーブドインスタンス」、時価制の「スポットインスタンス」の3つの価格モデルがあり、それらを使い分けたり、、APIで自動的にコントロールすることで1時間単位のコストコントロールやさらなるコストカットが可能だといいます。

このようにAWSのメリットは、圧倒的なサーバー調達スピードを持ち、細かなタイムスケールを設定、さらに突発的なアクセスに対応できるという柔軟性と、3つの価格モデルを組み合わせたコストコントロールの容易さにあると言えます。

三番目にビルディングブロックという観点からAWSのメリットが説明されました。AWSでは単なる仮想サーバーだけではない様々なサービスを提供しています。それらは細かな構成要素によって組み合わせることが可能であるといいます。特に顧客の要望を積極的に取り入れることで実用性の高いサービス群を構成しており、昨年は158機能も追加されました。

今回、堀内氏はゲームでよく使われる4サービスを順に紹介しました。Amazon Relational Database Service (Amazon RDS)では昨年、23以上のアップデートを行い、多様な機能のリレーショナルデータベースを利用することが可能になりました。Amazon EBS Provisioned IOPSでは、事前に設定されたI/O性能が正確に発揮される性能を持っています。さらにAmazon DynamoDBでは、フルマネージドなNoSQLデータベースが利用でき、I/O性能の選択も可能です。

Mynet Inc.が提供する『大激闘!キズナバトル』では、基本機能のすべてをAmazon DynamoDBで実装しているそうです。1日3回行われるチームバトル時には、アクセス量が15倍にも膨れ上がりますが、負荷に対してサーバーを増やすか、I/Oの機能を変えることで対処しているといいます。またAmazon DynamoDBは頻繁にアップデートを繰り返しております。

次にコンテンツ配信用サービスのAmazon CloudFrontが紹介されました。セガはAmazon Simple Storage Service (Amazon S3)とこのAmzon CloudFrontを利用することによって、公開しているウェブサイトをすべてAWSで稼働させ、サーバーコストを50%削減しています。Amazon CloudFrontのアップデートやエッジロケーションの追加も頻繁に行われており、ライブストリーミング配信や動的コンテンツに対応しています。また新サービスのAmazon Elastic Transcoderも紹介されました。このサービスはクラウド上でオンデマンドに動画を変換できるサービスとなっています。

最後にセキュリティの観点からAWSのメリットが説明されました。AWSのセキュリティの基本方針は「シェアード・レスポンシビリティ・モデル」と呼ばれ、ウェブサイトやアプリにおけるセキュリティは、従来どおりお客様が必要とするセキュリティポリシーをお客様自身で運用していただきながら、インフラレベルではAWSがより高度なセキュリティを提供するというものです。そのため、AWSではISOなどの第三者認証を受けており、NASDAQやNASAなども利用しております。さらに専用のセキュリティチームによってクラッキングに対応しています。

このようにAWSにおいては、セキュリティは常にトッププライオリティであり、インフラレベルにおいて高度なセキュリティを提供しているそうです。またセキュリティ情報は積極的に開示し、透明性を重視しています。

以上のようにAWSの多くのサービスと事例が紹介されました。これらを利用することで、ゲーム開発者・運営会社は、インフラはAWSに任せ、ゲーム開発と運営に集中できると、堀内氏は強調することでプレゼンテーションは終わりました。
《今井晋》
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