
商品名は「mocopi(モコピ)」。「モーションを簡単にコピーする」が語源で、まさにその語源の通りのスペックを備えたフルトラッキングがソニーより発表されました。
今回インサイド編集部は、運よくインサイドちゃんMark2(以下、つーちゃん)と一緒に、この注目のガジェットを体験することができました。現役バーチャルレポーターとして活躍中の彼女も思わず「凄い!」「欲しい!」と叫んだ商品は一体どんな可能性を秘めているのか?
どういうことができるのか&どんなユーザーに向いているのか……そして今後の拡張性についてもご紹介します。

◆外ロケも簡単!スマホで動作する簡単&軽量システム
従来のフルトラッキングシステムといえば、「モーションスーツを着たり、光学式カメラを用いたりして専用スタジオで収録する」「HMD(VRゴーグル)とトラッカーを身に着ける」といったイメージを持つ方も少なくないでしょう。
しかし「mocopi」で使用するのは、500円玉サイズのセンサー6つとスマートフォン向けアプリのみ。それぞれ専用ベルトやクリップで全身に取り付けるので、腕時計をしている程度の装着感しかありません。またアプリでモーションキャプチャーをするので広いスタジオは必要なく、おもに個人の配信者やCGアニメクリエイター、ゲームクリエイター向けの商品です。

使用方法はシンプル。センサーを取り付けたら、数秒動かずアプリとデバイスをペアリングして、ナビゲーションに従ってキャリブレーションをするだけ(数十秒でOK)。あとは跳んだりストレッチしたりと自由に動けます。ワイヤレスイヤホン感覚で持ち運びでき、外ロケの撮影も楽々です。
極小サイズのセンサーもさることながら、スマホのアプリでキャプチャーできるのは画期的です。ジャイロ式の速度センサーなので、磁場の影響を受けづらく、かつ早い動きでも遅延なくモニタリングしてくれます。PCを持っていなくても「VRChat」が楽しめるよう開発を進めた経緯があることから、最低限のデバイスとシステムで「最大限の楽しみ方ができる」商品になりました。
◆具体的にどのようなことができるのか?

アプリの操作画面ではアバターの変更、グリーンバック等の背景の変更のほか、MP4形式での録画とボーンの動きをBVH形式で保存することができます。もちろんオリジナルのアバター(VRM形式のモデルに対応)をインポートすることも可能。
さらにモーションのほかに、マイクで拾ったボイスと連動するリップシンク、ランダムでの「まばたき」機能も搭載。フェイシャル(表情変化)と指先の動きには対応していませんが、12月15日より提供予定のソフトウェア開発キット(SDK)を利用すれば、機能を拡張させることもできます。
あくまでモーションキャプチャーのためのアプリなので、配信をしたいなら別途PCなど配信機材に接続する必要がある点はご注意を。ちなみにトラッカーは10時間程度の連続使用に耐えられるので、長時間配信に用いてもほとんど心配いらないことでしょう。

■もっと知りたい!さらなる可能性

気になる価格は、個人クリエイターでも手が届きやすい5万円前後を予定。なお発売日は2023年の1月頃を予定しています(まずはECサイト「ソニーストア」のみの取り扱い)。
動作保証済みのサービスは、「VR Chat」「Unity」「MotionBuilder」「Virtual Motion Capture」。そのほかバーチャルマーケットの主催として知られるHIKKY社の新サービス「unlink」との連携も発表されています。いわゆるVR業界・VTuberシーンだけでなく、アニメ業界や映画業界からも今後需要がありそうです。
なおイベントへの出展については、まず12月15日の「XR Kaigi Online」でオンラインプレゼンをする予定。12月22日・23日開催の「XR Kaigi Offline」では両日ともブースを出展する予定です。「XR Kaigi Offline」では実機体験ができるので、ご興味がある方は是非ともチェックを!