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『ほの暮しの庭』で犬と猫は死なない。でも“ヤギ”が……!? ホラー要素を当初隠していた理由は「ユーザーを信頼していたから」など、衝撃走るインタビュー&プレイレポ

農業や建築、釣りに畜産まで楽しめる。『ほの暮しの庭』。一方、夜には恐ろしい存在が村を徘徊します。そんな『ほの暮しの庭』の魅力について、試遊体験と開発者インタビューを通して迫ってみました。

ゲーム プレイレポート
『ほの暮しの庭』で犬と猫は死なない。でも“ヤギ”が……!? ホラー要素を当初隠していた理由は「ユーザーを信頼していたから」など、衝撃走るインタビュー&プレイレポ
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■本当はホラー要素があった!『ほの暮しの庭』開発者インタビュー

──本日は、お忙しいところありがとうございます。そして早速ですが……『ほの暮しの庭』にホラー要素があるじゃないですか! TGSのインタビューでは、「明るくて楽しいゲームです!」と仰っていたのに……(笑)。

溝上侑氏(以下、溝上氏):「明るくて楽しいゲーム」なのは嘘ではないんですよ(笑)。「あんしん暮し」モードで、明るくて楽しいだけのゲームとしても遊べますから。

ただ、ホラー要素を隠していたのは事実です。実は、本作は「ツッコミ待ち」が最初の広報方針だったんですよ。

──なるほど、そういう事情でしたか。とは言え、ユーザーさんの9割は完全に疑ってかかっていましたね。

溝上氏:当時、何を言っても信用されませんでしたね。ちょっと胡散臭すぎたかもしれません(笑)。

──では、『ほの暮しの庭』は、企画段階からホラー要素もありきで立ち上がった、という認識でよろしいのでしょうか。

溝上氏:そうですね。基本的には、『夜廻』に生活シミュレーションが加わっているというコンセプトでしたので、ホラー要素も最初からその予定でした。

──それでも、敢えて当初はホラー要素を隠したというのは、例えばホラーが苦手な人たちにも知ってほしくて、みたいな何らかの意図があったためでしょうか?

溝上氏:最初隠していたのは、ユーザーの皆様を信用していたからなんですよ。我々が作ったものに対して、「絶対に何かあるだろう」と思ってくれるだろうと。

なので、絵柄やクォータービューの画面構成も、わざと『夜廻』に寄せました。その上で「生活シミュレーション」という部分を押し出したら、こちらが期待する反応を見せてくれるに違いない、って。

──ユーザーさんへの信頼があった上での広報展開だったんですね。

勝又美桜氏(以下、勝又氏):狙いとしてはまさにその通りですし、期待以上の反応をいただけました。本当にありがたいばかりです。加えて、先ほど仰られたように、ファームゲームが好きな人にもリーチしていきたい、という気持ちもありました。

最初からホラー要素を全面に出してしまうと、「ちょっと私向けじゃないかな」と感じて、情報を追うのをやめてしまう方もいると思います。私自身がファームゲームユーザーなので、その気持ちも分かります。

ただ、これもなかなか信じてもらえていないのですが、『ほの暮しの庭』のゲームプレイ時間の8割は、ファームゲームなのですよ。ファームゲーム単体として楽しめる「あんしん暮しモード」もありますし、これだけで十分楽しめるゲームになっています。

「ファームゲームが好きな方や、ホラーが苦手な方にもぜひ手に取ってほしい」という想いもあって、最初の頃はホラー要素を隠し気味にしていました。

──より広いユーザー層を意識した情報発信だったわけですね。

勝又氏:そうですね。『夜廻』が好きな人には、敢えて言わなくても伝わると確信していましたし。

──ユーザーさんへの絶大な信頼感が(笑)

勝又氏:はい(笑)。それから、ホラー要素についても公開し始めたのですが、最近ちょっと出しすぎてしまったかなと感じています。

溝上氏:みんなが喜んでくれるからね。

勝又氏:それで、つい調子に乗ってしまって。そのため、そろそろ「ちゃんとファームゲームとしてアピールしないといけない」というターンに入ってきたという感じです。

──それでは、まずファーム関連のお話を聞かせてください。ゲームの進行についてですが、例えば「この作物を育てるとシナリオが進行する」といった、いわゆるフラグ的なトリガーがファーム要素に絡んでいるのでしょうか。

勝又氏:いわゆるお使い的な「これ持ってきてほしいな」みたいなものはありますが、基本的にファームゲーム部分は独立しており、物語の先を見たい人はシナリオを中心に進められるような感じになっています。

ファームゲームの進行度が達してないとシナリオが進行しないというのは、基本的にはほとんどありません。

溝上氏:こうした調整は、敢えて狙っている部分もありまして。本作をプレイされる方は、ファームゲームをやりたい人と、『夜廻』をやりたい人に分かれると考えています。

そのため、「どちらのプレイヤーも、自分のペースで進められるように」という作りにしました。どこかでストップがかかるかもしれませんが、両方に触れつつも、自分が遊びたい要素を重視して楽しめると思います。

──では、ホラー要素とファームゲームのプレイ割合を、プレイヤー自身がある程度決められるという感じですか? 5:5で楽しむもよし、3:7にするもよし、みたいに。

溝上氏:全然できますね。メインシナリオにはやっぱりホラー要素がありますが、スキルツリーやアイテムなど、ホラー要素を回避しやすい手段も用意しています。詳しくは遊んでいただいた時に分かると思いますが、できるだけ避けて通ることも可能な作りになっています。

──では、ホラーが完全にダメという人は「あんしん暮しモード」で、苦手だけど試してみたい方は自分で配分を調整しつつ、がっつり味わいたいという人は肩までどっぷり浸かれるという感じですか。

溝上氏:そうですね。本当に懐が広いように作っていますので、楽しみにしてください。

──ちなみに、怖い要素がまったくない「あんしん暮しモード」で遊んだ場合、ストーリーやエンディングに変化はありますか?

