「Mobile World Congress 2013」の目玉の一つはNFC(Near Field Communication/近距離無線通信)です。主催者規格として「NFC Experience」というコーナーが設けられ、各社のNFC関連の取り組みが紹介されているほか、バロセロナ市内の各地にNFCに対応したスポットが設けられています。NFCの規格策定を行ったソニーももちろん力を入れていて、Official Handsetとして「Xperia T」を提供。事前に希望していた来場者には15ユーロのVISAクーポンが入った状態の「Xperia T」が無償貸与されています。「NFC Experience」でも幾つかの興味深い展示を行なっていました。ソニーが展示していたのはNFCによるソニー製品の相互連携です。音楽関係ではスマートフォンと、スピーカー、ヘッドホン、イヤホンとの連携をNFCで行うデモが行われていました(全て発売中)。「Xperia T」で音楽を再生中に、これらの製品のNFCマーク付近を「Xperia T」で触れると、そこを起点に自動的にブルートゥースのペアリングが行われ、ワイヤレスで音楽を視聴できるという仕組み。従来のブルートゥース製品で必要だったペアリングが省略され、利便性が高まりました。NFCを搭載した「Sony Tablet」と「Xperia T」の連携も紹介されました。画像や動画を再生中に「Xperia T」を「Sony Tablet」にタッチすると、その映像が「Sony Tablet」側でも再生されます。僅かにタイムラグが発生しますが、特段気にはならない範囲でした。また、スマートフォンのコンテンツを自動的にバックアップするパーソナルコンテンツステーション「LLS-201」のデモも実施。これは17×17cmの正方形のデバイスで、ここに「Xperia T」をタッチすると撮影写真などが自動的に保存されます。「LLS-201」には1GBの内蔵ハードディスクがあり、そこにデータが蓄積される仕組みです。iCloudなどクラウドを経由するバックアップも進化していますが、ローカルの安心さというのも捨てがたいものがあるのかもしれません。こちらのデバイスは4月末の発売予定だとのこと。
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