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RPGに一石を投じたのは『moon』だけじゃない! 世界的なヒット作から“世界を救うのはやめた”作品まで登場した、1997年のRPG事情に迫る【特集】

敵と戦わず、愛でレベルアップするユニークなゲーム性で注目を集めた『moon』が、22年の時を経て、ニンテンドースイッチで復活。そこで、『moon』と同じ年に発売されたRPGをピックアップし、当時のRPG事情を振り返ってみたいと思います。

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国内のコンピュータゲームにおけるRPG史は、まず海外作品の上陸で大きな盛り上がりを見せました。『ウルティマ』や『ウィザードリィ』といった名作たちが席巻し、RPGという新たな遊びを広げていきます。

その後、日本でもRPG作品が生み出されるようになり、『ドラゴンクエスト』などのファミコンソフトが一大ブームを巻き起こしました。作品によって目的や世界観は異なりますが、ファンタジー世界が舞台となり、主人公は勇者となって敵と戦い、魔王などのボスを倒して世界を救うという形が主流でした。

フィールド上に出現する様々な敵を打破し、経験値を稼いでレベルアップ。ダンジョンや街中、時には住民の家の中を探してアイテムを獲得することもあります。そんな“RPGのお約束”を多くの作品が受け継ぎ、それらの要素は最新の作品にも見受けられるほどです。

しかし、この“RPGのお約束”に一石を投じ、新たな可能性を切り開いた作品も多数ありました。その中でも特に知られているのが、1997年10月に発売されたプレイステーションソフト『moon』です。


「なぜ勇者は世界中のモンスターを皆殺しにするのか?」「なぜ勇者は勝手にタンスをあけて人の家からアイテムを盗むのか?」といった“RPGのお約束”と向き合った『moon』は、敵を倒して得られる経験値ではなく、「ラブ」をゲットする「ソウルキャッチ」でレベルアップ。勇者に殺されたモンスターの魂を救いながら、この世界の謎へと迫ります。

これまでのお約束に満ちたRPGとは大きく異なり、新たな視点を切り開いた『moon』は、その斬新なプレイ体験で多くのユーザーから支持を獲得。需要に対して供給が追いつかないほどの人気を見せ、気になるけど遊べなかったユーザーも当時多数いました。


そんな『moon』が22年の時を経て、本日10月10日に、ニンテンドースイッチ向けソフトとして復活! 完全移植を果たした本作が、最新ハードで蘇りました。“RPGのお約束”に挑んだ意欲作を、ようやく遊べたと喜ぶ方も少なくないことでしょう。

ですが、“RPGのお約束”にアプローチした作品は、『moon』だけではありません。モンスターと戦わなくてもいいRPGとして『Undertale』が人気を博したりと、近年でも数多くの作品が新たな可能性に挑んでいますが、そういった動きは『moon』発売当時にも見られました。


そこで今回は『moon』が発売された1997年に注目し、“RPGのお約束”に挑戦した作品や、当時を代表する大作RPGに迫り、当時のRPG事情を振り返ってみたいと思います。

◆『ファイナルファンタジーVII』:1997年1月31日 発売



“RPGのお約束”に挑戦した作品に迫る前に、まずは1997年を代表する大作RPGを紹介したいと思います。この年に発売されたRPGは数多くあるものの、知名度や販売本数、そして後のRPG業界に大きな影響を与えた作品と言えば、この『ファイナルファンタジーVII』(以後、FFVII)を外すことができません。

ファミコン時代に始まった『ファイナルファンタジー』シリーズは、1作目の時点から意欲的な姿勢を見せていました。RPGとして面白いのはもちろんのこと、当時からグラフィック面を磨き続け、ドット絵ながらもこだわりのあるビジュアルでユーザーを魅了しました。そのスタイルは『II』移行も受け継がれ、スーパーファミコン最後のナンバリングタイトルとなった『ファイナルファンタジーVI』のドット絵は、美麗を極めた職人芸と称しても過言ではないほどです。


そんな『ファイナルファンタジー』シリーズは、『FFVII』で大きな節目を迎えます。ハードがプレイステーションに移ったことで、グラフィックの方向性が一新。それまでのドット絵ではなく、3DCGを駆使した作品となりました。その切り口が刺激的だったのはもちろんですが、同時期の3DCGを採用した他のRPG作品と比べても素晴らしい出来映えでした。

表現方法こそ変わりましたが、過去作と同様に最先端のグラフィックを追求した『FFVII』は、ストーリーやキャラクター陣の魅力も高く評価され、『ファイナルファンタジー』シリーズの今後に影響を与えるほど、その成功は大きなものとなりました。


グラフィック表現の最前線に挑み続けながら、RPGの王道のひとつに数えられることも多い『ファイナルファンタジー』シリーズ。その中でも指折りの成果を成し遂げた『FFVII』が、『moon』と同じ1997年に発売されたという事実は、RPG史という観点から見ても非常に興味深いポイントと言えそうです。



世界を救わなくたっていい! 卒業するために頑張るRPGが登場
《臥待 弦》
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