勝又氏:「あんしん暮しモード」は「掟を守るモード」になります。掟を守っていれば、この村ではずっと安全に暮らせるので、つまりエンディングはありません。

──なるほど。

勝又氏:エンドレス農業モードみたいなものですね。最初だけ本編と同じようなシナリオ──いわゆるチュートリアルであったりとか、村人の紹介であったりとか──がちょっと入りまして、あとはエンディングなどなく、エンドレスでファームゲームを楽しめます。

──一般的なスローライフゲームで終わりなく遊ぶ、というのと同じ感覚で遊べるわけですね、「あんしん暮しモード」は。

勝又氏:そうですね。

溝上氏:ちなみに、「ほの暮しモード」にはエンディングがありますが、急にゲームが終わってしまうような形ではありません。「ほの暮しモード」も、クリア後はファームゲームとしてエンドレスに遊べるのでご安心ください。

勝又氏:「あんしん暮しモード」は農業により集中して遊べるモードで、「ほの暮しモード」は全部盛りで遊べるモード、という感じですね。

──『ほの暮しの庭』がファームゲームとしてもしっかり遊べることが、今回のインタビューを通して把握したユーザーさんも多いと思います。続いて、ホラー要素についても教えてください。本作には、どのようなホラー体験が待っていますか?

溝上氏:お化け的な驚かしについては、『夜廻』とほぼほぼ変わらずですね。深夜に村の中を歩くことができ、この時に恐ろしいものたちも徘徊しています。

この点は『夜廻』と近い作りになっていますが、今回はお化けが毎晩違うコンセプトで出てきます。場所は同じ村ですが、違うお化けが出てくるので、そういったところも楽しみにしていただければと思います。

あとは、やはりシナリオ面ですね。まだ詳しくは明かせませんが、『夜廻』ファンはもちろん、ファームユーザーにも受け入れてもらえるような塩梅で作っています。

勝又氏:ちなみに、溝上がシナリオを書いています。私も実際にプレイしたところ、非常に面白く仕上がっていると感じました。

村人たちの様子であったり、時折にじみ出る違和感であったりとか、普通のほのぼのしたファームゲームでは味わえない「疑心暗鬼」みたいな部分が、独特のプレイ感に繋がっていると思います。

溝上氏:不穏さ、みたいなね。ゲーム自体のコンセプトも「不穏」を意識しました。

直接的な「ホラーです!」という感じではなく、不穏という表現がまさに合うような雰囲気になっています。「バッと出てきて怖い!」みたいな感じではなく、不穏、もしくは不安体験とでも言うような。

──先ほどプレイさせていただいたので、非常に良く分かります。

勝又氏:違和感や不穏さがしっかり味わえるシナリオになっており、社内でも評判がとても良くて。続きが気になるタイプのシナリオなので、これはぜひ直接味わってほしいですね。

溝上氏:もしよければ、ホラーが苦手な人にもね。

──本作には、日常のすぐ隣に異質な存在がいるという、「正体不明の怖さ」がありますよね。

溝上氏:そうですね。生活シミュレーションという日常の中に異質な存在がいて、時折その片鱗が顔を出します。ゲーム体験でいうと、緊張と緩和が明確に分かれてるゲームですね。

基本的には生活シミュレーションなので、その日常を楽しみつつ過ごしますが、忘れた頃に冷や水を浴びせてくるみたいな。

勝又氏:生活シミュレーションなんですけど、「あ、そうだ! 私が住んでいたのは、なんかよくわからない田舎だった!」みたいに、ゲーム側がちょこちょこ思い出させてくる感じです。

溝上氏:思い出させるっていうのは、本作の特徴かなと思います。絶妙な緊張と緩和が、全体に的確に散りばめられているゲームです。

──不穏さの一因を担っているのは、やはり「村の掟」だと思います。この掟は、本作において重要な鍵を握る要素でしょうか。

溝上氏:掟については、プレイして実際に触れてもらうのが一番なので、言及は避けておきます。ただ、この彼ヶ津村に昔から伝わっているものなので、やっぱりただの掟ではありませんよね。

勝又氏:ちゃんと目的があり、きちんと守る意味のある掟です。

──「村の掟」の先にどんな物語が待っているのか、製品版を楽しみにしています。

溝上氏:ぜひお待ちください。

勝又氏:よろしくお願いいたします。

──あと最後に、これだけは言わせてください。以前、『ほの暮し』公式Xで「犬と猫は死なない」と告知して、話題になりましたよね。

溝上氏:はい、おかげさまで多くの人にご注目いただけました。

──今回、本作の一部を遊ばせていただきましたが……ヤギが、死んでますよね! 間違いなく!

溝上氏:あれは仕方ありませんよね。ですが、犬と猫は死んでいません。何も嘘はついておりませんよ?(にっこり)

──確かに、嘘ではありませんが……!

勝又氏:あのヤギは、プレイヤーにとって損なヤギではありませんから(ふふっ)。

──今はただ、製品版でこれ以上の悲劇が起こらないことを祈るばかりです……本日はありがとうございました!


ニンテンドースイッチ/スイッチ2/PS5/Steam/Windowsソフト『ほの暮しの庭』は、2026年7月30日発売予定。価格は、スイッチNSW版のみ7,920円(税込)、ほかは全て9,020円(税込)です。

(C)2026 Nippon Ichi Software, Inc.


ほの暮しの庭 -PS5 【早期特典】切り取れるクリアカード 同梱
¥7,316
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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