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青沼氏「フタを開けたくなかった」…3倍の時間をかけたリメイク作『ムジュラの仮面 3D』の開発秘話を社長が訊く

任天堂の社長・岩田聡氏が、ゲームソフトなどの開発者に直接話を伺う「社長が訊く」。2011年より始まったこの対談シリーズには数多くの開発陣が登場し、開発秘話や苦労話などが赤裸々に語られてきました。

任天堂 3DS
青沼氏「フタを開けたくなかった」…3倍の時間をかけたリメイク作『ムジュラの仮面 3D』の開発秘話を社長が訊く
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任天堂の社長・岩田聡氏が、ゲームソフトなどの開発者に直接話を伺う「社長が訊く」。2011年より始まったこの対談シリーズには数多くの開発陣が登場し、開発秘話や苦労話などが赤裸々に語られてきました。

2013年11月27日に公開された『ニンテンドー3DSガイド ルーヴル美術館』から数えて約15ヶ月ぶりに、3DSソフト『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面 3D』をテーマとした「社長が訊く」がこのたび公開されました。

本作は15年前にリリースされた64版『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』のリメイクとなっており、まずは当時の開発状況などを振り返る思い出話から始まります。64版『ムジュラの仮面』の開発が始まったのは、64版『ゼルダの伝説 時のオカリナ』の3Dモデルを再利用して新たなタイトルを作ろうという流れが発端でした。

ですが当初は『ムジュラの仮面』の開発ではなく、64DDで遊べる『裏ゼルダ』の企画として動いていましたが、『時のオカリナ』のダンジョンをアレンジするよりも新たなものが作りたいと考えた青沼英二氏は、宮本茂氏にその思いを打ち明け、「1年でつくれるんだったらいいよ」との言葉をもらいました。

『時のオカリナ』は約3年の開発期間をかけており、一部のデータを再利用出来るとはいえかなり難しいように思える注文ですが、これをクリアすべく「コンパクトな世界を何度も繰り返して遊ぶ」という方向性に絞り、その結果「3日間を繰り返す」という特徴的なシステムが生まれました。

この刺激的なシステムをはじめ、64版『ムジュラの仮面』の開発は「時間のなさ」が逆にいい方向に転がった製作だったと明かされており、岩田氏も「“3日間システム”というベースの上にいろんなアイデアのピースがスパスパとはまっていったので、わずか1年であの密度のものができたんでしょう」と漏らしています。

ちなみに開発の終盤に宮本氏から「発売は延ばしてもいいんだよ」と言われた青沼氏は「いまからそんなこと、できるわけないじゃないですかっ!」と怒鳴り返したとのこと。それだけ熱意が込められた64版は、青沼氏曰く「お客さんに対して“挑戦状”をたたきつけたようなゲーム」だから、今回のリメイクに関しても大きな反響を得たのではと述べます。

そして話はいよいよ『ムジュラの仮面 3D』へと移ります。当時若い勢いで作ってしまった64版の「フタを開けたくなかった(笑)」とリメイクに及び腰だった青沼氏ですが、意を決して全てを遊び直したところ、「なんじゃこれは」というものをいっぱい見つけてしまいます。

プレイを通じて引っかかったポイントをまとめた、通称「なんじゃこりゃリスト」が、本作の開発を担当したグレッゾに手渡されましたが、そこには「自分でつくって申し訳ないんですけど……」や「僕は当時、ちょっとおかしかったんだと思います」といった青沼氏の懺悔の言葉も書かれていたとのこと。よりよいモノを作りたい姿勢と青沼氏の人柄が滲み出る、ユニークなエピソードも飛び出します。

また、Newニンテンドー3DSがリリースされたことで、本作の象徴となる「月」をCスティックを見られるようになった点、「3Dブレ防止機能」や「ジャイロ操作」との相性の良さ、そしてボス戦を全部を作り直したという、プレイヤーにとって嬉しいリメイク内容の数々も明らかとなりました。

これらの詳細はもちろん、わずか1年で作られたオリジナル版を、3倍の時間をかけてリメイクした『ムジュラの仮面 3D』の開発秘話がたっぷりと綴られているので、プレイ中の方はもちろん興味を抱いた人も、久しぶりの「社長が訊く」を堪能してみてはいかがでしょうか。

■社長が訊く『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面 3D』
URL:http://www.nintendo.co.jp/3ds/interview/ajrj/vol1/index.html

『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面 3D』は好評発売中。価格は、パッケージ版・ダウンロード版ともに4,700円(税抜)です。

(C)2000-2015 Nintendo
《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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