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『SAO ラスト リコレクション』は“ミリしら勢”でも楽しめるのか? 開始直後から急展開な体験は「狭間」がキーワード【プレイレポ】

「SAO」ゲームシリーズの集大成とも言うべき『ソードアート・オンライン ラスト リコレクション』に、ほとんど知識のない“ミリしら勢”が挑んでみました。果たして楽しめるのか……!?

ゲーム PS5
『SAO ラスト リコレクション』は“ミリしら勢”でも楽しめるのか? 開始直後から急展開な体験は「狭間」がキーワード【プレイレポ】
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■希望と絶望の「狭間」に置かれた、早い展開による意外な心地よさ

重ね重ね自業自得ながら、前作を遊ばずに『ラスト リコレクション』からプレイを始めると、その急展開ぶりに若干“置いてけぼり感”が否めず、感情移入はしにくいのが率直な感想です。しかし、元々「SAO」のゲームシリーズはキリトという確立した主人公がいるので、プレイヤーが同一感を求めるには不向きな作品と言えます。

また、ここまでの流れを実際に体験した実感として、事情を把握しきれない一方で、展開がスピーディかつダイナミックな印象を受けました。例えば主人公が見知らぬ場所で目を覚まし、世界のことも分からずまずは放浪するような幕開けから始まるゲームもありますが、そうした導入は間延びし、最初の盛り上がりに欠けがちです。

そうした一例の“始まり”と比べると、本作は人界と暗黒界の対立を最初から浮き彫りにした上で大規模な戦いを回避する「和平」という希望が訪れ、その可能性にキリトたちが邁進する……と状況から目的まで明確で、その筋道もドラマチックに進行します。

情報不足という明確なデメリットはありますが、大きな転機を迎えた「ちょうど美味しいところ」からゲームを始められるというのは十分なメリットになり得るのではと、今回のプレイを通して感じました。

和平会談のために暗黒界に足を運んだ後もその都度大きな展開を迎え、物語はプレイヤーの興味を引いたまま展開します。大きな事態から始まった物語なので、その分だけ動かしやすいのかもしれません。

また、冒険の道中で交わされる会話の数々や中継地として立ち寄った交易街で巡り合う様々なサブエピソードなどキャラクター間の交流も多く、“ミリしら勢”でもその人となりを知る機会は十分あります。メニュー画面には用語集もあるので、一定の情報収集もゲーム内で可能です。

人界と暗黒界の全面衝突寸前から始まる本作は、戦争という悲劇が間近に迫った絶望的な状態にありました。ですがそこに、和平の道を携えたドロシーにより一筋の希望が見えてきます。

順序よく『アリシゼーション リコリス』を経験した人にとっては長い道のりの結果かと思いますが、今回初めてその流れに触れた立場から見ると、状況の全てが怒涛のように押し寄せ、いきなり大きな岐路に立たされる感覚です。

そして希望と絶望のどちらに傾くかまだ決まっていない、いわば「狭間」にいるキリトたちがこの先に何を掴むのか。急な展開だからこそ、クライマックスから始まるジェットコースター的な盛り上がりを見せる流れがかなり新鮮でした。あえて例えるなら、人気ドラマのシーズン2から観始める感覚、と言えば伝わりやすいかもしれません。

もちろん、こういった遊び方は想定されたプレイの主流からかけ離れていますし、『アリシゼーション リコリス』から遊ぶのが理解する上でも最良なのは間違いないでしょう。ですが動画を1.5倍で見る「時短」派な人が増えてきた昨今、物語の展開期から始まる本作からのプレイの方が性に合う人もいそうです。

ちょっと偏屈な視点からのプレイとなりましたが、だからこそ見えてくる部分もあり、『ラスト リコレクション』から始める物語体験もなかなか味わい深く感じました。

■バトルシステムの特徴は、「コマンド」と「アクション」の狭間にあり

“ミリしら勢”にとって特に影響が大きい、『ラスト リコレクション』の物語に対する印象や手ごたえは以上の通りですが、ゲーム性の軸となるバトルシーンにも軽く触れさせていただきます。というのも、本作のバトルに関する要素は非常に多く、その全てを解説するとそれだけで記事の文字数が膨大に膨れ上がってしまうためです。

