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【CEDEC 2016】VR空間における「手」のあるべき姿とは…Oculus Touchを通して見えたVR操作系の未来と問題点

8月24~26日の3日間、パシフィコ横浜にて開催されたゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC2016」。本稿では、その最終日に行われたOculusによる講演の模様をレポートします。

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【CEDEC 2016】VR空間における「手」のあるべき姿とは…Oculus Touchを通して見えたVR操作系の未来と問題点
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8月24~26日の3日間、パシフィコ横浜にて開催されたゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC2016」。本稿では、その最終日に行われたOculusによる講演の模様をレポートします。


講演ではOculusの近藤義仁氏と井口健治氏の2人が登壇。VR用ハンドコントローラー「Oculus Touch(以下Touch)」の概要の紹介、そしてTouchを使ったインタラクションデザインを行ううえでの注意点に関する解説が行われました。



Touchは、6自由度のポジショントラッキング、2つのアナログスティック、6つのボタン、2つのトリガー、タッチ状態の取得、触覚フィードバックといった各種機能を備えています。ヘッドセットのOculus Riftにはポジショントラッキングセンサーが付属していますが、Touchにはこれがもう1台付属し、2台のセンサーを用いることでより広範囲なトラッキングが可能になります。


スピーカーのように見える部分は「親指置き場」。触るとザラザラしており、親指のホームポジョンとして使うそうです。ちなみにここにもタッチセンサーが内蔵されています。



中指用のトリガーはグリップに配置されており、自然に握りこむことができます。

トリガーは人指し指用と中指用の2種類があり、人指し指用は従来のパッドのボタンと同じように様々な用途に使い、中指用はVR内で「手を握る」動作を行う際に使用します。Touchの多くのアプリケーションでは、中指用トリガーで物を握りつつ、人指し指用トリガーや他のボタンで使うというのがスタンダードになっています。また、タッチ状態の取得については、指がセンサーに触れているかの判定も行え、これを使ってサムズアップなど様々なハンドシェスチャーも可能になるそうです。


年内発売を予定しているTouchですが、ローンチ時にはロッククライミングが楽しめる『THE CLIMB』、魔法使いになって魔法を撃ち合う『THE UNSPOKEN』、手を使っての脱出ゲーム『I EXPECT YOU TO DIE』など、30本以上のタイトルがリリースされるとのことでした。

■キーワードは「ハンドプレゼンス」


Touchが最も重要視しているのは「ハンドプレゼンス」。ハンドプレゼンスとは「自分の手そのものがVR空間にある」という感覚のことで、これによりプレイヤーの没入感をより深めることができます。ではハンドプレゼンスを維持するにはどうすればいいのか。それには現実の手とVR空間に表示される手との齟齬をいかに無くせるかが鍵になります。


まずは手のデザインについて。単にリアルっぽい手にすると、不気味の谷に落ちて本当の手との微妙な差異が目立ち、気持ち悪さを感じてしまうそうです。表示の大きさに関しては、大きい分には「自分の手はこの中に入っているんだ」と勝手に解釈してくれるそうなので、多少大きめにしておくのがいいかもしれません。


次に手の動きに関して。VR空間で手を動かす場合、「現実の手が1cm動いたらVR内の手も1cm動く」といったように動きを正しく対応させることが重要です。これが守られている限り、VR空間の手を自分の手だと認識でき、意識せずに物を掴んだりできるようになります。そのためには、VR世界内の整合性を犠牲にしてでもトラッキングを維持しなければなりません。
また、実際の手の動きとVR内の手の動きとの自由度の違いも重要です。VR空間で手が何かにぶつかった祭、そこでVR側の手を止めてしまうと現実との間に違和感が生じ、ハンドプレゼンスが阻害されてしまいます。これを回避する方法として『Toybox』では手が何かにひっかかっている間は“半透明の手”を表示し、手の動きをトレースし続けるという方法を採用。『Surgeon Simulator』はさらにユニークで、障害物に衝突すると“実体の手”から“骨の手”が飛び出し、現実の手の動きを再現します。

■VR空間内での小道具の扱い


様々な小道具が登場する『Toybox』では、手を動かした際に触れた物を吹っ飛ばさないよう、トリガーを押している間だけ小道具にアタリ判定が出るようになっています。

VR内に小道具を登場させる場合、非常に大きな物や重い物はオススメできないとのこと。というのもVR内では重さを直接的に感じられないため、持ち上げた祭に違和感を覚えるようなのです。また、VR空間内で物を掴もうとする際、人は手を前に出しすぎる傾向があるので、どこで小道具を掴めるのかをプレイヤーに教えるため、小道具を光らせたり音を鳴らすといったヒントを与えることも大切だそうです。
通常のゲームの場合、小道具を持っている間は手も同時に表示するのが一般的ですが、VRに関しては物を持っている間に限り、手を消してしまうというのもひとつの方法です。人間は持っている物に意識が向かうため、物自体が手と連動してトラッキングされ続けていれば、手が消えていることには案外気づかないものなのだそうです。


ゲームの小道具を語るうえで忘れてはならないのが“銃”の存在。銃を持たせる際、手の動きを反映しすぎると銃身がプルプル震えてしまい、重そうに見えず狙いも安定しません。その場合、銃身にスムージングをかけることで震えを抑え、銃の重さを表現することができます。スムージングは位置補正にはあまりかけず、角度に対して強めにかけるようにするとよいそうです。
ちなみに『Bullet Train』では、最初の0.1秒だけ弾速を落として弾の軌道を確認できるようにしたり、発射時の反動を再現するため、撃った瞬間に手の表示を一瞬後ろにずらすといった工夫がなされています。手の表示をずらすとハンドプレゼンスの問題が気になりますが、振動と同時にやると意外と気がつかないそうです。

最後に井口氏は、Touchを使ったインタラクションデザインを考えるうえで重要なのは「ハンドプレゼンスを常に維持する」、「プレイヤーの意図を汲んだおもてなしをする」、そして「プレイヤーが考えたことを実現できる世界を作る」ことだとまとめました。
ハンドプレゼンスがもたらす新たなゲーム体験。Touchの発売が今から楽しみです。
《》
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