
完全に個人的な話で恐縮ですが、最近レトロゲームがアツいです。というのもゲーム媒体で活動する記者として、スマートフォンゲームや現行ハードの大型タイトルだけではなく、ファンに語り継がれている名作にもスポットを当てて触れていかなければいけないという使命感が、脳裏をよぎるのです。
しかしここ最近、ゲーム業界のトレンドの動きは驚くほどに早く、eスポーツやらインディーゲームやらゲームを配信するVTuberの話題やらで熾烈を極めています。
そうしたゲームに関連する全てを見ていては当然自分の時間など足りないものですが、そんな激動の最中にレトロゲームくらい省エネでリプレイ性の高いゲームが癒しになっているわけです。今は『THE KING OF FIGHTERS '94』をプレイ中で、次は『EGGコンソール ぽっぷるメイル PC-8801mkIISR』が非常に気になっています。

※本稿では、システム上の関係で簡体字/繁体字で表記すべき部分も異体字に置換している場合があります。
◆『VIRTUAL CIRCLE』

8月4日にTencentが公開し中国で話題を呼んだタイトルが『VIRTUAL CIRCLE』です。主にbilibiliなどを中心に活動している、中国国内での人気が高い、雫るるさんなどのVTuberたちが登場するゲームとなっています。
PVを公開するや否や、記事執筆時点ではあっという間に動画の視聴回数が500万再生以上を記録。bilibili、TapTapにおける事前登録のトレンドでは、ランキング一位を獲得していました。




現時点では6分ほどのティザー映像とゲーム画面らしき場面が映し出された程度で、ゲームそのものの仕組みや詳細なシステムについては明かされていません。また、ティザー映像のエンドロールでは、日本でも知っている人は知っているVTuberたちからのコメントが多く寄せられています。

公式サイトでは、ゲームのキャラクターとして参加したいVTuberたちを募っているようでした。まだほとんど詳細がわからない本作ではありますが、もし日本の人気VTuberたちも参加することがあれば、お祭りのようなゲームになりそうな気がしています。
◆『Yog-Sothoth’s Yard』

クラウドファンディングでの資金調達に成功し、昨年2023年10月にSteamで発売された「クトゥルフ神話」がベースとなるホテル経営シミュレーション『Yog-Sothoth’s Yard』のモバイル版が、現在中国TapTapにてベータテストを実施しています。




Steam版では「特別好評(非常に好評)」を獲得。美少女×クトゥルフの組み合わせに惹かれてプレイした日本ユーザーもいるのではないでしょうか。ただ、ゲームは現在も中国語(繁体字)と英語の2言語でしかサポートされていません。
モバイル版と言えどもTapTapでの期待値はかなり高く、「9.5」とほぼ満点に近いユーザースコアを記録しています。「既にSteamでプレイしたけどスマートフォンでも遊びたい」といったプレイヤーも一定数いて、多くのユーザーたちが本作の正式リリースを待ち侘びているようでした。
◆『白噪生存指南』

『白噪生存指南』は、2023年9月27日に初報となる第1弾PVが公開されてから、半年近く続報がなかったローグライクアクションRPGです。今年の5月あたりから公式アカウントによる情報公開が活発化しており、7月には「ChinaJoy 2024」にも出展されて、ゲームを実機で体験できたようです。
現状日本語サポートは未定ですが、PC版がSteamにも登場しています。公開中のPVでは、アニメスタイルのグラフィックでスピード感溢れる戦闘が展開されていきます。




ここ最近中国ゲームの大きな進化を目にしてきた、目の肥えてしまったゲーマーたちの視点からは、そこまで本作に目新しさや驚きを感じられないかもしれません。アニメ調の3Dモデリングは当たり前になりつつありますし、「ローグライク」というジャンルも新鮮味に欠けます。
現状では特筆するほどトピックになり得るゲームシステムや魅力を発見できていませんが、本作が今後どのようにゲームの魅力を訴求していくのか、気になるところです。