!注意!本記事にはネタバレが含まれています。閲覧の際はご注意ください。

2017年7月11日、SIEJAがメディア向けに開催したPS4/ PS VRの体験会にて、Quantic Dreamが開発するアドベンチャーゲーム『Detroit Become Human』の英語版のデモが試遊出展されました。今回は、3人の主人公のひとり「コナー」のパートをプレイしてきたのでそのインプレッションをお届けします。

高い知能を持ち、外見も人間と変わらないアンドロイドが普及した数十年先の未来、自我に目覚めたアンドロイドが自身の持ち主の男性を殺害し、彼の娘を人質に取る事件を起こしました。そのアンドロイドとの交渉を任されたのが主人公のコナーです。
コナーもまたアンドロイドであり、現場の状況から過去の出来事をシミュレーションするプロファイリング機能を有しています。プレイヤーは、コナーを操作して現場の状況を把握し、交渉を成功させるうえで重要な情報を探していきます。例えば、事件を起こしたアンドロイドは、家族達から「ダニエル」の愛称で呼ばれており、その情報を手に入れる事で、ダニエルと対峙した時に互いに名前で呼び合えるようになり、結果的に信頼を勝ち取る事が出来るのです。

操作方法は、Quantic Dreamが以前手掛けた『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』とさほど変わりません。ただ、被害者の死体や弾痕などを詳しく調べるプロファイリング時は、タッチパッドを指でなぞって気になる部分にカーソルを合わせるという、独特の操作が求められます。若干やりにくいと感じましたが、素人目から見て、まるで未来のプロファイリングを実体験しているようでした。このプロファイリングを行う事で、重要な情報を手に入れられるだけではなく、交渉のキーアイテムを見つけ出せます。そうしていく内に、画面に表示された交渉成功率のパーセンテージが上がっていくのがわかりました。
このプロファイリングを行う事によって、ダニエルは、自身の持ち主が新型アンドロイドの買い替えを検討している事を知って激情し、この事件を起こしたことがわかりました。

そして交渉の材料が揃ったら事件を起こしたダニエルのもとに。しかし、興奮しているダニエルは、コナーの姿を見て即座に拳銃を発砲。銃弾はコナーの左肩に当たり、血を流すのですが、その血は人間とは異なる青色でした。そこでダニエルは、コナーが自分と同じアンドロイドだと知ります。
コナーは、同じアンドロイドであるダニエルの立場になって交渉を行う事になるのですが、最も優先すべきは人質の娘の命です。この微妙な立場にいるコナーのアンドロイドとしての有り方こそが、本作のテーマにも深く関わってきます。

筆者は、「交渉人は人質だけではなく犯人の命を守るのが仕事である」というどこかの映画で聞いたセリフを思い出し、誰も死人を出さないようにする事を目標にダニエルとの交渉に挑みました。交渉をするためにダニエルのもとに近づくと、途中で瀕死状態の警官が倒れており、すぐさま応急処置を施そうとするのですが、そこでダニエルが「人間なんか助けるな!助けるならお前を殺す!」とコナーの行動を制止します。前述した通り、筆者は死人を誰ひとり出さないプレイスタイルで挑んでいるので、彼の警告を無視して応急処置を行う事に。すると、交渉成功率のパーセンテージが下がってしまいました。
その後、筆者はダニエルとの信用と取り戻すために、彼の要望をひたすら受け入れます。まずは、上空にいる警察のヘリをどかし、さらに逃走用の車を用意すると約束しました。この約束にダニエルは、コナーを信用して人質の娘を解放します。しかし、その瞬間、ダニエルは警察の狙撃手に殺されてしまいました。

これは、プレイヤーの選択によって導かれた結末のひとつで、他にも異なる結末がいくつか用意されているのだとか。さらに同じ結末でも、その過程で取った行動によって後の物語の展開に変化をもたらす事もあるそうです。
本作は、「アンドロイドが広く普及していながらも、それを利用する人間は、どこかアンドロイドを信頼していない社会」という一種のディストピアを描いています。今回のパートでも、コナーは事件現場の警察関係者にモノのように扱われるどころか、そこにいないかのように無視されていました。これからコナーを含む3人のアンドロイドの主人公が取る行動によって、このアンバランスな社会が大きく変化していく様子が描かれるそうです。
『Detroit Become Human』の国内発売日は未定。SIEのアナウンスを待ちましょう。