■戦闘は常に1対1

こちらは勇者のみなので、頼れるのは自分ひとりだけ。そんな事情を察してくれたのか、敵も常に1体しか現れず、戦闘は全て1対1で行われます。お互いサポートがいないため、真剣勝負な感じがより増す感じに。ラリホーで眠らされると、起きるまで何もできない無力さを味わうこともしばしばです。
HPの回復手段は「やくそう」と回復呪文しかなく、また後半に覚える「ベホイミ」までは「ホイミ」でやりくりしなければなりません。そのため、「やくそう」や「ホイミ」の回復量を上回るダメージを与える敵が現れると、回復しつつ攻撃という持久戦は使えず、倒される前に倒すか、逃げるか、この二択を迫られます。逃げるにも重要な戦略だと、プレイを通して改めて実感させられるばかり。

こちらは体感の話となりますが、他のシリーズ作と比べると、不意打ちされやすいように感じました。本作の戦闘は通常、勇者が攻撃してから相手が攻撃するという流れなので、基本的に「先にダメージを与えられる」という形になっています。この基本にアクセントを加えるため、不意打ちがやや多めなのかもしれません。
アクセントと言えば、こちらもシリーズお馴染みの「かいしんのいちげき」ですが、本作では「かいしんのいちげき」を繰り出しても回避される場合が。気合いを入れた一撃だけに、空振りした時は切なさがこみ上げます。このほかにも、ラリホーで眠った敵は、起きると同時に攻撃してくるなど、本作の冒険は様々な面で油断ができません。

ですが、戦闘バランスが理不尽かと問われると、そんなことはありません。成長速度は遅めですが、装備とレベルを着実に積み上げれば、どんな敵とも問題なく渡り合えます。唯一、「不意打ちでラリホーを食らい、全然起きられずにダメージを受け続ける」という状況だけはもやもやしますが、この点を除けば1対1の戦闘がもたらす緊張感を適切なバランスで楽しめます。
ちなみに、本作のLVは30まで。これも当時らしいLV設定と言えるでしょう。
