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いつもそこにはゴリラがいた!『マリオvs.ドンキーコング』をプレイしながら振り返る「コンピューターゲームの進化」

先頃発売された『マリオvs.ドンキーコング』と共に、ビデオゲーム史を振り返ります。

ゲーム Nintendo Switch
いつもそこにはゴリラがいた!『マリオvs.ドンキーコング』をプレイしながら振り返る「コンピューターゲームの進化」
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  • (C)GettyImages

2月16日に任天堂より発売されたリメイク作品『マリオvs.ドンキーコング』。このタイトルに懐かしさを感じているゲーマーは、今年で四十路を迎える筆者だけではないと思います。

それは2004年にゲームボーイアドバンス向けに発売されたタイトルのリメイク版だから……というよりも、マリオとドンキーコングの組み合わせ自体が任天堂の歴史を象徴しているからではないでしょうか。筆者は2004年には既に働いていたため、『マリオvs.ドンキーコング』と聞くとどうしても初代『ドンキーコング』を連想してしまいます。

そして、配管工とゴリラの対決はコンピューターゲームの性能を大きく進化させました。

アーケードゲームで繰り広げられた「知恵比べ」

コンピューターゲームの一般大衆への浸透は、まず最初にバーや喫茶店に設置される「アーケードゲーム」から始まりました。

アメリカでは、ノーラン・ブッシュネルという人物が優秀な若者を集めてアタリという会社を経営し、現代にも伝えられる名作ゲーム『ポン』を開発しました。街中でジーンズを堂々と履くヒッピーの若者が(当時のアメリカでは「ジーンズは作業着」でした)、大音響で音楽を流しつつ筐体を組み立てるというなかなかカオスな光景がアタリ社内で繰り広げられていました。

日本では1978から1979年にかけて『スペースインベーダー』ブームが発生。アメリカとは違い、我が国ではバーや喫茶店だけでなく駄菓子屋が有力なセクターになります。駄菓子屋で生まれて初めてコンピューターゲームに触れた、という人も少なくなかったはず。

日米を中心とした西側諸国では、80年代に入るとアーケードゲームの筐体は既に身近なものになります。駄菓子屋、ゲームセンター、スーパーマーケットやデパート、果ては旅館の一角にあるゲームコーナー。その中で1981年に発売された『ドンキーコング』は、「頭を使うアクションゲーム」として人々を虜にしました。

ドンキーコングに誘拐されたポリーンを救い出そうとするマリオ。しかし、傾斜のついた鉄骨の上にドンキーコングが次々と樽を転がしていきます。決してワンパターンな動きではない樽をどう避けるか。言い換えれば、どの梯子を使って上へ登っていくか。

「ここを先にこうしたほうが、より攻略しやすくなるのではないか」。そのような判断を瞬時に行いながら樽を避けていく、というのが『ドンキーコング』の醍醐味です。配管工とゴリラの知恵比べは、アーケードのみならず様々な家庭用コンピューターゲームに移植されました。

ファミコン版『ドンキーコング』の衝撃

Atari 2600、Atari 800、インテレビジョン、コレコビジョン。これらの家庭用コンピューターゲーム及びホームコンピューターは、いずれも任天堂のファミリーコンピューター(ファミコン)以前に『ドンキーコング』を発売した製品です。

アーケードゲームのタイトルを家庭用コンピューターゲームに移植する。これは思っている以上に大変な作業です。ハードの性能の関係でどうしても端折らなければならない点が出てしまい、故に「どこまでアーケード版を再現しているか」が注目されます。家庭用コンピューター版の『ドンキーコング』はステージが極端に少ない、グラフィックが粗末ということがあり、「ゲーセンと同等の遊び心地」というわけにはどうしてもいきません。

だからこそ、1983年発売のファミコン版『ドンキーコング』は飛び抜けていました。

ステージ数こそアーケード版より少ないものの、グラフィックはアーケード版と遜色ないレベル。BGMも軽快なSEも、体が踊り出すくらいの水準に再現されています。これは『ドンキーコング』が各ハードの明暗を分けた瞬間でもあります。

「知恵」が土台のゲーム性

コンピューターゲームの進化の過程には、いつもマリオとドンキーコングがいました。

そういえば、筆者の学生時代の先生がこんなことを言ってました。「人間、時の流れと共に知識は変化するけれど知恵は変化しない」。

たとえば、スマホをどう操作するのかというのは「知識」です。一方、スマホを何の目的で活用するのかというのは「知識」ではなく「知恵」。知恵があれば、スマホを使って仕事を効率化したり仕事そのものを新しく創出したりもできます。『ドンキーコング』のゲーム性の土台は「知恵」であり、それ故に各ハードのテスターの役割を果たすことができたと言えます。

最後に残るのは、人間の「知恵」を最大限発揮できるだけのスペックを有するハードです。『ドンキーコング』は、それを証明した最初のゲームソフトではないでしょうか。

知恵のひらめき

此度の『マリオvs.ドンキーコング』も、「知恵の繰り出しが土台にあるゲーム」という方向性で完成されています。

次のステージへ進むための扉を開ける鍵を、どのように運んでいくか。じっくり考えたいけれど、このゲームは時間制限があります。さらに敵キャラもいるため、そいつらを駆逐しつつ(時には利用しつつ)鍵を運ぶ……という知恵比べです。

正直、筆者でも「えっ?」と声を出しながら詰まってしまう場面もありました。一体、これはどうやって攻略すればいいんだ? あっ、そうか! コイツを利用してこう進めばいいのか!

そうした「知恵のひらめき」を我々人類に与えてくれる『マリオvs.ドンキーコング』。大人も子供も、いつの間にか熱中してしまう中毒性を持った作品でもあります。


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《澤田 真一》

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