
7月10日、新作アクションゲーム『Bloodstained:Curse of the Moon2』がPS4/Switch/Xbox One/Steamにて発売されました。本作は2018年にインティ・クリエイツが開発した『Bloodstained:Curse of the Moon』の続編にあたる、古き良き8bit風のレトロアクションです。
本作を手がけたメインプロデューサーは『悪魔城ドラキュラ』シリーズでおなじみのIGA氏。"メトロイドヴァニア”と呼ばれるゲームの生みの親の一人としてファンから熱烈な支持を受けている凄腕ゲームクリエイターです。

さて、ここ数年でよく耳にする"メトロイドヴァニア"という言葉。「正直どういうゲームのことを指すのかよくわからない……」と思う方もいることでしょう。
いわゆる2D横スクロール探索型アクションゲームのことで、広大なマップを探索し、重要なアイテムや新しい道を見つけて行動範囲を広げていくゲームです。1986年に任天堂より発売された『メトロイド』と、同年コナミから発売された『キャッスルヴァニア(悪魔城ドラキュラシリーズの英語名)』のような”探索”がメインのアクションゲームを現すジャンルとして、海外で作られた造語です。
この記事では筆者がおすすめするメトロイドヴァニア作品を5つ紹介します。PS4やSwitch以外で遊べる作品もありますので、興味のあるゲームがあればチェックしてくださいね。
『Hollow Knight』

近年発売されたメトロイドヴァニアの中では、知名度も評価も断トツの高さを誇る作品。それが『Hollow Knight』です。オーストラリアのデベロッパTeam Cherryが開発したPS4/Switch/Xbox one/steam向けアクションゲームで、幻想的でダークな世界観が広がる本作。”死にゲー”として有名な『ダークソウル』の要素も取り入れた歯応えのある難易度設定は、アクションゲームをやりこんでいるという方にもぜひ遊んでほしいタイトルです。

本作の舞台となるのは虫の王国「ハロウネスト」。かつては栄えていた都も今ではほとんどが廃墟と化し、地下の暗闇にひっそりと横たわっています。主人公はこの国に起きた謎を解き明かすため、導かれるようにハロウネストへと足を踏み入れます。
このゲームにはたくさんの”虫”が出てくるのですが、主人公をはじめとした多くの虫たちはどこか愛らしいフォルムをしているので、昆虫が苦手という方でも楽しんでプレイしていただけるのではないでしょうか。ただし土台がゴシックな世界観というだけに、ある程度クセの強い表現はご愛嬌。とはいえ作品全体に漂う儚さや美しさを損なうほど過激なものではなく、この幻想的でダークな世界を彩るアクセントの一つとして機能しているにすぎません。
本作の映像表現力の高さには目を見張るものがあり、月夜に佇む廃墟や植物の生い茂る樹海を、主人公の”虫”が駆け抜けるその蠱惑的な情景にはたまらず溜息をもらしてしまうほど。またビジュアルに花を添える音楽の完成度も素晴らしく、もはやひとつのアート作品といえるゲームです。


”アクションゲーム”というエンタメ部分に目を向けても一級品のでき栄えです。チャームと呼ばれる特殊効果アイテムや、回復や射撃攻撃にあてられる「ソウル」システムは、戦闘をより濃厚で戦略的なものに変化させます。そしてなにより、ゲームの王道展開ともいえるライバルの出現という熱いイベントが用意されており、プレイヤーの心を燃えたぎらせます。


彼女の名はホーネット。かなりのツワモノです。序盤で主人公の前に姿を現し、互いに剣を交えることになるのですが、筆者は何回もこてんぱんにされました。作中でホーネットと主人公が今後どのような形で関わることになるのか……それはあなた自身の目で確かめてみてください。
ちなみに現在開発中の続編『Hollow Knight: Silksong』では主人公がホーネットに交代するそうです。気になる方は公式からの情報を見逃さないようにしましょう。
『Dandara』
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『Dandara』は2018年に配信された、Long Hat House開発のPS4/Switch/Xbox one/PC/スマートフォン向けスタイリッシュ・メトロイドヴァニアです。圧制者に支配された世界「ソルト」を救うべく眠りから目覚めた一人の女性戦士ダンダラの活躍を描いた本作は、ゲーム性・世界観ともに21世紀のメトロイドヴァニアを代表する作品のひとつになることでしょう。

