◆全体的なプレイ感は良好、見事なゲームバランスにも感服

あくまで開発中のプレビュー版なので、ゲームバランスなどは今後調整されると思いますが、難易度「ノーマル」で遊んだところ、戦闘の手応えはなかなかのものでした。
ほぼ序盤の「ゴブリン襲来」は、取得している技や術は少なく、発動に必要な「BP」の最大値も低いため、強力な攻撃は連発できません。だからこそ、弱点をつくのが重要になり、立ち回りの基本を学べました。

一方「沈没船」ではパーティの育成も進み、また敵も手ごわくなっています。BPの消費を抑えようと通常攻撃を主体にすると、敵の手痛い攻撃に押し切られそうになることも。その反省を活かし、BP消費の技や術をメインで戦うと、互角以上の形勢で戦えるようになりました。
そのペースで先に進むと、ボスが待ち受ける手前のセーブポイント(および回復箇所)に辿り着いたところで、味方キャラのBPは残り2割程度でした。全力を出せるのはあと1~2戦ほどだったので、セーブおよび回復の配置が実に絶妙でした。

もちろん、これはあくまで筆者のケースなので、うまく立ち回れば余裕はもっと大きかったはず。とはいえ、最適解ではない一般的なプレイで、BPを使い果たす直前でボスにたどり着くタイミングは、見事という他ありません。この素晴らしいバランス調整を、製品版でも味わえるよう願うばかりです。

プレイ範囲が限られたプレビュー版だったため、『ロマサガ2R』が持つ魅力の全てには触れられていません。しかし、味わった特徴的な要素の数々は心地よい手応えで、製品版への期待を高めてくれました。
グラフィックに関しては意見が分かれる向きもあるでしょうが、『ロマサガ2R』は一個人のキャラクターを深く描くのではなく、帝国の歴史を紡ぐ作品です。開発のリソースには限りがあるため、グラフィックに注力して他が疎かになるよりも、ゲーム性を重視するのはひとつの判断と言えるでしょう。

個人的な話になりますが、『ロマサガ2R』に望むのは、『ロマサガ2』の面白さを継承してもらうこと。それが最も重要で、その見込みは十分感じられるプレイ体験となりました。より完成度を上げるであろうこれからの開発にも、期待が高まります。
(C) SQUARE ENIX
※画像は開発中のものです。
※バトルのゲームバランス等、一部の仕様については製品版と異なります。