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幾重にも派生し広がるクエストの数々…アイコニックなカスタマイズ…途方もない物量…『Starfield』の素晴らしき世界【レビュー】

珠玉の名作といえる『Starfield』レビューをお送りいたします。

ゲーム 特集
幾重にも派生し広がるクエストの数々…アイコニックなカスタマイズ…途方もない物量…『Starfield』の素晴らしき世界【レビュー】
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さて、全世界が注目していた『Starfield』発売からいくらか日が経ちました。今こそレビューをするとき、ということで本稿を執筆いたします。まずはゲームのレビュー以前に『Starfield』がいかにスゴいゲームなのかを読者のみなさまにご紹介していきましょう。先に結論から申し上げれば本作は傑作です。その裏付けというほどの関連があるかはさておき、9月21日時点で1000万人を超えるユーザーが本作をプレイしている世界的なヒット作であることもお知らせしておきます。


ベセスダ・ソフトワークス史上最大のスケールを誇る『Starfield』

『Starfield』は2023年9月6日にベセスダ・ソフトワークス(以降、ベセスダ)からリリースされたオープンワールドRPG。戦闘システムはシューターで、宇宙を舞台にしているのが特徴です。なにより特徴的なのはベセスダ・ソフトワークス25年ぶりの新規IPであるという点。これまで同スタジオは『Fallout』シリーズのリブートや『The Elder Scrolls V: Skyrim』に代表される『The Elder Scrolls』シリーズを展開してきました。それが25年ぶりにまったくのシリーズものではない新規IPとして『Starfield』をリリースしたのです。

本作の「DIGITAL PREMIUM EDITION」に付属する「Starfield Digital Artbook & Original Soundtrack」によれば、構想自体は10年近く前からあったようで「最初のコンセプトイメージを制作したのが2013年」だそうです。その間に『Fallout 4』(2015年11月10日リリース)や『DOOM』シリーズのリブートを始め数多くの作品がリリースされていることから、同スタジオがいかに忍耐強く開発を続けてきたのかが推し量れるでしょう。

インベントリUIを改良する「STAR UI」

また、ゲームを改良、改造する「Mod」のサポートを明言するアップデートが、2023年09月13日(水)に行われました。これは『Starfield』にとって初のアップデートで行われたことなので意義深いです。なおオススメModのご紹介も、機会をあらためて行いたいと思いますのでご笑覧くだされば幸いです。それでは本作のゲーム内の特徴に移りましょう。なお、レビューにあたっての操作はマウス・キーボード操作を前提としております。

幾重にも派生し広がるクエストの数々は思わず語り合いたくなるおもしろさ

『Starfield』のストーリーは、採掘会社に勤めていた主人公がその作業の途中で見つけた謎の金属に触れた際に幻視を見て、正体を探るために「コンステレーション」なる組織に入ることから幕を開けます。その金属は「アーティファクト」と呼ばれる代物だったことが判明し、主人公はアーティファクト集めとその正体を探るために東奔西走するのが物語の主軸となります。

物語を進めるためのメインクエストに絞って進めていても派生クエストがドンドン発生します。派生クエストからまたあらたなクエストに……と、際限はどこにあるんだと言いたくなるほどクエストは多いです。豊富というレベルじゃなく、もっと大きな言葉で表現すべき量がユーザーを待っています。そして、どのクエストを進めるかの裁量はプレイヤーに委ねられているわけですが、この自由度は素直に褒めたい点です。なぜなら、必然的に「プレイヤーそれぞれ本作を通じて違う体験」をできるからです。きっと他のプレイヤーと談話する際にも、その違いを楽しめることでしょう

宇宙を舞台とした世界はかなり広めで、有人星系のみに絞っても広大なのに、探検できる星々がランダム生成されて1000を越えるスケールで展開されます。有人星系ではサブクエストに「勢力クエスト」が存在していますが、従来のベセスダ作品でいうところのギルドクエストと同じ位置づけです。その勢力クエストも、クリア時間が20時間弱にもおよぶなどボリュームたっぷりで出迎えてくれます。勢力クエスト「自由恒星レンジャー」クエストなんかも宇宙のガンマンスタイルで進むので胸をくすぐられますし、「バンガード」に至っては有人星系の陰謀に挑むことになります。

その他のサブクエストも豊富で魅力的です。たとえば「レッドマイルレース」では単身鉄人レースに参加することになりますし、「マンティス」では3つのレジェンダリー装備を手にすることができ、伝説のマンティスの宇宙船も手に入ります。これによって「無法者と宇宙で出会ったときに無法者が逃げ出していくこと」が起き、なかなかに愉快です。それでもここでは語りつくすことができないほどバラエティ豊かなクエストが準備されているので楽しめることでしょう。

