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パブリッシャーシステムから作家性中心への移行の予兆、そして大規模口コミ・ジェネレータが際立ったE3 2015・・・中村彰憲「ゲームビジネス新潮流」第36回

筆者は今年、米国ロサンゼルスで6月16日~18日に開催された世界最大のビデオゲーム見本市、E3 2015に参加する機会に恵まれました。そこで今回のコラムでは、今回のE3の特徴とそこから示唆されたこれからの潮流について筆者なりの視点で言及していきます。

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『Star Wars Battle Front』に見る口コミ作りへの巨大投資



更に今回のE3で一番驚いたのが、口コミ作りへのただならぬ投資です。一般参加者の情報発信に基づく口コミの広がりというのは非常に重視されるようになったのは誰もが実感していることだと思いますが、E3などを含む国際展示会は、口コミを広げる絶好のチャンス。とはいっても、これまではスペシャルゲストを登場させる、特典を配布する、ゲームキャラクターの特大オブジェを配置といったことが主だったような気がします。

ですが今年のE3では、エレクトロニック・アーツが、自社ブースならびに会場前のパーキングに『Star Wars: Battle Front』の特別ブースを設置。ブースだけならこれまでもよくあるのですが、そこには長い行列が。行列の先にはXウィングのコクピットが設置してあり、その前にはカメラが。てっきりそこで記念撮影をしているのかと思いきや、その後ろにはグリーンバックが設置。スタッフの指示で観客がXウィングに搭乗し、指示にあわせ顔を動かしたりしています。実はその場で映像を撮影し、ゲームの1シーンを合成。あっという間に反乱軍によるタトウィーン上の空中バトルシーンの出来上がりというわけです。



更に完成した映像をYouTubeにアップし、その数時間後には登録先にメールアドレスに送付しています。会場には、映像編集ソフトが搭載されているPCが何台も設置され、そこには映像編集マンが待機。即座に短編をつくりあげていたのです。以下は、筆者が搭乗したものですが、『Star Wars: Battle Front』のシーンを組み込むことで実際の映画とほぼ遜色無いレベルのシーンへと昇華されています。奇しくも小学校時代から思い描いていた反乱軍のパイロットになるという夢がここで果たされたのです!



ここまでややれれば、シェアしたいと思ってしまうもの。つまり絶対に参加者がシェアしたいと思うような経験をさせるような仕組みを力技で作っているわけです。私が確認する限り、6月26日の段階で全体で18万ビュー以上はカウントされており、視聴者数が最も高いのは25000ビュー近くになっています。一般の人としては、かなり高い視聴数と言えるでしょう。なぜ、一部の人の視聴者数がそこまで増えるかについては今後もうすこし調べてみたいと思います。

今回は題材がスターウォーズだったということもあり口コミづくりはやり易かったと言えるでしょう。少なくともエレクトロニック・アーツはここでの経験やここから得られる分析結果で更にこの取組をシステム化していくことでしょう。もちろん他社もこの取組が成功につながるかを見守っています。いずれにしても口コミを誘導する仕組みは来年のE3においても更に発展することでしょう。
《中村彰憲》
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