ダウンロード中の画面がこんなオシャレなことある??


そう、シンガポール発のゲームスタジオ・Elementaが送る『白銀の城』はオシャレでかっこいい。とにかくオシャレなアクションRPG。メインシナリオでは主人公のシックな探偵がスタイリッシュにパリィし、シャレた空間でスマートに謎を解いていきます。
……なんだか横文字ばかりですが、それぐらいにかっこよさが詰まった一作であることがおわかりいただければ幸いです。


そのカッコよさを作り上げているのは、なんといっても世界観。先ほど主人公は探偵とお伝えしましたが、物語の舞台にはかのシャーロック・ホームズが活躍した時代のイギリス、ヴィクトリア朝期のような建物が立ち並び、当然シナリオにも“謎”が散りばめられている――さながら本格ミステリのような雰囲気を楽しめるのが、本作の大きな特徴になっているのです。
ここ近年で多数のタイトルが出ている、PC・スマートフォン向けかつ基本プレイ無料(アイテム課金あり)のオープンワールド系タイトルでは、ちょっと異質な雰囲気のゲームであることは間違いなし。筆者がそんな『白銀の城』のおもしろさに触れた、2025年1月13日~18日のあいだまで開催されていた“同一律テスト”の様子をお届けしましょう。

シーンの作りかたが秀逸。豪華なグラフィックとBGMを“どう見せるか”が上手いゲーム
舞台となる都市の名前はシルバニア。過去に“シルバーリキッド”と呼ばれる新元素の発見により大きく発展し、いまだ世界中の注目を受ける奇跡の都市です。しかし急激な成長は多くの闇を生むもの。シルバニア内には巨大企業やギャングなど、多くの勢力が進出しており、互いににらみ合っているような状態。
そんな陰謀渦巻く大都市に、主人公である探偵が3年ぶりに帰ってきたところから物語は始まる……のですが、この冒頭シーンが非常にいい。なによりBGMの使いかたが巧みでした。


最初の馬車に揺られるシーンではBGMはほぼなく、かすかに車輪の音がするばかり。ここで新たな女王が即位したこと、「その祝典に合わせて戻ってこないか」と、“ローレン”という名の警視長より連絡をもらっていたことなどが周囲の書類からわかります。
こういう情報の散らしかたもいい……のですが、個人的によかったのはその後。馬車のドアを開けて外へ出た瞬間、耳にあふれんばかりのパレードの音が飛び込んでくるのです。それと同時に、章タイトルである“帰還”の文字。


「ああ、この主人公は帰ってきたのか」や「これが言われていた祝典か」など、得ていた情報が音楽と風景でスッと脳内に届いてくる感じがとても気持ちいい。アニメや映画などでよくある手法ではあるのですが、『白銀の城』が持つ高品質のグラフィックとBGMによる“演出”の力を強く感じた瞬間でした。
プレイヤーの心をグッと掴み、「これからも素晴らしい体験が待っている」という期待を与えてくれる、素晴らしい冒頭シーンだったように思います。いまだからこんな偉そうにいろいろと書いてますが、最初に見たときは「すげえ……」と、ただただ圧倒されるばかりでした。



ケレン味の効いたパリィアクションが魅力。“敵を当てる”探偵らしい観察眼から始まるバトル
本作はそういった“見せる力”が強いんです。それはバトルでも同様。バトルの主体は通常攻撃とパリィ。隙の少ない攻撃を重ねつつ、敵の攻撃に合わせてガードボタンを押す、というのが基本的な戦闘の流れになります。
パリィと言うとちょっと難しそうに聞こえますが、筆者の体感ではそこまでシビアに感じませんでした。攻撃の予兆もわかりやすいため、アクションゲームが苦手でも問題はなさそう。パリィにもダメージがあるため、“防御に回ることで自分のターンを失っている”感が無いのも好印象です。効果音も心地よく、操作自体は簡単なのに激しい戦闘をしているような気持ちになれます。




もちろんカットインの入るド派手な必殺技も! こちらは演出がどうこうではなく、シンプルに“強い”グラフィックで情緒を殴られるような気持ちよさがあります。モーションもひとりひとり凝っていて、少なくともテスト期間中では見ていて飽きるようなことはありませんでした。もっとたくさんのキャラで必殺技を見たい……!
敵がパリィや必殺技で体勢を崩したら、そこにスキルを打ち込んでさらに体力を削ることも可能。通常攻撃、銃、パリィ(回避)、交代攻撃(ゲーム内では奇襲)、スキル、必殺技……というのが、戦闘における行動になります。テストで見た限りはどのキャラクターも汎用のモーションなどではなく、個性的な攻撃をしてくれるのがうれしい。




「操作は簡単だけど、派手だから気持ちいい!」のは、いわばハッタリが効いているということなのですが、それこそ『白銀の城』が持つ“演出”の力。とはいえ操作が単純なのは否めませんので、アクションゲームに自信があるユーザーには少し物足りないかも知れません。それは今後のテストや本サービスに期待しておきましょう。


推理パートは“マインドパレス”で。現場を再現し、痕跡を探す
そもそも、本作はバトルに至るまでも非常に楽しい。「主人公が探偵である」という要素を活かし、戦闘へ至るまでに“街中に歩く人から危険な人物を観察により割り出す”というプロセスが入るんです。
この街、シルバニアには“人狼”と呼ばれる人間に擬態する化け物が住み着いています。主人公は探偵としての洞察力を活かしてそいつらを暴き出し、戦闘へと移行するのです。






