本作は、イギリス人、ドイツ人、日本人の3人で構成されたインディーデベロッパーNyamyamの作品。超日本フィーチャーに仕上がっていて、日本昔ばなし的要素やお狐さまなどが登場しています。面白いのが、日本人が制作に参加していることもあって、いわゆる海外の人が想像する日本文化への違和感的なものが少ないことですね。
全体的に和紙のような、ぼうっとした色彩や質感がとても素晴らしいです。音楽は、『スーパードンキーコング』シリーズのサウンドトラックを手がけたデビッド・ワイズ氏というのも、ひどく静かな世界に感情移入させてくれてグッド。
■飛び出す絵本が舞台
テキストで物語は語られないものの、おそろしくざっくり捉えると目的は「枯れ木に花を咲かせる」ということ。その目的のために各地に散らばったキーアイテムを集める旅がはじまります。
フィールドは飛び出す絵本の仕組みで作られており、この部分のファーストコンタクトは画面に奥行きがあるような気がして凄みを感じるほどのビジュアルです。フィールドではダブルタップにて主人公を誘導していきます。ちなみに、主人公もペラペラの和紙で出来ているんですよ。特定のポイントまでたどり着くとマーカーが表れますので、飛び出す絵本をめくる要領でエリアチェンジをすることができます。
筆者がなかでも好きなのは、指で船を漕いでいくシーン。ギッ、ギッと音をたてて船が移動するシーンはなんだかアトラクションを俯瞰して見ているかのようでとても不思議な感覚なんです。
■寄木細工のしかけやナゾトキを楽しんで
四季折々のフィールドは、ただ歩いているだけでも赴きがありますが、物語の目的のためにナゾを解くシーンが度々登場します。これが結構先入観があると難しく、注意深くあたりを散策して解けた時の快感は手応えあります。ナドトキ自体も本作ならではで、「めくる」「たたむ」「スライド」「押しこむ」など、しかけ絵本を画面越しにいじくり倒すような感じでヒントを集めていきます。時にはビックリするようなところを見なくてはいけないんですが、そこはプレイしてからのお楽しみにしておくのがよさそうです。
トップクラスの質感があるのは間違いないんですが、ひとつだけ難点があるとしたら、それはボリューム。1つのステージが長いといえば長いんですが、それが3ステージなので「あれ、もう終わったのか」とやや拍子抜けしてしまいました。カンのいい人は、2時間もあればクリアできると思いますし、歩きONLYの主人公がダッシュできたら1時間で終わるゲームでしょう。
「間」や「侘び寂び」も大事ですが、このボリュームで500円はアプリゲームとしてはラグジュアリーなところがあるので、追加シナリオに期待したいところです。『Tengami』は後にPC/Mac/Wii U版も発売予定なので、そちらは内容がどうなるのか気になりますね。電子版飛び出す絵本としてとらえると素晴らしい作品であることは間違いないです。
なまえ:Tengami
ぶんるい:アドベンチャー
1回のプレイ時間:5分
対応OS:iOS
ねだん:500円
ひとにつたえたい度:3(5点満点中)
今日の一言「ああ!こんな時に紙とペンがあれば!」
それではまた来週!!
(C) 2014 Nyamyam Ltd
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