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香川県の条例素案に挑戦…! 「ゲームは1日1時間」でどこまで遊べるか5人がかりでチャレンジした【特集】

『Apex Legends』『モンハン:ワールド』『DARK SOULS II』『Europa Universalis IV』は1時間でどれくらい遊べるのか……Game*Sparkライターが挑戦してみました。

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香川県条例素案に挑戦…! 「ゲームは1日1時間」でどこまで遊べるかチャレンジ【特集】
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2019年1月10日、香川県議会が検討中のゲームやインターネットの依存症の対策に関する条例の素案に、高校生以下の子どもを対象とした利用時間の制限が盛り込まれることが明らかになりました。

この素案では(スマホやPC、ゲームの利用は)1日あたり平日は60分、休日は90分に制限。また、夜間は高校生は夜10時以降、小学生や幼児を含む中学生以下の子どもは夜9時以降の利用を制限するとされています。現在は香川県民からのパブリックコメントを募集している段階で、2月の定例本会議にて条例案を提出する方針ということです。

しかし実際のところ、現代のゲームを遊ぶために与えられる時間が「1時間のみ」というのは厳しいものがあるでしょう。アクションRPGならチュートリアル+ストーリーの導入のみで終わってしまうかもしれませんし、Modを入れて楽しむゲームならその環境を構築しているだけで1時間が経ってしまうかも。Game*Spark編集部は先の素案に(勝手に)挑戦するべくライター陣に作品を選んでもらい、「ゲームは1日1時間」で実際どこまで遊べるか、調査してもらいました。

本稿で取り上げるのは『DEATH STRANDING』『Celeste』『フォートナイト バトルロイヤル』『モンスターハンターワールド:アイスボーン』『Apex Legends』『DARK SOULS II SCHOLAR OF THE FIRST SIN』『Europa Universalis IV』の7本。一部タイトルはストーリーの紹介やネタバレを含みます。どれも序盤1時間分の内容のみとはなりますが、予めご了承ください。



『DEATH STRANDING』(Trasque)



『デススト』は計画的に遊びましょう! PS4の電源を入れたところから勝負は始まっています。なぜなら「お母さんルール」の1時間とは、必ずしもゲームプレイだけとは限らないからです。「今からゲームするよ!」と言ってからきっかり60分後、部屋に入ってきたお母さんの視界には、宿題に取り組んでいる姿を見せなければならないのです。

主人公サムのモノローグから始まる『DEATH STRANDING』は映画的な表現が頻出するので、1時間では充足感のあるプレイはできなさそうです。筆者は既に一度クリアしていますが、序盤のうちは新作に対する情熱もあり、あまり時間を気にしていませんでしたので、改めて冷静に眺める良い機会となりました。


美しくもどこか寂しげな自然の中をバイクで駆けるサム。触れたものの時間を奪う恐ろしい”時雨”が背後に迫り、加速を強めます。一度は崖に往く手を阻まれますが、これを飛び越えて活路を開いたところで、謎の女性“フラジャイル”が出現し、回避しようとしたサムは大きく転倒してバイクを失ってしまいます。

雨宿りの為に立ち寄った洞窟で“BT”に襲われるも、なんとかやり過ごすサムとフラジャイルですが、落ち着いてばかりもいられません。サムには配送という大事な仕事をこなす必要がありました。転倒によって散らばった荷物を拾い集めつつ、セントラル・ノットシティへと再び歩み始めます。

セントラル・ノットシティへの道のりはそれほど長くないとは言え、本作のメインアクション部分である「配送」をプレイできます。この時点で既に15分は経過していました。1時間で体験できる内容を検証するため、あくまでも初めて遊んでいるかのような速度で攻略していきます。丁寧に荷物を集めてからセントラル・ノットシティへ向かいました。


そのままセントラル・ノットシティから緊急任務を受け渡されたサムは、ブリッジズの死体処理チームと行動を共にします。急ぐためにBTの座礁地帯を通過したことが裏目に出て、処理チームの車両ごと転倒し、その結果セントラル・ノットシティの周辺は“対消滅”してしまいました。