ベセスダ・ソフトワークスのアイコニックなカスタマイズ要素はより進化を遂げている

ゲーム開始時のキャラクタークリエイションも進化しており、より直感的にキャラクターの造形を決められるほか、キャラクターの「背景」となる情報を付与できます。たとえばテックに強いサイバーランナーなど、数種類が用意されています。またキャラクターの「特徴」として「外交的」であったり「内向的」であったりと、選択肢にも影響する要素を選択できますし、「子供」を選んだ際にはなんと両親がゲーム内で登場するのです。こうした要素がロールプレイをより没入感のあるものにしていますし、単に設定だけではなく、具体的なイベントの発生にも繋がっているので、高く評価したい点です。

本作のカスタマイズはキャラクターのスキルに留まりません。宇宙船のカスタマイズや拠点と呼ばれる、星々に作れる自分だけの要塞を築くことも可能です。キャラクターなどのカスタマイズはベセスダ・ソフトワークスゲームの特徴ともいえます。

とりわけ宇宙船の改造はそれだけでちゃんとしたコンテンツに仕上がっており、充分に楽しめることでしょう。もちろんゲーム内通貨との兼ね合いになりますが、自分のお気に入りの宇宙船に仕上げる喜びは堪らないものがあります。常に試行錯誤の連続で、嬉しく頭を悩ませてしまうことでしょう。

不具合はないわけではないし期待する要望もある

バグはないといったら嘘になります。しかしながら個人差が激しいようで、どうも筆者はバグらしいバグには2度しかあったことがありません。その内容は、宇宙船内でコンステレーションの仲間Aがプレイヤーと誰かに話しかけて、相手が不在なので会話が進まずそのまま固まってしまうというもの。幸い仲間Aをコンステレーションの拠点に戻してコンステレーションに戻ると相手がいたので会話が進み解決しましたが、ちょっと頭をひねる必要があるため、人によってはクリティカルな不具合と感じそうです。ですが、バグらしいバグはその程度でプレイ時間50時間を駆け抜けることができました。ちなみにPCスペックを附記すると「Core i7-12700、RTX3070、メモリ32GB」という環境でプレイしています。

そのほか、要望にも近い仕様の話ですが、キーボード・マウス操作におけるインベントリメニューなどでの「戻るボタン」の応答の悪さは指摘したいところです。また街のローカルマップがない点も、むやみな迷子を生むのでよろしくありません。ただでさえ様々なクエストギバーがいるというのに、そのもとにたどり着けないというのはいかがなものかと思ってしまいます。ぜひともアップデートで追加してもらいたいものです。

途方もない物量は好奇心旺盛なプレイヤーに応えてくれる

不具合はあるものの、本作は早くあたらしい景色が見たいタイプのゲーマーに応えてくれる、そんなタイプのゲームといえます。アイテムの種類も多く、ルーターシューターの要素もあるのでレジェンダリを見つけたときの嬉しさといったら格別の喜びです。

魅力的なロケーションも枚挙にいとまがありません。文字通りネオンがひしめく腐敗と裏通りの街「ネオン」にはギャングがいて、ギャングに入団してクエストをこなすこともできます。歩いているだけで発生する数多のクエストの数々カスタマイズの豊富さ、本作を開発する苦労を想像するだにおそろしいほどの物量……すべて瞠目に値します。そのすべてを一言で表すならば間違いなく“傑作”といえるでしょう。スルメゲーの雰囲気もあるのでゆっくりプレイするのをオススメします。

まとめ

幅広いという言葉では間に合わない量のクエストの山、その分岐の量、カスタマイズできる宇宙船のおもしろさ、とにかく言葉だけでは足りないほどのおもしろさを備えているのが今作です。バグもあるといえばあるので、バグフィックスを待ってから購入してもよいかもしれませんし、(Modの公式化も来年なので、プレイ環境が整ってから宇宙の旅に出るのも悪くないでしょう。しかし、待ちきれずに遊んだ人も後悔しないほどの物量で充分に楽しめること請け合いです。



総評:★★★

良い点

・幾重にも派生するクエストの山は好奇心を揺さぶる

・宇宙船や拠点のカスタマイズなどは時間が溶けるほど没入できる

・足早なプレイヤーにもゆっくりとしたプレイヤーにも両方に向いている


悪い点

・見過ごせないバグ



《SHINJI-coo-K(池田伸次)》

FPSとADVを偏愛しつつネトゲにも造詣のあるフリーライター SHINJI-coo-K(池田伸次)

「Game*Spark」誌に寄稿しつつも「IGN JAPAN」誌と「GAMERS ZONE」誌にも寄稿。「インサイド」誌にも寄稿歴あり。今はなき「Alienware Zone」誌や「週刊Steam」誌にも寄稿していたフリーライター。 そしてヒップホップビートメイカー業も営む音楽家兼ゲームライターの兼業家。通称シンジ。

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