
◆お願い家に帰らせて!『ロマサガ2』七英雄
1993年にスーパーファミコンで発売された『ロマンシング サガ2』のラスボスである七英雄は、決戦を挑まんとする最終皇帝の命を絡めとる罠を用意して待ち構えていました。メタ的な意味で。
古代人と呼ばれる人々が暮らしていたはるか古の時代、同胞を救うために命をかけて魔物と戦った7人の若者がいました。しかし、魔物たちの力をその身に取り込む行為が忌避され、やがて若者たちは異次元へ追放されてしまいます。
彼らがあまりにも長い年月を経て元の世界にようやく帰還したときはすでに古代人たちの姿はなく、代わりに短命種である人間が繁栄していた…というのが本作の根底に横たわるストーリーです。七英雄と呼ばれつつも人にあだなす存在となってしまった彼らを討って世界に平穏をもたらすのが、プレイヤーが操るバレンヌ帝国歴代皇帝の悲願です。

皇帝の世代交代、伝承法による力の継承を繰り返してラストダンジョンの最深部まで進むと、そこで七英雄の本体との最終決戦が待っています。そして本作はどこでもセーブできるシステムでしたので、七英雄の目前で少なくない人がセーブをしたことでしょう。しかし、それこそが「罠」でした。
最終皇帝が「ここから先は引き返せないぞ」と言葉を発したポイントよりもさらに奥に進むと「逃がさん…お前だけは……」という七英雄の言葉とともにその場を離れられなくなってしまうのです。ここでセーブしてしまったら、残された道は二つしかありません。勝って大団円を迎えるか、負けて最初からゲームをやり直すか、です。
しかし、七英雄の本体は1ターンに最大で7回攻撃をしてくる圧倒的な強さを持っており、なかなか初見で勝てる相手ではありません。本作は間違いなく名作だと思っていますが、これはツラい仕様でした。
鉄板の攻略法は、唱えると敵のターンを丸々すっ飛ばして文字通りに「ずっと俺のターン!」ができる術法クイックタイムを毎ターン使用し、その間にダメージを与え続けて一気にアドバンテージを取るというものでした。また、強力な攻撃への対策をきちんと取っておけば、クイックタイムに頼らず正攻法でも倒せます。
本作はPS4、Xbox One、スイッチ、PC(Steam)でリマスター版が配信中で、今も気軽に遊べる環境が整っています。筆者もかつてクイックタイムによる力押しでなんとか勝利した1人ですので、正攻法で戦いなおしたいなと思っています。