目が覚めたサムに状況を説明してくれるのはギレルモ・デル・トロ監督が扮するデッドマンです。一匹狼のようにして活動を続けていたサムに対し、デッドマンは改めてブリッジズからの仕事として「大統領へモルヒネを届ける」という任務を依頼します。

既にアメリカは”デス・ストランディング”により失われており、大統領などいないはずだと訝しむサムですが、デッドマンは「大統領がサムに会いたがっている」と、その配送任務の意図を吐露するのでした。

サムが搬送されていたのはキャピタル・ノットシティでした。同じ敷地内にある建築物への短い配送作業です。ここで配送に活用できるマップ機能などがデッドマンから提供され、チュートリアルも兼ねた行動となります。


現地に到着すると早速大統領と会うよう促され、建物の奥へ進むことに。そこには、かつてサムがブリッジズに所属していた時、共に活動していたダイ・ハードマンがいました。彼との挨拶もそこそこに、サムへ大統領だと示されたのはベッドの上にいる人物で……。

という場面で1時間が経過してしまいました!! つまり、ここでお母さんが部屋のドアを開けてしまいます。「まだカットシーンの途中だよ!」と言っても許してくれません。残念ながら続きは明日。モルヒネの配送任務から再開しなければならないようです。

実質的に操作したのは、序盤の雨宿りまでの移動、セントラル・ノットシティへの荷物回収、そしてキャピタル・ノットシティでの短い移動だけでした。この後、大統領との会話にもまだまだボリュームはありますし、把握すべき基本的な要素もたくさんあります。

『DEATH STRANDING』は慣れた人でもストーリーのクリアまで40時間以上は掛かるのではないでしょうか。1時間ずつプレイするならば、1か月以上楽しめる……と考えることもできそうです。しかしながら、今回のようにしてカットシーンを楽しむためには1時間では足りない場面もあります。お家の人とよく相談して、計画的に進める必要がありそうです。

『Celeste』(Trasque)



『DEATH STRANDING』の対比として、非常に短いプレイサイクルも可能とする本作にも挑戦してみました。2018年の1月と早いリリースだったにも関わらず、Game of the Yearのノミネート作品として注目されるなど、極めて高い完成度を誇っています。

ジャンルとしてはいわゆる”死にゲー”に分類されていますが、特筆すべきはその「リプレイまでの早さ」。初回プレイの場合、クリアまで実に数千回以上の単位でミスすることになる訳ですが、プレイヤーにとってはそれ自体が負担だと感じられないほど、ロードを挟まないリプレイを実現しています。

筆者はPC版で遊んでいましたので、PCの起動からカウント開始です。Steamのゲーム起動ボタンからすぐに立ち上がり、本編開始後は1分以内に操作可能となります。


通常エンディングまでのチャプターは7まであります。まずは15分ほどでチャプター1をクリアできました。久々に遊んだので30回ほどのミスで済みましたが、過去にプレイした時には80回近いミスとなっていました。初めて遊ぶ人の場合、実際には30分ほどかかるのではないでしょうか。

本作の操作はシンプルで、左右の移動、崖に捕まって昇り降り、壁蹴り、ジャンプと(二段ジャンプを兼ねた)ダッシュのみです。多くのメトロイドヴァニア系とは違って、原則として主人公そのもののアクションが増えることはありません。ステージのギミックを活用して、主人公の機動力を超えた動きを実現する、というタイプのアクションになります。


チャプター2をクリアした段階で40分ほどが経ちました。こちらも初回プレイではもっと時間がかかるでしょう。ステージの中には会話可能なNPCがいて、ちょっとしたイベントを楽しめます。その意味でも、このチャプター2の途中で1時間が経過する……というのが実際のところではないかと思います。


チャプター3の途中でタイムアップとなりました。本作は決して理不尽なデザインではないのですが、素直に「高難度タイトルである」と評価できます。つまりステージ構成が絶妙であり、これも高く評価されている大きな理由です。

プレイヤーに求められている“習熟度”は、後半へ向かうにつれて強まっていきます。久々にプレイした筆者も「改めてしばらくやりこまねばまともに攻略できない」と感じる程です。

