フランスの大手金融機関、ソシエテ・ジェネラル(Societe Generale)のグロバール経済アナリスト、Kit Juckes氏は日本経済が直面している問題について、任天堂を引き合いに出しつつ、忌憚のない意見を述べています。海外メディアの「Business Insider」が伝えるところによれば、Juckes氏は昨今の日本製品を象徴するものを、任天堂のWii(Wii U)に例え、その国際競争力の低さを指摘しています。また、「Wii」は必ずしも「Xbox」や「PS」と競争しているのではなく、現在花盛りのモバイルゲームと争っているのだという現実認識を強調しています。その上でJuckes氏は、「アベノミクス」が導いた円安を有効活用して「クリスマスまでに(Wii Uの)価格を下げて販売台数を伸ばすべきです」と述べています。この発言の背後には、業績が低迷していながらも円安の影響で黒字決算となった任天堂の決算報告があるようで、「(円安のおかげで)得た収益はモバイルゲームに対抗するようなクールで低価格のゲームの開発に費やすべきです」と語り、「今の日本経済に最も求められている経済構造改革は、かつての日本産業界のクールな格好良さ取り戻すことであり、こればかりはアベノミクスだけでは実現できません」と結んでいます。グローバル経済の視野からゲーム産業界を分析しているJuckes氏が、アベノミクスが進行中の日本経済と任天堂に宛てたこの「公開書簡」は、業界を越えて今後ますます話題を呼びそうです。