◆おまけ ~匠の回顧録~

そんなこんなで安易に人形制作を引き受けてしまったのですが、フラミー人形の現存する資料は説明書で使われている写真と当時のCMの動画のみ。実物の大きさや素材がわかる資料がなく頭を悩ませました。

まずは、写真のフラミーのボア(毛の素材)や羽から大体の大きさを割り出し、写真を予想した原寸大に拡大コピー。そこから細かいパーツの大きさを測っていきます。

フラミーの頭は現物の形に近づけるために粘土で原型を起こしてシリコンで型取り。シリコン型にスポンジ材の原液を流し込み、スポンジ製の頭を成形します。ボディはスポンジシートを芯に貼り付けて大まかな形を作り、ナイフで削って彫刻していきました。


彫刻のコツは勢いです。小生は「Don't Think. Feel!」と香港訛りの英語で叫びながら削り続けていました。……ただのパクリですね。

削って形を出したあとは、ボア生地を全身に貼って仕上げていきます。

そして苦労の末に、あのフラミーが完成しました。実際にオリジナル版と比較することになるとは予想だにしなかったですが、小山田プロデューサーにすごく喜んでいただけたようで良かったです。
※その後、新フラミー人形はスクウェア・エニックスさんの手に渡りました。
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