米国小児科学会(American Academy of Pediatrics)は、ゲームソフトのレーティングがゲームを魅力的にするとする調査結果を発表しました。
オランダの7-8歳、12-13歳、16-17歳の男女に架空のゲームの解説文を見せてどれを選ぶかチェックしたところ、レーティングの高いものと暴力要素があるものが多く選ばれたとのこと。禁じられると魅力的に見える「禁断の果実」効果であるとしています。
この調査では、7-8歳の女児でさえ、高レーティング+暴力要素のあるゲームを選んだといいます。年齢の低いプレイヤーに遊ばせないように高いレーティングが付けられる訳ですが、高いレーティングほど魅力的だというのであれば、年齢制限に意味はあるのでしょうか。
もちろん、年齢制限に意味はあります。適切に用いられるなら、年齢にふさわしくない内容を見てしまうことを防げます。ここで必要になるのは親の協力です。マイクロソフトはペアレンタルコントロールを推進する「Play Smart, Play Safe」キャンペーンを展開。年齢制限に関する意識調査を行いました。ペアレンタルコントロールの必要性を認める両親は73%。しかしながら両親の47%は子供のゲーム選びに無関心だという結果が出ています。レーティングを付けても、両親が無関心であれば子供はどんどん高レーティングのゲームを遊んでしまいます。例え禁じても、コッソリ買ってきて遊んでしまうのはままあることです。ここで本当に大切なのは、両親が子供に向ける「あなたのことを見ていますよ」という視線なのではないでしょうか。
近年のニンテンドーDSでは、両親の視線が届きにくい場所が生まれてしまっています。不法ダウンロードしたゲームをマジコンで遊ぶというケースです。ゲームというのは子供にとって決して安いものではありませんし、パッケージやマニュアルと言った物理的な証拠も残りますから、両親が高レーティングのゲームをチェックすることも不可能ではありません。しかし不法ダウンロードは金銭的な制約もありませんしパッケージも残りません。不法ダウンロードしたゲームを隠す場所はPCの中にいくらでもあります。事実、韓国では不法ダウンロードされた『どきどき魔女神判!』を小学生が遊んでいたと言うことで問題となりました。『Grand Theft Auto: Chinatown Wars』や『C.O.R.E.』などニンテンドーDSにも高レーティングのゲームが増えつつある現在、これは大きな問題でしょう。
NOAの対海賊行為シニアディレクターのJodi Daugherty氏は、子供が不正コピーに手を染めている場合、両親が注意することも重要であると家庭内のモラルの大切さを語っています。マジコンへの対策は、不正コピー問題だけでなく、レーティング問題という意味でも推進されるべきものではないでしょうか。
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