快適なリプレイ性は、いつでも挑めていつでも中断できるという利点があります。しかしながら『Celeste』が持つ難易度の上昇カーブが、プレイヤーに対する成長の実感として転化するまでには、集中したプレイングを要することは間違いありません。この点を見れば、『DEATH STRANDING』と同様にして、1日1時間の縛りを課す場合、ゲームのエッセンスを楽しめるまでには、しばらく日数がかかるものと思います。

それでも、毎日きっかり1時間と管理して遊べるタイプのゲーマーならば、むしろこの険しい山を制覇しきれるかもしれませんね。

『フォートナイト バトルロイヤル』(吉河卓人)



記事執筆時点では通常のモードに加え「チームランブル」「スナイパー銃撃戦」などがアクティブになっていた『フォートナイト』ですが、まずは「チームランブル」からプレイ。同モードは大人数が2つのチームに分かれて戦う大規模戦で、どちらかのチームのデス数が規定数に達するまでゲームが終了しない、リスポーン可能なシステムを特徴としたゲームモードです。

そのため、プレイヤーが死んだら終了する「ソロ」等のモードに比べると勝負が長引きやすく、マッチング待機時間を含め勝負が決するためにおよそ15分かかりました。ただし、今回のマッチは自陣がやや優勢で一方的な試合運びでもあったため、白熱した試合であればもう少し時間がかかるかもしれません。

続いては4人1チームでプレイする「スクワッド」をプレイ。こちらは「チームランブル」と違って基本的にリスポーンは出来ませんが、仲間の助けがあった場合のみ「リブートバン」という車両を使用して復活可能です。


このマッチでは味方がやたら強く、かなり連携が取りやすかったためか、なんとチームメンバーが誰も欠けることなくビクトリーロイヤルを獲得。ただし、その分参加時間が長引いたため、決着までは待機時間を含めおよそ20分かかりました。


次のマッチでは、先のビクトリーロイヤルに味を占めて再び「スクワッド」を選択。ところが、この試合では敵が強く、終盤までは生き残れたものの全体の順位は3位で終了に。なお、観戦はせず退出したため、マッチには待機時間込みで17分ほどかかりました。

そして最後には「ソロ」に挑戦……しましたが、マッチングを経てバトルバスから落下、着地した直後に1時間のタイムリミットに到達。結局最後までプレイを完遂できず、ここで終了となりました。この結果から考えるに、恐らく1時間の中でプレイ可能なマッチ数は恐らく3、4マッチ程度でしょう。

今回は「バトルロイヤル」のみプレイしましたが、恐らく「クリエイティブ」や「世界を救え」ではプレイできる範囲がもっと限られてくると思います。また、常に「1時間」という時間制限を意識しながらプレイしなくてはならないため、マッチング中の待機時間やマッチ後の報酬表示画面がややストレスに感じることもありました。


個人的には『フォートナイト』を遊ぶ醍醐味のひとつでもある「スキン選び」に時間を割けないのも気になりました。やはり満足感を得るためには、少なくとも2~3時間程度の余裕は欲しいところです。

3~4回程度のマッチではマップやシステムを把握しきれず、結局ゲーム全体の魅力を突き詰めにくく感じられるのも難儀な点だと思います。筆者はある程度プレイに慣れているため問題なかったものの、もしこれが初めてのプレイだとしたら、ゲームシステムを把握し始めたところで1日のプレイ時間が終了する……ということも有り得たかもしれません。何日間か跨いでプレイすればある程度は解決するかもしれませんが、玄人プレイヤーとは練習時間や習熟度の点で明確な差がつくであろうことは明白です。


余談ですが、筆者はこれが久しぶりの『フォートナイト』だったため、プレイ時にはゲームをアップデートする必要があったのですが、この処理におよそ40分ほどかかりました。回線の相性もありますが、これも「1日1時間」に含まれるのならば、1マッチすら出来なかったかもしれません……。

次ページでは『モンハン:アイスボーン』『Apex Legends』『DARK SOULS II』、そして『EU4』にも挑戦。
《Game*Spark》
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