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小島監督&キャスト陣&音楽担当が語る制作秘話…『DEATH STRANDING 2』LAプレミアイベント現地レポート

2025年6月8日、米ロサンゼルスにて『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』ゲームプレミアが開催されました。

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小島監督&キャスト陣&音楽担当が語る制作秘話…『DEATH STRANDING 2』LAプレミアイベント現地レポート
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2025年6月8日、米ロサンゼルスにて『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH(デス・ストランディング2』ゲームプレミアが開催されました。このイベントは今月26日に東京でも開催される『DEATH STRANDING WORLD STRAND TOUR 2』のスタートとなります。

会場には小島秀夫監督をはじめ、主要キャストのトロイ・ベイカー氏、忽那汐里氏、そして音楽を手掛けたアーティストのWoodkid氏が登壇。ジェフ・キーリー氏が司会を努め、作品に込めた想いや制作の舞台裏が、熱気あふれる中で語られました。

当記事では会場の様子、各人の発言を抜粋して日本語訳したものを紹介します。なお、会場では小島監督のマイクの音量が小さかったため、一部の発言は同時通訳を務めた齊藤昭義氏の言葉を再翻訳したものとなります。

コロナ禍が書き換えた物語。小島監督が語る創造と深化

会場の雰囲気について「お客さんがよかったですね、何言ってもワーと言ってくれて」とポッドキャスト“コジ10”にて語った監督

「なんとか完成して、この日を迎えられて一番嬉しいです」

イベントの冒頭、小島秀夫監督は万感の思いを込めてこう語りました。ゲームクリエイターとして40年のキャリアで色々あった中でも、コロナ禍の最中に自身も死を覚悟するほどの病を経験し、「絶対完成できないだろう」とまで考えたという監督。だからこそ、無事に完成へとこぎつけた喜びはひとしおだったようです。

会場は築99年のオルフェラムシアター。来年で100周年を迎える劇場はE3の頃からゲームイベントにも活用されてきました。

前作『DEATH STRANDING』は、奇しくも発売直後に世界が直面したコロナ禍を予見するかのように、社会の分断をテーマに「みんな、繋がろう」というメッセージを投げかけました。「私のフィクションが少し現実になった」と監督は振り返ります。しかし、コロナ禍を経て人々の繋がりの形が変化したことを痛感した監督は、当初構想していた『DEATH STRANDING 2』のアイデアを一度白紙に戻したことを明かしました。

小島監督:コロナ禍中はデジタルでの繋がりが重要でしたが、アナログな対面の繋がりが希薄になりつつあった。その経験があったからこそ、物語を書き直したんです。コロナ禍後の新しい繋がりをゲームシステムに組み込み、皆さんに体験してほしいという思いで作りました。

役者の魂が宿るキャラクター。ヒッグスにギターを持たせた偶然の発見

洋ゲーの主役の常連トロイ・ベイカー氏。今作では前作以上にヒッグスを深堀り。

前作から引き続き登場する宿敵ヒッグスが、今作でギター型の武器を手に歌っているのは偶然と熱意の産物だったようです。小島監督はコロナ禍中に、ヒッグスを演じるトロイ・ベイカー氏がギターを弾き語りするYouTubeチャンネルを偶然発見。その高い歌唱力に驚き、アートディレクターの新川洋司氏に「ヒッグスのためにギターをデザインしてほしい」と依頼したとのこと。

上のベイカー氏のポーズはこのシーンを再現したもの

5年ぶりにヒッグスを演じるベイカー氏は、「前作のコミュニティが求める理想を超え、さらに高みを目指した」と自信を覗かせます。その自信を裏付けるように、彼の創造性は現場でも採用されました。トレーラーでのヒッグスのセリフ「Same as it ever was(いつの時代もな)」は、リハーサル中のベイカー氏が、トーキング・ヘッズの名曲「Once in a Lifetime」のサビ部分の一節をアドリブで口ずさんだものだそう。著作権の問題でそのままは採用されないだろうと思っていたところ、監督が「これだ!」とベイカー氏の創造性を尊重し即決したというエピソードも。

入場時の小島監督とベイカー氏の熱いハグ

「メタルギア時代から続く小島監督との仕事の魅力は、役者個人の人間性をキャラクターに注入してくれること。大変光栄です」と、元々ミュージシャン志望だった彼に歌う機会を与えてくれた監督への感謝を語ったベイカー氏。演者として自身がモーションキャプチャーを行っている際の滑稽さについて笑いつつも、そこから素晴らしい形でシーンを作り上げる魔法のようなチームのプロセスや、「素晴らしいゲームを作ると言えば、本当にそうしてくれる」と小島監督への絶大な信頼を口にしました。

忽那汐里の初めての挑戦と心を揺さぶる演出

小島監督が役者の個性を引き出す姿勢は、今作では新たに雨を降らせるキャラクター“レイニー”役としてキャストに加わった忽那汐里氏にも向けられています。 今作の全キャストを通して唯一、CGモデル、CGアクター、そして日本語と英語両音声のすべてを忽那氏が担当することになった理由について、「日本の人を出したかった。アジア人をCGで再現するのは非常に難しく限界に挑みたかった」という監督。