「ユニゾンアーツ」などの新要素があるのはもちろんのこと、10年に及ぶシリーズ展開の中で生み出され、そして継承されたシステムがあり、その歴史が詰まった本作のバトルに関する要素は実に多彩です。

そこで、そのひとつひとつを説明するのではなく、各要素が積み重なってまとまったバトルの体験を総括しプレイレポートの一環としてお届けします。

本作のバトルはフィールドに存在する敵と直接戦うアクションRPG型です。戦いを繰り返すことでキリトたちが成長しますが、それぞれ得手や役割が異なるので、それぞれの特徴をどう活かし、シナジーを生み出すかが勝敗に大きく関わります。

「アクションRPGなら操作キャラ以外の仲間たちは自動的に動き、AIに任せるだけでは?」と思う方もいるでしょう。その指摘は半分正解です。バトルに参加できる人数は最大4人で、そのうちのひとりをプレイヤーが直に操作。また操作キャラは戦闘中も自由に切り替えられ、非操作の3人はAIが操作して戦闘に参加します。

ですが、リアルタイムに敵と戦いつつ、仲間の行動を直接指示できるシステムもあり、この要素がコマンドRPGさながら。スキルの連携はもちろん、敵の攻撃に対するカウンター、ダメージを受けた後の回復、大技に備えた全員防御など、一般的なアクションRPGよりもきめ細かい指示が可能です。

しかも指示を出す操作中はゲーム内の戦闘が一時的に止まるので(設定で、時間を経過させることも可能)、慌てる必要は皆無。敵の出方に合わせてこちらの戦略をパーティ単位で考え、対処することができるのです。

また直接的なアクション要素は、様々な技を繰り出す豪快さと敵の動きを見極める立ち回りがメインになっている反面、厳密な意味でのテクニカルな腕前はそれほど求められず、アクションが得意でなくとも十分クリア可能です。

敵の攻撃に合わせた「ジャストステップ」や「ジャストガード」といった回避・防御要素のように、アクションゲームさながらの反射神経が必要な要素もありますが、通常の回避や防御でも十分事足りるので、「慣れているとより有利に、しかし得意でなくともでも十分戦える」といったゲーム性と言えるでしょう。また、難易度選択もあるのでご安心ください。

戦闘の演出を含めてかなり派手ですし、「通常攻撃」に「フィニッシュスキル」、「ソードスキル」や「チェインバースト」、「アーマメント・アセンション」の開放に「スキルアライド」と戦闘中の攻撃手段も多種多彩。

ですが根幹となるゲームシステムはシンプルですし、仲間への支持や連携は焦る必要はなし。コマンドRPGとアクションRPGの中間──ジャンルの狭間とも言うべき位置に立つゲーム性だと感じました。

ジャンルの好みは人それぞれなので、いいとこ取りを狙ったと受け止めるか中途半端と感じるかは、プレイヤー次第で分かれるところでしょう。ですが原作やアニメファンが手に取ることを考えると、ガチガチのアクションは間口が狭すぎます。想定するユーザー層を踏まえた絶妙なラインを狙った結果として考えると、妥当な落としどころだと感じました。

ちなみに本作はバトル要素も味わえる体験版が配信中なので、気になる方は直接触れてみるのがお勧めです。


「SAO」シリーズ未体験で『アリシゼーション リコリス』の続編にあたる『ラスト リコレクション』をいきなりプレイするという、なかなか無謀な試みに挑んでみました。

ですが結果として、前後編の物語を中盤から読み進める展開の速さ、中途参加ながら「和平」を目的とする分かりやすさ、後追いでも人間関係が徐々に理解できるサブエピソードの多さなど、通常のプレイとはちょっと違う味わいで楽しめたのも事実です。

もちろん真っ当なプレイを望む場合は、やはり『アリシゼーション リコリス』からのプレイがお勧めです。しかし展開の早さを求める人や、シーズン2からドラマを見始めても全く問題がない方は、いきなりここから遊ぶという手もアリかもしれません。

「希望」と「絶望」の狭間から始まる急展開がゲームへの入り口となるのはここからプレイを始めたユーザーの特権……と言うと大げさですが、日頃とは違う切り口から臨むと、意外な一面と出会えることもあります。筆者のようにずっと「SAO」に興味がありつつも、まだ未体験という方は、この機会に一考してみてください。

(C)2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project (C)Bandai Namco Entertainment Inc.

《臥待 弦(ふしまち ゆずる)》
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