9月17日からビジネスデイを含め5日間にわたって開催されている「東京ゲームショウ 2026」。その会場はマウスコンピューターのブースにて、「マタギスナイパーズ シニア世代が語るeスポーツの未来」という面白いテーマのステージイベントが開催されました。
今回の記事ではそのイベントの様子を、シニアeスポーツチームならではのリアルな実情も交えながらお伝えしていこうと思います!

ステージには、株式会社マウスコンピューター取締役法人営業本部本部長の金子覚氏(以下金子氏)、株式会社エスツー マタギスナイパーズ チーム運営責任者の土門悠氏(以下土門氏)、マタギスナイパーズ所属選手のmark25氏(70歳)とNAGI氏(66歳)、そして一般社団法人秋田県eスポーツ連合事務局長の緒方無双氏(以下緒方氏)、ゲームキャスターの海老江邦敬氏の6名が登壇しました。
ステージではまず、チーム設立の経緯について土門氏より説明が行われました。

「秋田県は少子高齢化が日本で一番進んでいる県です。高齢者が多いことを逆手にとって、高齢者が生き生きとしたら街が盛り上がってくんじゃないかと。さらに秋田にはマタギ文化があるので、シューティングゲームに挑戦して『マタギスナイパーズ』だ、そういうところから始まりました」とのこと。
最初は記者会見を行い、地元メディアに取り上げられたことで募集が集まったといいます。しかし、初期メンバーはPCゲーム未経験かつPCの使い方もわからない人ばかり。
土門氏は、「まずはパソコン教室からスタートしました。シャットダウンの仕方や(デバイスの物理的な)コードの扱い方など、1つずつ丁寧に時間をかけてやっていきました」と、立ち上げ当初の苦労を語りました。
さらに、多くのチームが課題とする資金面についても、運営元であるエスツーの事業の一環として行うことで社員が担当し人件費を抑え、自社ビルの1階を活用して場所代を節約、デバイスの提供も受けることでミニマムスタートを実現しているという裏側も明かされました。
「選手が頑張ることでファンの気持ちが動く。PRをやると言っても選手ががんばってなければ意味がない。いずれスポンサーに還元できるようになりたい」との展望も語られました。
続いて、実際に平日5日間オンラインで練習に励んでいる選手のお二人に話が及びました。

70歳のmark25氏は、同世代からは機械やゲームに対する抵抗感からマイナスな反応を受けることもあるものの、昔の会社の後輩などからは応援されているとのこと。もともとPCをいじるのは趣味だったもののネットワークには詳しくなく、「ゲームをはじめてネットワーク技術の進歩に触れられて嬉しい」と語りました。
週5日の練習モチベーションについて問われると、 「5人対戦のFPSに取り組んでいますが、キャラコンや基本の動かし方が難しい。5年経っても全然ランクが上がっていません。ただ、相手も人間なので毎回ゲーム内容が変わるのが面白い。次は頑張るぞ、というモチベがわきやすく、いかに勝つかを常に考えているのがモチベーションです」と、いちゲーマーとしての熱量をのぞかせました。
一方で、シニアならではの切実な課題も。 「老眼が課題です。だんだん目がかすんできたりもするので、サプリを飲んだり、メガネの上からルーペをつけています。年を経るごとに(パフォーマンスの維持が)難しくなっています」という驚きの発言も。

66歳のNAGI氏は、秋田出身の家族から地元での活動を非常に応援されているそうです。
「毎日、家事を効率よく終わらせて時間を作っています。私の人生の宝物のような時間です」と語りました。
また、(チームでの活動は)ゲームのプレイだけでなく、「みんなでコンピュータの悩みについてオンラインで相談して解決できる環境にもなっているのが嬉しい」とのこと。SNSの投稿がバズって注目を受けたことにも触れ、緊張感ある毎日を過ごせることに感謝していると笑顔を見せました。

秋田県eスポーツ連合の緒方氏は、地域でeスポーツを支える立場から 「Eスポーツのイベントは黒字になるのが難しい。継続化して長い目でやっていくのが重要です」とコメント。
まずはパソコン5台ほどの小さな「eスポーツトレーニングセンター」を作り、コミュニティを形成してから大きなイベントへ繋げていったそうです。
興味深かったのはイベントの問い合わせの中に、「子供がオンラインで知らない人とゲームしてて怖い。知ってる人を紹介してくれないか」という親御さんからの相談があったというお話。eスポーツが人と人を繋げるコミュニティのハブとして機能していることがよく分かります。

最後に、デバイスを提供するマウスコンピューターの金子氏は、「もともと野球小僧なのでスポーツを応援するのは好きです。PCを買ってもらうのが最大の目的ではありますが、目線の問題があります。大会をやるのでPCをタダで貸してほしいというような要望に対しては、(長期的な目線で見てPCゲームの普及に役立つため)JeSUと連携して対応しています」と、メーカー側からのサポート体制について語りました。


なお、金子氏いわく、マウスコンピューターのPCは2026年現在、eスポーツスタジアムや商業施設、学校などへ、ゲーミング用途だけでなく、施設のやりたいことや予算に合わせた多彩なラインナップで広く導入されているとのことです。
年齢の壁や老眼というハードルを乗り越え、純粋にゲームを楽しむマタギスナイパーズの選手たちと、それを支える運営やメーカーの視点を感じられ、東京ゲームショウらしい意義のあるステージだったと感じました。
我々ゲーマーもいずれ老いていく身ではあるので、他人事ではありませんね……!