イベント中は全て英語で受け答えしていた忽那氏が小島監督に日本語でお礼を伝えるシーン

小島監督は日本語と英語をネイティブに話す俳優を探し、忽那氏にたどり着いたもののアドレスが分からず、女優・菊地凛子氏の紹介で出演の打診へとようやくこぎつけたそうです。

忽那氏は自身のキャラクターのアートワークを見せられながら直接ブリーフィングを受けたとのこと。(ちなみに監督は、仲介した菊地氏から「私には役はないの?」と言われたと明かし、会場の笑いを誘いました。)

忽那氏はゲームは苦手なので『デス・ストランディング2』は友人を呼んでクリアしてもらうつもりだそうです。

初めてのモーションキャプチャー撮影について尋ねられた忽那氏は、「何もかもが初めてでしたが、監督は俳優の気持ちを本当に理解してくれました」と小島監督への全幅の信頼を見せました。特に、撮影中やアフレコ中にWoodkid氏の楽曲を流す演出には深く心を揺さぶられたと語り、「監督のストーリーテリングと音楽が融合した瞬間、感動で何度か泣きそうになりました」とその体験を明かしました。

ゲームと音楽の融合が生む、かつてない没入感

忽那氏も語った感情を揺さぶる音楽。その制作の裏側もまた、本作に込められた思いを物語っています。「映画と同じように、音楽は80%くらい重要です」と語る小島監督。今作では、プレイヤーの感情に強く影響し、没入感を高めるための新たな試みとして、Woodkid氏が手掛けた音楽がリアルタイムに変化する「プロシージャルミュージック」を実装しました。

これは、プレイヤーが走ればドラムロールが鳴り、止まれば静かになる、進むルートによってメロディーやリズムが変わるなど、プレイヤーの行動に合わせて音楽が調整されるシステムです。監督が「オートミュージック」と表現したこの仕組みに、Woodkid氏は膨大な音楽素材を用意し、ゲームエンジンがそれをリアルタイムに再構築するというアプローチで応えました。「オタク的なアプローチで多くを学んだ」とWoodkid氏は振り返ります。

配信で映っていないシーンでもずっとニコニコしていたWoodkid氏

二人のコラボレーションは、前作『DEATH STRANDING DIRECTOR'S CUT』から始まり、コロナ禍中に本格化。日本のコジマプロダクションのオフィスにはWoodkid氏の部屋が用意され、監督が頻繁に立ち寄っては新曲を聴き、一緒にトレーニングやストレッチをするなど、非常に密接な関係で制作は進みました。「朝早くに来て夜までいてくれる、変わった関係ができあがった」と監督は笑いながら回顧します。

2011年から筆者はWoodkid氏のファン。実はこの日少しインタビューできるよとインタビュー40秒前に言われ、突然過ぎてファンボ質問も溢れすぎてしまい辞退してしまったのは永遠に悔やみます…

Woodkid氏は「監督は非常に多くの自由を与えてくれた。私の闇と、監督の闇が繋がった」と、二人のクリエイティブな魂が深く共鳴したことを示唆。通常の制作現場では後回しにされがちな音楽に「CPUのリソースを最優先に与えてくれた」ことにも感謝を述べ、音楽が最初から重要な要素として扱われたことを強調しました。

また、エル・ファニング氏(トゥモロウ役)と歌う「To the Wilder」のバージョンについては、監督からの提案で実現し、「彼女の歌唱が歌詞の意味を大きく変え、本当に素晴らしいバージョンになった」と絶賛しています。Woodkid氏が携わった数々の楽曲『WOODKID FOR DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』は各音楽配信サイトで配信中です。

世界を結んでいく「繋がり」、日本では6月26日にスペシャルイベント開催

『デス・ストランディング2』発売後には東京、パリ、ロンドンなど世界12カ国を巡る「ワールドストランドツアー」や、2025年11月からはオーケストラによるコンサートツアーも計画されており、『DEATH STRANDING 2』がゲームの世界を越えて「繋がり」を広げていく未来が示されました。

イベントの最後に、監督は改めて作品のテーマに立ち返り、感謝を述べました。

配信ではここで途切れていますが、会場ではその後に5分ほど即席サイン会のファンサービスが行われました。

小島監督:『DEATH STRANDING』は繋がりのゲームなんですよね。 2を作る時にコロナになってみなさんもそうですけど大変な思いをして、一人になって未来がどうなるか分からないときに、『DEATH STRANDING 2』を作らないといけないときに、ノーマン(サム役)とかレアさん(フラジャイル役)とかトロイとか1のメンバーが支えてくれました。新たなメンバーのエルさんとか汐里さん、ユアン(Woodkid氏)もそうですけど、新たな繋がりが加わってようやく完成へと至ることができました。
繋がりを表現するゲームではあるんですけど、制作も繋がりを体験し繋がりを追求するために繋がりを辿っていった。 皆さんに遊んでいただいてそこを感じてほしいです。僕ら作り手もリアルな体験をしましたので、その想いが必ず入っていると思います。 皆さんには助けていただいて本当にありがとうございます。 楽しんでください。


『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』は、2025年6月26日にPlayStation 5向けに発売予定です。

《いーさん》
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