さらにその後はTHQと組んで開発を担当したDSソフト『Worms: Open Warfare 2』が2007年に発売され、2008年にはTGFと組んだWiiソフト『Rubik's Puzzle World』が発売されました。こちはミニゲームを豊富に作る必要があって、なかなか大変でしたね。ただ、これらのソフトはすべて開発を業務委託されて作ったものですし、この頃は会社の経営も厳しい状態にありましたから次のプロジェクトはどうすればいいか、自分のゲームを作れないと将来はもっと厳しいのではないかという思いは常に念頭にありました。
―――『TOKI TORI』以降、オリジナルはなかなか作れない期間が続いたんですね。
Martijn:『TOKI TORI』の10周年も見えてきた頃合でしたので、それを見すえて他のプラットフォームでも出していこうと。まずはXbox 360で移植版を出したいと思っていたのですが、そんな折、WiiでWiiWareが始まることになりましたので予定を変更してWiiWare版をリリースしました。その後、Wii Uが発売されるときにもそのロンチにあわせて『TOKI TORI』の移植と、続編となる『TOKI TORI 2』をリリースしました。
Collin van Ginkel:家庭用ゲーム機にかぎった話ではないですが、ちょうどWiiWareあたりから、パッケージソフトを作らなくてよくなったのはいいことでしたね。(諸経費が浮く分)自分たちが作りたいソフトを作りやすくなりました。やっぱりその方が楽しいですから。2011年にiOSでリリースした『Swords & Soldiers』もそうした思いから生まれた一本です。
『TOKI TORI 2』は思っていたより難攻してしまいました。開発費、開発期間……諸々が想定以上で。でもその分、クオリティが高く楽しめるゲームにできました。プレイしていただくと分かるのですが、この作品は操作がとても簡単です。スティックによる移動と、歌う、ジャンプという2つのアクションだけですから。ですがパズル的な要素には力を入れていて、これだけでさまざまなアクションを起こせるようになっています。たとえば、歌って他の動物の注意を引いて側まできてもらって、その上でジャンプして(着地の振動で驚かせて)口から中に入って移動できるシャボン玉を吐いてもらうとかね。簡単な操作でさまざまなアクションを起こせる。この楽しさを徹底的に追求しました。
Martijn:『TOKI TORI 2』の開発時は今思えばどうでもいいことまで「ここはどうするのがベストなのか」と1日かけて考えてしまったりしていましたからね……(笑)。新作の『RIVE』を楽しみにしていてください!
―――最近買ったばかりのWii U『TOKI TORI 2』を遊びながら待ちたいと思います。本日はありがとうございました。
今回のインタビューで話に挙がったWii Uダウンロードソフト『TOKI TORI 2』は、国内では『TOKI TORI 2+ 秘められた謎と不思議な島』というタイトルで配信されています。基本はシンプルな横スクロールのアクションパズルなのですが、時間制限がなかったり、協力をしてくれる動物たちはいても戦うべき敵はいないという、まったり・のんびりした魅力が持ち味の一本です。