人を観察し、その人物について推理する。
これって探偵ものにおける、非常によくあるやり取りですよね。「服の袖にインクがついていて、手にはペンだこ。その上○○で××だから漫画家……それも昔気質のアナログ派だと断定できる」みたいな。そんな“あるある”を疑似体験できるシステムになっているわけです。探偵らしさの落とし込みが素晴らしいなと、思わず感心させられました。

そして探偵として忘れてはいけないのが“推理パート”。今回の同一律テストで体験できたメインシナリオはほんの一部でしたが、公式サイトの説明にもある“探偵アドベンチャー”らしい場面はたくさん見ることができました。
今回のテストで体験できた事件のひとつをざっくり説明すると、探偵にしつこく絡んで情報を得ようとしてきた記者が、ある日突然焼死体になって発見されるんです。しかしその死体は、探偵がこの街に戻ってきた際に警視長から聞かされた“身元不明焼死体事件”の見た目と酷似しており……というもの。なんともこれからの大きな謎につながってきそうな、きな臭さがある事件です。



そうして証拠を集めたあとは、解決編(と、明確に言われているわけではありませんがこう呼ばせていただければ)へ。ここもまた見せかたがおもしろい。探偵は集めたその証拠をもとに脳内で当時の現場を再現した“マインドパレス”へと潜り、まるで実際に見てきたかのように謎を解き明かすのです。


まるで事件当日の状況を見てきたかのように語りつつ真相へと迫る姿は、まさに本格ミステリの佇まい。とはいえ推理を主体としたゲームではないため、プレイヤー側は読むだけで真相にたどり着けるようになっています。
自身で謎を解くというよりは、謎解きの疑似体験に近い。推理小説や映画、アニメなどを視聴している感覚を“ゲーム”という形に再構築して、より没入感を高めている……という表現が、個人的にいちばんしっくり来るでしょうか。

今回のテストで体験できた謎は比較的単純でしたが、そもそも体験できたメインシナリオは序盤も序盤。物語が進むにつれ謎の複雑さは増していくでしょうし、テストを受けてもっと解きかたも変わって来るかもしれません。もしかしたら、プレイヤーの推理力が試されるような場面も来るかも?
現状でもとんでもないグラフィックによる没入感は他の追随を許さないレベルだと感じるので、これからの展開に期待したいところです。


街ブラが楽しすぎる。
最後にこれだけ書かせてください。『白銀の城』は、あまりにも探索が楽しすぎる。
本作のマップは拠点となる都市・シルバニアのみ。オープンワールドによくある、世界中を旅するタイプではありません。範囲は狭く限定しつつ、より細かく描写することで情報量を上げているような作りですね。近年発売のタイトルだと『Pokémon LEGENDS Z-A』などがわかりやすい例でしょうか。
正直今回の同一律テストで遊べた範囲はかなり狭いと思います。ただ、それでも十分なぐらい楽しかった。やっぱり全体的に雰囲気がいいんですよ。






移動を楽にしてくれる銀色の馬、クラゲのような見た目をした昇降機、街中にしかけられた宝箱やパズルギミック。とにかく全部見た目がいい。これはただただ個人的な嗜好にぶっささっただけなのですが、街の雰囲気と相まってどこに行ってなにを探すのも楽しかったです。
街を歩いていると、「猫を追いかけてほしい」というようなクエストが突発的に始まるのも楽しかったですね。もちろん楽しいだけではなく、猫を追いかけて知らない場所に出たり、「ここ通れるの!?」みたいな気づきがあったり、プレイヤーの探索範囲を広げるためのギミックとしても作用しているのが印象的でした。



探索していると、時折人狼の気配がするのもいいですね。怪しい人を観察して人狼の擬態を見破り、戦闘へ突入する。なんだか犯人を探す探偵っぽくておもしろい手触りです。……散歩ついでに狩られる人狼側からしたら、たまったもんじゃないでしょうが。

オープンワールドでは欠かせない“探索”に、“探偵が主人公”という本作ならではな要素が噛み合い、『白銀の城』らしい味になっている。これは間違いないでしょう。マインドパレスでの解決のしかたもそうですが、探索の際も推理小説の主人公になれるような感覚がたまりません。



あと、キャラの見た目が良すぎて探索してるだけでも眼福すぎる。こんなに美麗なキャラがずっと視界にいていいのでしょうか。顔が良すぎて目が潰れないか不安になりますが、潰れるならむしろ本望かもしれません。
少しアレな話にはなりますが、衣服などのデザインもかなり攻めていてとてもありがたいですね。しゃがむ場面ではちょっとした感動を覚えました。



見せかただ演出だなんだ小難しいことを言ってきて、結局最後は「顔がいい」とかいうシンプルな結論に落ち着いてしまいました。でも結局、そこが真理なのかもしれません。何度も書いているとおり、『白銀の城』はとんでもなく美麗なグラフィックをしていると思います。キャラクターなんかはとくに。

しかし、“綺麗なグラフィック”だけでは昨今大したウリにはならないでしょう(にしても本作はかなりブッ飛んでいるとは思いますが、それでも)。だからこそ、見せかたの模索を怠らない。「プレイヤーの心を掴んで、絶対に逃がさない」という制作陣の執念すら垣間見えるようです。
同一律テストの内容は、はっきり言ってしまえば薄いものではあったと思います。ただ、そのグラフィックのすさまじさと演出の妙で、デモンストレーションとしてはこの上ない感動を与えてくれました。
これからコンテンツが拡充されて、ゆくゆくは正式サービスに……その変遷が、いまから待ち遠しくてなりません。
『白銀の城』は、PC/モバイル/コンソール向けにリリース予定。2026年1月現在ではまだリリース日が未定のままですが、今後もどう動くかをしっかりと注視したいと思います。














