◆幼少期の思い出を含めると光がメインヒロインすぎる

『ときメモ2』はいきなり高校生活からスタートするのではなく、実は幼少期からはじまります。このモードでは街中を探索してステータスを上げたり、あるいはヒロインたちとの思い出作りができたりするのです。
幼少期のころは基本的に光と一緒に行動し、公園で遊んだり一緒にお祭りへ行ったりといろいろなイベントが起こります。しかししばらくすると主人公は急に引っ越すことになり、光と一緒の幼少期も終わりを迎えるのです。

光は主人公に好意を持っており、別れるときは目を潤ませながら走って車を追いかけてくれるのです。もちろんそんなことは無駄でしかなく、ふたりは離れ離れに。年月が経つにつれて光もそんな悲しさを忘れかけ、長かった髪も切り、心機一転して高校生活の第一歩を踏み出します。
しかし光がひびきの高校へ向かうと、そこには7年前に遠くへ行ってしまった幼馴染、つまり主人公がいたわけです。いやはや運命といいますか、こうして文章にして説明するとベタでびっくりしますが、いずれにせよ光にとっては驚くべき再会であったことは間違いないでしょう。

好意を寄せていた人に7年経ってようやく再会できたわけですから、そりゃもう光は惚れやすくて当然でもあります。そして、あなた(プレイヤー)は、そんな好意を寄せている相手を無下にできるでしょうか……?
◆情に訴えかける系ヒロイン

つまり光は魅力的であると同時に、物語的にもちょっとメインヒロインすぎてほかのキャラクターを狙うのが申し訳なくなる性質を兼ね備えているのです。情に訴えかけてくる系ヒロインとでもいいましょうか。
『ときメモ2』では主人公の友人も彼女を作るために行動を続けており、プレイヤーが光をほったらかしにしていれば彼らと付き合うことになる可能性も十分にあります。こうなると「あんなに運命的な再会があったのに!」と思わずにはいられません。

光を完全にほったらかしにしていると爆弾が爆発してえらいことになるので、あえて第3日曜日を狙ってデートに誘う(この日は部活があるため誘っても必ず断られるが、とりあえず誘うだけで爆弾を解除できる)なんてテクニックもあるのですが、これも申し訳なさすぎて心が痛みます。藤崎詩織の反省を活かしすぎたゆえに、違う意味で問題も産み出したヒロインと言えるかもしれません。
とはいえ、印象深いヒロインであることは間違いなし。20年経った今でも『ときメモ2』を遊べばとにかく光とのエンディングを目指してしまうわけですし、彼女が幸せな結末を迎えると安堵するのです。

余談になりますが、『ときめきメモリアル4』(なんとこのゲームも2019年で10周年!)にはさらに情に訴えかけてくるヒロイン「大倉都子」が登場します。光で培った「このキャラクターをほったらかしにできるかよ!」と思わせる設定をさらに練り上げたものになっており、当然ながら私にとっては都子も忘れられないヒロインになったわけですが……。この話はいずれまた。