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【特集】インティ・クリエイツ社長に訊く『ガンヴォルト』誕生秘話…目標本数はない、だから好きに作れ

『ロックマンゼロ』シリーズをはじめ、多彩なタイトルを手がけてきたインティ・クリエイツ。アクションゲームの開発はもちろん、『ぎゃる☆がん』シリーズなど新たなゲーム性や刺激溢れる作品に着手していることでも知られています。

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◆自社パブリッシュに「目標本数はない」


──パブリッシャーになりたいという気持ちは、いつ頃からお持ちだったんですか?

會津氏:インティ・クリエイツはもともと、「自社パブリッシュをしよう」を目標に立ち上げた会社なんですよ。当時11人のメンバーで立ち上げたんですが、企画やプログラム、グラフィックもいて、サウンドまで内部にいました。オールインワンで立ち上げていたので、最初はお金がないので受託だけども、お金が貯まって余裕が出てきたら自社パブリッシュをしようと思いつつやっていました。

しかし(ゲーム制作に対して)こだわりがありすぎて、開発期間を丸々使ってしまうんですよね。限界までやってマスターを入れよう、という形でやっていたら、お金なんて貯まるわけないですよね(笑)。そんなスタイルをずっと続けていたので、目標としていた自社パブリッシュが実現したのは、20 年後のことでした。

正確には18年目くらいにデジタルパブリッシュを始めて、20 年という節目にようやくフィジカルパッケージを自社パブリッシュできるタイミングが訪れました。比較的リスクの少ないデジタルパブリッシュでリリースした『蒼き雷霆ガンヴォルト』が、開発陣のこだわりによって非常に良い出来だったためユーザーさんの支持を集めることができ、想
像以上に販売数が伸びたことがフィジカルパッケージに繋がりました。

ただ、この形に辿り着けた理由には、『ガンヴォルト』以外の要因もあります。その他のタイトルを手がけているメンバーも脂が乗ってきて、開発期間を守ってクライアントさんのクオリティを満たしてきたため、『ガンヴォルト』を開発できる土台が整ったからなんです。
例えば、ほかのチームの開発がダラダラと延びてしまうと、折角出た利益が食われてしまうわけです。そういうことがなく、かつ『ガンヴォルト』の売り上げがしっかりと残ったので、続編となる『爪』でフィジカルパッケージという自社パブリッシュが実現しました。

──自社パブリッシュの実現は、本当にいいことですよね。


會津氏:そうですね。でもまあ、この奇跡のタイミングがもう一度来るのかと聞かれると、よく分からないですね(笑)。一回パブリッシュしたからといって、今後パブリッシャーとして常に続けていけるかと言えば、そういう会社ではないので。

仮に、会社の体制を根本的に変えられるほど『爪』が売れてしまう、ということがもしあれば、じゃあ今後は(パブリッシャーとして)やっていこう、という話になるかもしれません。そうでもない限り、基本的に今まで通り受託タイトルをしっかりやりつつ、隙を見て自社パブリッシュを出す、という形になりますね。

──状況を踏まえた上で挑戦を続ける、ということですね。

會津氏:自社タイトルって、言ったら博打じゃないですか。自社タイトル作りました、売れませんでした、倒産しました、という訳にはいかないので(笑)。となると、自社タイトルが売れようが売れまいが関係ない、という形で計画せざるを得ないんです。

そのため、絶対に達成しないといけない販売本数とかはないんですよね。「これくらい売れたらいいよね」というのはもちろんありますが、「これだけ売れなかったら倒産します」という作り方はしていないので。

実際に売っていく上では、販売目標本数を設定せずに展開するのはあり得ないので、設定自体はするんですが、絶対に達成しないといけないわけではなく、いくら売れようが売れまいが関係ないという状態なんです。だから、作り手が作りたいものを作り、その上で売れたらいいよねという形で『ガンヴォルト』シリーズを生み出しました。今後もその形だと思います。

「このタイトルはこれだけ売ろう」という計算をして取り組むというのは、自社パブリッシュに関してはありませんね。

《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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