本作の鍵となるのが「重力」。主人公ダンダラは重力に逆らう特別な力を秘めていて、床や壁、天井を高速で飛び跳ねながらマップを進んでいきます。最初は操作に少し困惑しますが、だんだんこの斬新な移動方法に病み付きになります。敵の攻撃をジャンプでかわし、天井からエネルギー弾をぶち込む爽快感は他のゲームでなかなか味わえるものではありません。


行動範囲が広がることで新たな特殊攻撃が使えるようになり、自分の好みに合った技を駆使して敵やボスとの戦闘に臨めます。特に本作におけるボス戦は個人的に好きで、抽象的でよくわからない見た目のボスの周りを高速で動き回りながら攻略していくのが楽しく、一度では飽き足らず倒したあともリトライするほど熱中しました。ボスとの戦闘を盛り上げるBGMも非常にクールでスタイリッシュです。


斬新なアクションや白熱したボス戦もさることながら、本作が独特の魅力を貫いている理由はそれだけではありません。開発国ブラジルの民話が下地となった土着的な要素と、色彩豊かでモダンなピクセルアートが見事に絡み合い、それらが芸術的なバランス感覚で作品に落とし込まれているからこそ、世界中のメトロイドヴァニア・フリークを惹きつけるのでしょう。重力からも、圧制者の支配からも自由に解き放たれて、この広い世界を縦横無尽に駆け巡ってみてはいかがでしょうか。


『スチームワールドディグ』
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PS4/Switch/Xbox one/PC/3DS/PS Vita/Wii Uと多様なハード向けにリリースされているこのゲーム、一言で表現するなら「穴堀りゲー」です。スウェーデンのImage&Formが2013年に開発した本作は、スチームパンクと西部劇風の世界観を組み合わせた面白い方向性を採用しており、登場キャラクターは人間ではなく全員ロボットというユニークな試み。
叔父が遺した鉱山を譲り受けることになった、ロボットの主人公ラスティ。モンスターやゾンビが徘徊する危険な鉱山に単身飛び込み、色々な謎を解き明かしながら、お宝を掘り出して町を復興させるというストーリーです。

さながらゴールドラッシュ時代を彷彿とさせるロマン溢れる設定に、少年の心がいつまでも忘れられない筆者は、遊びながら終始わくわくです。まずこのゲーム、マップのほとんどがブロックで埋め尽くされている未開拓状態。プレイヤーはツルハシを振り下ろしながら道なき道を掘り進めていくわけですが、この"手探り感"がたまりません。
「さて、どこから堀ろうか」と舌舐めずりをしながら適当に決めたルートで、ざくざく宝物を掘り出せることも。それを街に持ち帰ってアイテムや武器に変え、再び未知なる鉱山に舞い戻る――この一連の流れが、ハマりにハマるのです。


一見地味とも捉えられるシンプルなゲームですが、これに緩急をつけている香辛料的な存在として、時間経過とともに消える明かりと突然現れるモンスターがあります。一定時間鉱山に滞在していると主人公の周りを照らす明かりが徐々に消える仕様になっていて、発掘に没頭していたら辺りが真っ暗!なんてことも多々あります。
暗闇の鉱山は危険です。迷わず街に戻りましょう。なぜなら闇に侵食されたマップはどこにモンスターが潜んでいるかわからないからです。無謀にも先へ進もうとすれば、凶暴な芋虫に襲われたり、はたまたダイナマイトを抱えたゾンビや猛毒薬を投げつけてくる大男の餌食にされるかもしれません。鉱山を探検するときはあくまで安全第一を心がけましょう。



本作はスチームパンクの要素も備わっているので、蒸気を使った様々な特殊技能が使えるようになります。特に水蒸気を利用した大ジャンプはあらゆる場面でプレイヤーの助けとなること間違いなし。
この技を使用するには動力となる「水」が必要です。鉱山にはあらゆる場所に水溜りがあるので、見つけ次第補給していきましょう。ゲームを進めていくと、ステーションと呼ばれる機械が彼の前に姿を現します。その機械で特殊技能を会得できるので、ラスティをどんどんアップグレードさせ、素敵な発掘ライフを送りましょう。

次ページでは押さえておきたいメトロイドヴァニアの名作と、のどかな雰囲気の異色作を紹介します!